イージーゴア 単語


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イージーゴア

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イージーゴアまたはイージーゴーア(Easy Goer)とは、1986年生まれのアメリカの元競走馬・種牡馬である。
*サンデーサイレンスのライバルとして日本でも有名。 

概要

父は三冠はオール2着だったが偉大な競走馬で種牡馬としても一流のアリダー、母はラトロワンヌという名繁殖牝馬の血を引き、母の父として非常に優秀なバックパサーを父に持ち、自身もGIを2勝し、すでにGⅠ馬を出していたリラクシングというハイパー良血馬である。
当然期待されないわけがなく、骨瘤から来る脚部不安を抱えていたのを差し引いても評判が高かった。

デビュー戦は取りこぼしたが、そこからGⅠ2勝を含む怒涛の4連勝でアメリカ競馬の祭典、2歳王者決定戦のブリーダーズカップ・ジュヴェナイルへ向かう。
この頃にはすでに父譲りの栗毛で筋肉質、かつ大きな馬体と圧倒的な走りから3代目ビッグレッドなんじゃないか? と思われていた。
……しかし、2代目のセクレタリアト同様デカイ体を持て余し出遅れ、道悪に足を取られてと二重にマイナスがのしかかった結果、前走破ったイズイットトゥルーに逃げ切られてしまう。
勝ち馬の名前じゃないが、ファンや関係者はみんな「マジかよ!?」と思ったことだろう。勝ったイズイットトゥルー自身も前走完敗していたため「マジかよ!?」と思ったかも知れない。なお最優秀2歳牡馬はイージーゴーアが受賞した。

3歳になっても強い、いやより強くたくましくなった。ケンタッキーダービーまで3戦3勝。つけた着差が合計24馬身3/4、ゴーサムSでは1マイルを1:32.4で駆け抜けていった。キチガイか。 
ちなみにダート1マイルの世界レコードはドクターフェイガーの1:32.2である。ドクターフェイガーの方が斤量は背負ってるとはいえ3歳でこのタイムはちょっと尋常ではない。
そして迎えたケンタッキーダービー。ちょっと不器用だろうと問題ない、イージーゴーアならセクレタリアトも真っ青な大楽勝を見せてくれる!……その夢は西海岸からやってきた真っ黒な奴に打ち破られる。生涯のライバル・*サンデーサイレンスとの邂逅であった。
ケンタッキーダービーでは不良馬場に足を取られた上に二度三度と不利を受けたことから、プリークネスステークスではケンタッキーダービー時の1.8倍を超える一本かぶりの単勝1.6倍。両馬とも中間に脚部不安を発症していたこのレースでは、ケンタッキーダービーで悠長に構えすぎた反省もあってか、短い直線を見越してか早めに仕掛けて行くが、サンデーが得意とした根性比べの叩き合いに僅かに敗れ去る。サンデー二冠達成である。ビッグレッドの再来の称号も遠くに霞み始めた。おお、もう……。
ちなみにこのレース、直線で外を向いて*サンデーサイレンスとメンチを切り合うような格好になって勢いが鈍ったことが騎乗ミスという批判を受け、主戦のパット・デイ騎手もミスだったと後に語った。
そして地元東海岸・ベルモントパークのベルモントステークスではついに1番人気すら奪われた。しかし「負けねぇよ、絶対に! 三冠なんてやらねぇ!!」と言わんばかりの圧倒的すぎる競馬でぶっちぎり、8馬身彼方にサンデーを置き去りにする。圧勝である。タイムも2分26秒台と優秀の一語。セクレタリアトは2分24秒台で駆け抜けたがそれはそれである。

