悪魔の詩(あくまのうた、あくまのし 原題はThe satanic verses)とは、インド系イギリス人サルマン・ラシュディの小説である。1988年発表。日本では1990年に翻訳。
インド系イギリス人サルマン・ラシュディの書いた小説で、出版の際に内容が反イスラム的であるとされ、イランのホメイニ師から出版関係者に対して死刑宣告がなされた。その結果出版関係者が襲撃されイタリアやトルコで死傷者が出たほか、日本語へ翻訳した教授も何者かに殺害され、未解決事件として知られている。2022年にはサルマン自身も襲撃され障害を負った。
この題名からしてコーランの無明時代の三柱の女神について書かれた節に由来しているほか、ムハンマドの12人の妻の名前と同じ売春婦が作中登場するなど、話のあらすじ自体はイスラム云々いう話でこそないものの、各所に反イスラム的な要素が盛り込まれており、世界中のムスリムの反発をよんだ。
その結果、イランのホメイニ師からファトワー(イスラム法に基づく勧告、法解釈)に基づく死刑宣告が出版関係者に対してなされ、イランがイギリスに対して国交断絶をするなどの影響が出たほか、トルコ語翻訳者の集会が襲撃され37人が殺害されたほか、イタリアやノルウェーの翻訳者も襲撃されけがを負った。
なお、ファトワーを取り消せるのはそれを発した本人のみであるが、ホメイニ師が死んだことで誰も死刑宣告が取り消せなくなってしまった。
このように、たった一冊の小説からテロやら国交断絶やらの大騒動になったことや、宗教や信仰のためなら人間はいくらでも残虐になり得るということを示す事件として知られている。
この小説を日本語に翻訳した五十嵐一教授も1991年に殺害され、未解決事件となっている。
1989年に、出版会見でパキスタン人の男に襲撃されるなどその予兆はあったのだが、2年後の1991年7月11日に筑波大学のキャンパス内で殺害され翌日発見された。その殺し方はイスラム圏によくある殺害方法で、犯人が捕まらないまま2006年に時効を迎えている。
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最終更新:2024/06/04(火) 01:00
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