大友黒主(おおともの くろぬし、生没年不詳)とは、平安時代前期の歌人である。
六歌仙の一人。大伴黒主と表記されることも多い。
文屋康秀、喜撰法師と同じ六歌仙のマイナー組で、彼の詳細は出自も含めて謎に包まれている。近江国の出身で、神職を務めていたらしく、朝廷の祭事や寺院の参詣時に詠んだ歌が多い。勅撰和歌集に載せられた歌は11首、康秀・喜撰よりも多く残されている。大伴家持などの歌人を輩出した有力貴族である大伴氏の一族という説もあるが、近年の研究では大友氏と大伴氏は全く別の一族であり、大伴氏の縁者だから六歌仙に抜擢したという説は誤りと言われている(うた恋い。では氏名が似ているからと説明されているが、こちらも少し苦しい)。
黒主はその生涯ではなく、六歌仙の中における扱いが不遇であることでも知られる。古今和歌集の「仮名序」では、紀貫之に「そのさま卑し(俗っぽくて卑しい)」と散々なまでに言われている。上げて落とすことに定評のある貫之の六歌仙批評だが、黒主だけは褒めてすらいない。そして彼の不遇っぷりを決定的にしたのは、藤原定家が選定した百人一首の中で、六歌仙の中で唯一歌が載っていないことである。こうしてひとりだけのけ者にされたことと、「卑しい」という批評から黒主はマイナスイメージが付くようになり、能「草紙洗小町」や舞踊歌舞伎「積恋雪関扉(関の扉)」「六歌仙容彩」では悪役として描かれてしまうようになった。
彼の名誉のために言っておくと、同じ古今和歌集の「真名序」では、歌が伝説の歌人・猿丸大夫に次ぐレベルと高く評価されており、能「志賀」では明神に祭られている。
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最終更新:2024/07/27(土) 23:00
最終更新:2024/07/27(土) 22:00
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