仄とは、傾く、ほのか、という意味の漢字である。また、仄韻・仄声のこと。
漢字として
- 意味
- 傾く、狭い、仄声、ほのかに、かすかに、いやしい、(側と通じて)かたわら。
- 〔説文解字・巻九〕には「側傾なり」とある。
- 字形
- 諸説ある。人+厂の会意説、夨声の形声説などがある。〔説文〕は「人の厂下に在るに从ふ」と、人+厂で人が崖の下にいて体を傾ける意としている。
- 音訓
- 音読みはショク(漢音)、ソク(慣用音)。訓読みは、ほの、ほのか、かたむく。
- 規格・区分
- 常用漢字でも人名用漢字でもない。JIS X 0213第二水準。
- 声符
- 仄を声符とする漢字に、昃などがある。
- 語彙
- 仄韻・仄字・仄声・仄聞・仄陋
異体字
- 𠨮は、〔説文〕に「籒文、夨に从ふ。夨、亦聲」とある異体字。
- 𠨻は、〔漢語大字典・異体字表〕にある異体字。〔字彙補〕に「陋なり、傾側なり」とある。
- 𠩩は、〔集韻〕にある異体字。
- 庂は、〔漢語大字典・異体字表〕にある異体字。赤庂は、漢代の銭の名。また廃するという意味がある。
- 𤴩は、〔竜龕手鑑〕にある異体字。