しかし三冠レースで失墜した誇りは微塵も取り戻せていないと思ったのか夏休みなしでGⅠへ次々出走。ホイットニーハンデキャップ→トラヴァーズS→ウッドワードS→ジョッキークラブ金杯と4連勝で古馬もサンデー以外の同世代もボコボコにし、ブリーダーズカップ・クラシックへ向かった。
ここでは夏の圧倒的パフォーマンスが評価され1番人気、対するサンデーはベルモントステークス後調子を崩し2戦し1勝、GⅠは勝ったが同世代相手だったということもあり再び評価を下げた。
しかし、ここでもコーナーでヌルッと加速し一気に抜け出すサンデーと猛烈な末脚はあるがコーナリングが下手くそな彼の差が出てしまう。
直線猛烈に追い、残り100mで驚くような伸びを見せ迫るが時すでに遅し。先に抜け出した*サンデーサイレンスに三度敗れ去ったのであった。年度代表馬のタイトルも奪われた。こんなはずでは……関係者は天を仰いだことであろう。
ベルモントステークスの後のGⅠ4戦は該当レースを全勝した(同一年かは問わない)馬自体がイージーゴーアだけ、古馬になってから3歳戦のトラヴァーズS以外の3つを1年で勝った馬もケルソとスルーオゴールドという殿堂馬2頭しか他にいないほどの大暴れをしていたから尚更である。

じっくり休んだ後4歳になっても現役を続行したが、始動戦を勝った後のメトロポリタンハンデキャップで欧州から移籍して開眼した*クリミナルタイプの3着に敗れ連対すら逃すなど、歯車は狂い始めていた。
気を取り直して挑んだ次走サバーバンハンデキャップは例によってGⅠをGⅠとも思わない圧勝劇を見せたがその後脚を痛め引退。同じ頃西海岸でもサンデーが脚を痛め引退。
8月にこの2頭を招いてのスペシャルレースが企画されていたが、それは結局実現しなかった。
通算成績は20戦14勝GⅠ9勝。とんでもない実績である。サンデーサイレンスがいなければ間違いなく3代目ビッグレッドとして伝説になったであろう。
逆にこんな馬に勝ち越したサンデーが尋常な馬ではないこともわかってしまうほどである。 

余談だが、イージーゴーアを破った*クリミナルタイプは次走で*サンデーサイレンスも負かすなど大活躍した。ブリーダーズカップ・クラシック前に惨敗して引退したが年度代表馬を獲得。あの2頭を負かしたのはフロックではないことを示した。
しかし代わりにケンタッキーダービーとブリーダーズカップ・クラシックを勝ったアンブライドルドが犠牲になった。例年なら年度代表馬なのに。 

引退後は種牡馬入り。日本にドナドナされた輸出されたサンデーと違い、全米から種付けオファーが殺到する大人気種牡馬となったが好事魔多し、1994年にアナフィラキシーショックを起こして8歳で夭折してしまう。無念。死後の1997年に殿堂入り、1999年にブラッド・ホース誌選定「20世紀のアメリカ名馬100選」で第34位に選ばれている。
日本で血統地図を塗り替えたサンデーに種牡馬としても完敗してしまう結果になったが、わずかに残った産駒からはマイフラッグ(母パーソナルエンスン、CCAオークスなど)やウィルズウェイ(トラヴァーズステークス)が出ており、日本では京都ダート1800mでスーパーレコードを記録したプレミアムサンダーを出している。能力はあったと思うけれど……。
サイアーラインもウィルズウェイの系統が細々と頑張っており、母の父としてもマイフラッグの仔ストームフラッグフライングがブリーダーズカップ・ジュヴェナイルフィリーズを勝ったりコリンシアンがブリーダーズカップ・ダートマイルを勝ったりと細々とではあるが続いている。何時か爆発するかも知れない。 

血統表

Alydar
1975 栗毛
Raise a Native
1961 栗毛
Native Dancer Polynesian
Geisha
Raise You Case Ace
Lady Glory
Sweet Tooth
1965 鹿毛
On-and-On Nasrullah
Two Lea
Plum Cake Ponder
Real Delight
Relaxing
1976 鹿毛
FNo.1-s
Buckpasser
1963 鹿毛
Tom Fool Menow
Gaga
Busanda War Admiral
Businesslike
Marking Time
1963 栗毛
To Market Market Wise
Pretty Does
Allemande Counterpoint
Big Hurry

クロス:Bull Lea 5×5(6.25%)、La Troienne 5×5(6.25%)

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関連項目

  • 競馬 / 海外競馬
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  • サンデーサイレンス
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