金原亭馬生は古くからある落語の名跡であるが、現在、一般に馬生といえば、十代目金原亭馬生を指すことが多い。
十代目金原亭馬生(1928~1982)は、天衣無縫の名人と謳われた古今亭志ん生の長男。弟は、やはり名人と名高い三代目古今亭志ん朝である。本来は長男の馬生が「志ん生」を継ぐはずが、次男の才能に惚れ込んだ父が「俺の名はいずれ次男に継がせる」と宣言、長男は父が志ん生となる前に名乗っていた名(七代目)である、金原亭馬生という名を継ぐことになった。しかしそれに文句も言わず、兄弟仲も大変良かったというあたりに、馬生の独特の人柄のよさが伺われる。
父と弟の影にやや隠れがちな馬生であるが、その芸は二人に決して劣るものではなく、上品で軽快でありながらじっくり聴かせる力を持つ、粋な江戸前の芸には、今なお多くのファンがいる。父ゆずり、どころか父をも超える無類の酒好きで、酒の噺をさせたら、他に並ぶもののない至芸を見せた。ニコニコ動画には、その芸を映像で堪能できる、貴重な動画がアップロードされている。四六時中酔っ払っていながら書画の腕は玄人はだし、私生活も和服で通した、じつに噺家らしい噺家であった。
完成度の高い芸風というイメージを持たれることが多いが、内実は度胸一番、出たとこ勝負の人だったと、弟子の五街道雲助は語っている(関連項目参照)。
いよいよ芸に深みが加わろうとしていた54歳の秋、食道がんで短すぎる生涯を終えた。
掲示板
5 ななしのよっしん
2013/05/26(日) 22:56:34 ID: JxAGog5uIb
真面目で丁寧なイメージだけど、弟子の十一代目馬生が言うには豪快で度胸一発なところもあったらしい。
初めて卸す噺の高座の前でも別に緊張せずに平然としてたって。
逆に親父は意外に繊細だったりしたんだけどね。
6 ななしのよっしん
2013/08/09(金) 01:14:43 ID: MMCfAOtgQP
若い頃は一心不乱の稽古で王道を詰め込んで、年をとってからそれがほぐれるにつれて他にない個性が浮かび上がってきた人。
それが父親の志ん生師匠と馬生師匠の共通点だな。草書的な落語という点では志ん朝師匠よりも父親に近かったと思う。
7 ななしのよっしん
2023/07/21(金) 19:05:20 ID: MfGC36pSrG
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最終更新:2024/10/06(日) 18:00
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