寝床(ねどこ)とは
ここでは2について解説する。
上方落語の中でも特に人気の高い噺の一つであり、桂枝雀が得意としていた。戦後になって後に東京にも輸入されたが、江戸は大坂と違いそこまで浄瑠璃が流行しなかったため、設定に少し無理が生じているものの、桂文楽、三遊亭圓生、橘家圓蔵など演者は多い。また、この旦那の、ど下手な浄瑠璃が人に害を及ぼすという、何ともぶっとんだ設定は、一説には「ドラえもん」のジャイアンリサイタルの元ネタではないかといわれている(作者の藤子・F・不二雄は大の落語愛好家であり、作品に色々と落語のネタをパロディとして使っている)。
素人浄瑠璃が大好きな旦那が、今夜浄瑠璃の会を開こうと、嬉々として準備をしている。そこへ、使いにやっていた久七がやってきた。だが、彼が言うには提燈屋も豆腐屋も長屋の連中も誰もかも用事があって来れないという。そして店の連中も病気やら何やらで欠席することを告げると、旦那はそこまで自分の浄瑠璃を嫌がっていることを知り、すっかり機嫌を損ねてしまう。おまけに、長屋の連中にも今日限り店を空けてもらえだの、店の連中全員に暇を出す(つまり、解雇)など、すっかりヒステリーを起こしてしまう。
そこで気の利いた若い連中が旦那の機嫌を取り、そこはうまくやり過ごしたものの、結局みんなあのド下手な浄瑠璃を聴くはめに。そして会が始まり、旦那が語り始めるやみんなは、やけくそとばかり出されたごちそうを貪り、酒を浴びるように呷り、すっかり無礼講。賑やかな場がしーんとし始めたので、みんな聴き入ってるのだろうとご機嫌だった旦那も、いざ御簾を開けて有様を見届けるとすっかり激怒。だが、そこに丁稚の定吉だけが涙を流していた。旦那は自分の浄瑠璃に感動してるのかと問えば、彼はすんなり否定。訳を聞くと
「旦那のいる所が自分の寝床なんです」
※落ちは色々考えられるが、丁稚という立場上自分の寝場所が決まっていて、他人のように無礼講で寝るというわけには行かなかった、つまり彼だけが現実から逃げられなかったと考えるのが自然である。
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最終更新:2025/04/19(土) 10:00
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