漢字として
- 意味
- あきる、満ち足りた、満腹にする。
- 〔説文解字・巻五〕には「猒（あ）くなり。食に从（したが）ひ包聲」とある。〔広韻〕に「食多なり」とある。
- 字形
- 形声。声符は包。
- 音訓
- 音読みはホウ（漢音）、ボウ（呉音）、訓読みは、あきる、あかす。
- 規格・区分
- 常用漢字である。1946年に当用漢字に採用され、1981年に常用漢字になった。JIS X 0213第一水準。
- 語彙
- 飽食・飽和
異体字
- 𩜿は、〔説文（大徐本）〕に「古文飽、𤓽に从ふ」、〔康煕字典〕に〔玉篇〕を引いて「古文飽字」とある異体字。
- 𩛁は、〔説文（大徐本）〕に「𩛁。亦（また）古文の飽。卯聲に从ふ」とある異体字。
- 𩜕は、〔康煕字典〕に〔玉篇〕を引いて「古文飽字」、〔説文（段注本）〕に「亦古文の飽。卯聲に从ふ」とある異体字。
- 飹は、〔正字通〕に「説文飽古文、𩛁と作（な）す。戼聲に从ふ。俗に飹と作す」とある異体字。別の意味もあり〔集韻〕に「餌なり」とある。𩛁と異構。
- 䭋は、〔正字通〕に「飽・𩜿に𠀤びて同じ」とある異体字。
- 𩛊は、〔集韻〕に「飽、――或（ある）ひは缶に从ふ」、〔正字通〕に「俗飽字」とある異体字。
- 𩛒は、〔字彙補〕に「疑ふに卽ち𩛊字」とある異体字。
- 𩛞は、〔字彙〕に「古文飽字」とある異体字。〔正字通〕に〔説文〕にある古文の𩜿が変化したものであろう、とある。
- 𩛴は、〔漢語大字典〕にある異体字。〔一切経音義（玄応）〕、〔説文解字通訓定声〕にあるとある。
- 𩝓は、〔正字通〕に「𩛊、俗飽字。――黃長睿曰く𩝓と𩝒に同じ。音飽」とある異体字。
- 𩝒は、〔正字通〕に「𩛊、俗飽字。――黃長睿曰く𩝓と𩝒に同じ。音飽」とある異体字。
- 𩝩は、〔漢語大字典〕に「𩛒（飽）に同じ」とある異体字。〔字彙補〕に「音飽。張仲竾銘に見ゆ」とある。
- 𩝰は、〔広韻〕に「飽に同じ」とある異体字。
- 𩞛は、〔漢語大字典〕に「飽に同じ」とある異体字。〔説文〕の古文を楷書化したときのバリエーション。
- 饱は、簡体字。
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