結城政勝とは (ユウキマサカツとは) [単語記事]

結城政勝（ゆうき・まさかつ　1503 ～ 1559）とは、下総の戦国大名である。

概要

結城氏は父・結城政朝のとき、下野の宇都宮氏の没落に乗じて勢力を拡大していった。政勝もその路線を継承して、本拠下総から下野・常陸にまたがる勢力圏を築き上げた。

一方、彼の時代には関東の既存権力者たちに代わって後北条氏が台頭してくる。これに対しては親北条政策を取って、周辺勢力と戦った。

生涯

名君と名高き結城政朝の子。小山家の養子になった小山高朝は弟にあたる。（※結城氏と小山氏は同族で、小山氏の方が本家筋にあたる）『政』字は古河公方・足利政氏からの一字拝領。

1527年、父の隠居に伴い家督を継いだが、実権は引き続き父が握った（政朝は1547年没）。ただ一説ではこの一時期、兄と思われる結城政直が当主になっていた形跡もある。

彼の生きた時代は、北条氏康の関東進出の時期とだいたい重なる。まず1538年に第一次国府台合戦で小弓公方が滅亡、続いて1546年に河越夜戦で扇谷上杉家が滅亡、1551年に平井城が攻略され山内上杉家も没落、1552年には古河公方・足利晴氏が強制隠居に追い込まれ、足利義氏が傀儡当主として置かれるに至った。

こうして、それまでの「古河公方足利氏対関東管領上杉氏」の構図は崩壊し、新興勢力・北条氏の影響力が北関東や房総にまで及ぶようになった。特に古河公方の傀儡化が政勝たちに与えた衝撃は大きかった。元々は足利藤氏という後継者がいたにも拘わらず、それを無視して義氏を傀儡とした北条氏への警戒感は一気に増した。

弟・小山高朝は藤氏を支持して反北条を主張していたが、政朝は最終的に北条方につく事を決意し、高朝は隠居に追い込まれた。これに対して反北条方の佐竹義昭や小田氏治が侵攻してくるなど周囲は慌ただしくなったが、北条の援軍も得て撃退している。特に1556年には逆に小田領に侵攻して『海老ヶ島の戦い』で大勝、~~いつものように~~氏治の本拠地・小田城を奪い取るなどした。