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AMPA型グルタミン酸受容体(AMPA受容体)とは、大脳皮質や海馬をはじめ中枢神経系に広く分布し、記憶や学習に関与している受容体である。
| 有機化合物 | |
| AMPA | |
| 基本情報 | |
| 英名 | α-Amino-3-hydroxy-5-methyl |
| 化学式 | C7H10N2O4 |
| 分子量 | 186.17 |
| 化合物テンプレート | |
グルタミン酸受容体は、アミノ酸のグルタミン酸を基質とする受容体であり、中枢神経系において記憶や学習に関与する。「イオンチャネル型」と「代謝型」に大別され、イオンチャネル型グルタミン酸受容体はそれぞれの特異的なリガンドから、さらに「NMDA型」「AMPA型」「カイニン酸型」に分類される。
AMPA受容体が透過させるイオンは、主に陽イオンのNa+であるが、K+やCa2+も透過させる。ただし、GluA2サブユニットを含み、かつQ/R調節を受けてアミノ酸配列が変化したAMPA受容体はCa2+を透過させない。AMPA受容体は、中枢神経系のグルタミン酸作動性シナプスにNMDA受容体とともに発現しており、速い興奮性神経伝達を担う。
AMPA受容体の特異的な作動薬である2-アミノ-3-ヒドロキシ-5-メチルイソオキサゾール-4-プロピオン酸(AMPA:α-Amino-3-hydroxy-5-methylisoxazole-4-propionic acid)は、化学合成された興奮性アミノ酸である。AMPAが特異的な基質として同定される前は、キスカル酸が特異的な基質と考えられていた。
選択的かつ非競合的なAMPA受容体拮抗薬であるペランパネル(フィコンパ®)は、てんかんの部分発作、強直間代発作に、ほかの抗てんかん薬との併用で用いられる。Na+の流入を低下させ、神経の過剰な興奮を抑制する。筋萎縮性側索硬化症(ALS)治療の可能性も見出されており、治験が実施されている。また、ブレインフォグ(COVID-19罹患後の認知機能低下)をきたした患者は脳内の広範囲でAMPA受容体量が増加しているという報告もあり、ペランパネルが治療に活用できる可能性が示唆されている。[1]
AMPA受容体のシナプス移行を促進するエドネルピクには、神経細胞保護作用や神経突起進展促進作用があると目されており、アルツハイマー型認知症治療薬や脳卒中後のリハビリテーション効果促進薬として治験が進められている。2019年8月時点で第II相試験まで進行している。
タカハシヨウによる楽曲『粘着系男子の15年ネチネチ』に登場し、擬人化もされている。作者のブログ
によれば、記憶に関係する受容体であるため選んだようだ。ただし、歌詞では「AMPA型グルタミン受容体」と間違えられている。
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最終更新:2025/12/06(土) 10:00
最終更新:2025/12/06(土) 10:00
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