文屋康秀(ふんやの やすひで、?~885?)とは、平安時代前期の歌人である。
六歌仙のメンバーに挙げられているが、その生涯・人物像はよくわかっていない。と言うのも、在原業平や僧正遍昭は身分が高く当時の歌壇の中心人物だったのに対して、康秀はずっと身分の低い下級官吏であり、記録がほとんど残されていないからである。勅撰和歌集に入った和歌も5首と少ない(しかも、そのうち2首は子の朝康作という説もある)。
紀貫之は「詞はたくみにて、そのさま身におはず(言葉遣いに技巧を凝らしているが、中身が無い)」と評しているが、彼の代表作である「吹くからに 秋の草木の しをるれば むべ山風を 嵐といふらむ」も、簡潔に解釈すれば「山+風=嵐」という言わばダジャレである。しかし、こうしたナンセンスな言葉遊びを31文字の句に凝縮する歌の巧みさが高く評価され、百人一首の中でも印象に残りやすい歌のひとつである。
なお、この歌は上の句の最初の1文字目で札が取れる「むすめふさほせ」のひとつなので、百人一首の中でも早めに覚えておきたい歌である。また、落語「強情灸」では、この歌がネタに登場することがある。
同じ六歌仙の小野小町とは親交があったらしく、三河に赴任する時に小町を誘ったところ、「わびぬれば 身をうき草の 根を絶えて 誘ふ水あらば いなむとぞ思ふ」と同意を匂わせる返歌が届いた逸話が残る。但し、本当に小町が康秀と同行したかは不明である。
漫画「うた恋い。」では、六歌仙のエピソード(原作2巻、アニメ4~5話)の中心人物として登場する。元々の逸話が少ないため、在原業平との腐れ縁や、喜撰法師らとの交友は、杉田圭のオリジナルストーリーである。うた恋い。にしては珍しく恋愛を題材としておらず、貧乏でサラリーマンのような哀愁と人間臭さが共感を得たのか、公式人気投票では第3位にランクイン、2位の僧正遍昭とはわずか4票差という接戦だった。
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最終更新:2024/11/28(木) 02:00
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