石塔頼房

石塔頼房（？～？）とは、鎌倉時代末期から南北朝時代にかけて活躍した武将である。

概要

石塔氏とは足利泰氏の四男・相義に始まり、その子・石塔頼茂が泰氏の養子に入ったとされる足利氏の庶流である。石塔頼房の父・石塔義房は伊豆・駿河の守護代を務めるが、北畠顕家亡き後奥州総大将として奥羽の南朝戦線で活躍した人物である。

しかし、奥州にやがて奥州管領の吉良貞家、畠山国氏の両名が派遣されると、奥州をめぐって対立が深まり、足利尊氏との確執が生まれ始めていた、そして1350年足利直義が挙兵すると石塔義房、石塔頼房親子は直義派につき、彼を南朝に引き入れたともいわれている。

京都を脱出した石塔頼房は、後村上天皇から尊氏討伐の綸旨を手に入れ、京都へ侵攻。1351年に桃井直常らと入京して幕府軍を破り、打出浜の戦いで尊氏派に勝利したのである。こうして直義派が室町幕府を支配すると彼は引付頭人に任じられ、伊勢の守護にも補任された。

しかしやがて直義と尊氏の対立が再燃すると、頼房は伊勢で軍勢を立て直し、近江で挙兵、そのまま鎌倉の直義と合流したのだ。薩埵峠の戦いで直義が破れた後も石塔義房・石塔頼房父子は南朝に降り、頼房は山名時氏、足利直冬、桃井直常、楠木正儀らと挙兵。再度京都を手中に収めた。

石塔頼房は南朝の刑部卿に任じられ、1354年に再度京都へ侵攻。さらに1361年にも京都を制圧するなど南朝の主力として活動したのである。しかし1364年、不利を悟るとついに降伏。同じような立場であった桃井氏と違い、彼の息子が足利義満に仕えたのを最後に石塔氏そのものの記録が絶えてしまったようだ。

関連項目

• 日本史の人物一覧
• 南北朝（日本）