わたしのことを、いまにも見限ってきそうな眼差しが好き。とは (ワタシノコトヲイマニモミカギッテキソウナマナザシガスキとは) [単語記事]

わたしのことを、いまにも見限ってきそうな眼差しが好き。とは、"学園アイドルマスター"に登場するアイドル篠澤広の台詞である。

この項目は、『学園アイドルマスター』篠澤広プロデュースのネタバレ成分を含んでいます。
ここから下は自己責任で突っ走ってください。

概要

アイドルに向かない天才少女

篠澤広は14歳にして大学を卒業するほどの頭脳を持った天才少女。そんな彼女が、どういうわけか初星学園アイドル科にやってきた。神童と呼ばれる広だが、それは学業での話。運動能力も体力も皆無で、なんと学園始まって以来初めての偉業、編入試験 筆記満点・実技0点を叩き出すほど。それ故に、学園で広の名を知らない生徒はいなかった。プレイヤーの分身であるプロデューサー(学マスP)すら「広をプロデュースする人は大変だろうな」と完全に他人事として考えていたほどだ。

ある日、学マスPはくたくたになった広が力尽きて倒れたのを目撃。広の身を案じた学マスPは、彼女を抱えて保健室に駆け込んだ。しばらくして目覚めた広は、どういうわけか「プロデューサーになって欲しい」と申し出た。学園にはアイドル科だけでなくプロデューサー科も存在し、アイドル科の生徒はプロデューサー科の生徒のサポートを受けることができる。学マスPは即座に断ったものの諦めない広に根負けし、お試し期間として一ヶ月だけプロデュースすることになった。
一方アイドル科の中では、補欠合格で入学した花海佑芽や入学試験の点数が下から数えて一番の倉本千奈と意気投合し、ダメダメトリオとして一緒に自主レッスンするようになる。

とはいえフィジカルに難があることに変わりはなく、寮から歩いて登校するだけで満身創痍、レッスンでは準備運動の時点でヘトヘトになり、挙げ句途中で倒れて保健室送りになるのも日常茶飯事とまるでついていけない。だがそれでも、広は諦めずレッスンを続ける。

篠澤広親愛度コミュ3

広にプロデューサーがついたことを知り、佑芽と千奈は驚く。プロデューサーがつくとサポートを受けられるだけでなく、奨学金の条件が緩和されるなどの恩恵がある。何より、アイドルとしての才能や資質があると評価してくれる人が現れたということだ。羨望の眼差しを向けながらも、友人を応援する二人。佑芽は広に、学マスPがどんな人物なのかを聞く。

わたしにとって、すごく、いいプロデューサーだと思う。
すき。

突然の大胆発言におおはしゃぎする佑芽と千奈は、「学マスPのどんなところが好きなのか」とさらに踏み込んだ質問を投げる。
が―――。

この学園で出会った人たちの中で、いちばん......わたしのことを。
低く評価しているところ。

予想からズレた回答に、佑芽は固まる。そんな彼女にお構いなしに、広は続ける。

わたしのことを、いまにも見限ってきそうな眼差しがすき。

普段の広からは想像できないようなうっとりとした顔で語る彼女を見て、佑芽と千奈はドン引き言葉を失う。そのプロデューサーで大丈夫なのかと佑芽は心配するが

大丈夫。
引き受けたからには全力を尽くすって言ってくれた。
1ヶ月だけのお試し契約だから......
来月になったら、わたしは捨てられちゃうかも。

問題しかないような回答に佑芽は思わずツッコミを入れ、千奈に至っては広を労るあまり涙する始末。そして広は頑張ることを改めて表明し、佑芽たちも広を応援すると返す―――という流れで会話が続いていく。

困難に挑むという生き方

一見、佑芽と千奈がドン引きするのも無理もないようなマゾ発言だと感じるかもしれないが、一概にそうとは言い切れない。

不向きなこと、無謀なこと、無理なこと...そういった困難な環境に挑む。そしてどんなにゆっくりでもどんなに少なくても、課題をクリアし、できることを増やし、成長していく。そこに価値を感じるのが広という人間なのだ。決して弱音は吐かず、欠点を指摘されても課題だと受け止め、解決しようと前向きに取り組んでいく。...残念ながら精神の前に身体がアラートを上げてしまうのだが。
そんな広だからこそ、一度引き受ければ責任を持ってプロデュースを遂行し、厳しい現状でも率直に評価する学マスPにプロデュースを申し入れたのだ。

なお、厳しい言葉ならなんでも喜ぶというわけではなく、心のこもってない言葉の場合はそれを見抜いて「ちゃんと評価しろ」と怒る。やたらと辛辣な発言をしてばかりの月村手毬に対しても、彼女の行動から本質は優しい人だと見抜いている。このことからも他者に対する鋭い洞察力を持っていることが伺える。
一方の学マスPも厳しい評価をすることが多いが、褒めるときはちゃんと褒めたりするので特にサディストというわけではない。

このコミュは、そんな広が友人から見ても特異な存在であることや、それでも支えてくれる友人を持っていることを描いている。一方で表情がコロコロ変わる佑芽と千奈も魅力的に描いているところも印象的。二人に「学マスPはやベーヤツ」と勘違いされてしまったかもしれないが、方向性はともかくやべーヤツではあるので問題ないだろう。
親愛度3コミュなので遊び初めてから早い段階で見ることができる。そういう意味では、最初に広を選んだプレイヤーに千奈や佑芽を見せることで、彼女らのプロデュースを促すような狙いもあるのかもしれない。