グレートホープとは、1986年生まれの日本の競走馬である。鹿毛の牡馬。
同期のスイフトセイダイとの「SG対決」を通して1980年代後半から90年代の岩手競馬黄金期を齎した名馬の1頭。
主な勝ち鞍
1989年:桐花賞
1990年:北日本マイルチャンピオンシップ南部杯、北上川大賞典
1991年:みちのく大賞典、東北サラブレッド大賞典、北上川大賞典
1992年:桐花賞、みちのく大賞典、東北サラブレッド大賞典、北上川大賞典、桐花賞
※当記事では活躍した当時に合わせて旧馬齢表記(現在の表記+1歳)を使用しています。
父ノーザリーはアメリカで7勝を挙げたノーザンダンサーの直仔で、80年代のノーザンダンサーブームで日本に輸入されて種牡馬入りしたが、同じ立場であった先輩のノーザンテーストやナイスダンサーほどの成功は収めることは出来なかった。中央で名の知られた産駒にはレインボーアカサカ、エイシンウィザードなどがいる。
母クリトキワは主に「クリ〇〇」を冠名とし変則三冠馬クリフジなどを所有した栗林友二氏の晩年の持ち馬で、16戦1勝した後繁殖入りした。
母父トピオは1967年の凱旋門賞馬で、史上最多頭数の凱旋門賞を史上最低人気で制し、日本で初めて種牡馬入りした凱旋門賞馬である。若くして亡くなったため残した産駒は多くないが、第1回エリザベス女王杯を制したディアマンテ、重賞3勝の女傑シービークインなどを残した。つまりグレートホープと同じ母父としての産駒には三冠馬ミスターシービーがいる。
1986年5月14日に北海道門別町で誕生。岩手競馬で主に「トウケイ」の冠名で競走馬を走らせていた小野寺喜久男氏の所有となり、3歳になったグレートホープは岩手競馬で数々の重賞を制覇するなど活躍するトップトレーナーの1人で、盛岡競馬場に厩舎を構える小西重征調教師に預けられた。
1988年11月に小竹清一騎手を鞍上に1番人気に応えて勝利しデビューを飾った。12月の2戦目では後にメイセイオペラで中央のGIを勝利する岩手競馬のトップジョッキー菅原勲騎手に乗り替わって勝利。3歳時は2戦2勝。
4歳時は4月の初戦を2着に敗れてしまったがその後は5月末まで2連勝。6月のダイヤモンドカップで重賞に初挑戦するが、ここで後々までライバルとして激戦を繰り広げることになる同期スイフトセイダイと出会う。レースではグレートホープが7頭立て7着の最下位に沈んだ一方でスイフトセイダイは1着。初対決は大きく明暗が分かれる結果となった。
その後グレートホープは条件戦を1勝して立て直して東北優駿に出走したが、ミタケエルセンの4着に敗れた。再び条件戦1着を挟んだサマーカップも4着と精彩を欠いた、しかし秋の不来方賞、ダービーグランプリではスイフトセイダイに敗れたものの、これまでと違い先頭から大きく離されずに済んだ。その後スイフトセイダイは大井競馬の東京大賞典に出走するために大井競馬へ短期移籍していったため、4歳勢の大将として「岩手競馬の有馬記念」こと桐花賞に出走する。ここで菅原騎手はこれまで主戦を務めてきた岩手競馬の最強馬として君臨していたトウケイフリートに騎乗するため、鞍上にはこれまでスイフトセイダイの主戦を務めていた小竹騎手がデビュー戦以来久々に招かれた。レースではトウケイフリートに次ぐ2番人気であったがトウケイフリートを破って重賞初制覇。岩手を代表する競走馬へ成り上がった。
5歳時は佐藤雅彦騎手に乗り替わって4月の赤松杯から始動したが、大井から帰ってきたスイフトセイダイとミタケエルセンに及ばず3着に敗れた。その後は条件戦を1勝した後桂樹杯、みちのく大賞典、すずらん賞、シアンモア記念と夏までに重賞を4戦したが、3着、5着、3着、3着と掲示板は外さなかったものの勝ち切れないレースが続く。しかし秋を迎えると調子が上がり、水沢の北日本マイルチャンピオンシップ南部杯、北上川大賞典で重賞連勝。年末の桐花賞に1番人気で連覇を目指し出走したが、シャドウイメージに敗れ連覇はならず。しかもライバルスイフトセイダイは再び大井競馬に遠征していたため、飛躍を果たしたものの完全燃焼とは言い難いシーズンとなってしまった。
6歳時はこれまでの始動戦と違い5月から前年5着に敗れたみちのく大賞典に直行。始動戦を勝ってきていたスイフトセイダイが安定の1番人気であった一方グレートホープの人気は3番人気に落ちていたが、ここでグレートホープはスイフトセイダイと1着同着となる。これまで「SG対決」と言われライバル扱いされていたもののなかなかスイフトセイダイに追いつけなかったが。グレートホープはようやくライバルと肩を並べることが出来た。
ようやく肩を並べたところでグレートホープ自身がここから1歩先んじたいところであったが、次走赤松杯はスイフトセイダイ1着に対して4着と離された。しかしシアンモア記念ではタイム差無しの2着と再び肉薄。次走東北サラブレッド大賞典では2着を1秒突き放し重賞5勝目を挙げた。しかしスイフトセイダイは今度は中央競馬に挑戦するために地方所属のまま出走できるオールカマーやブリーダーズゴールドカップに遠征しており、再びライバル不在での勝利となってしまった。
その後は連覇を目指した北日本マイルチャンピオンシップ南部杯でタケデンファイターに敗れたものの、次走北上川大賞典では前年桐花賞で敗れたシャドウイメージを1.7秒の大差で破り連覇を達成する。今年度の桐花賞は年を超えた1月3日に行われ、1番人気に応えて2年ぶりに勝利。6歳シーズンを締めくくった。
7歳時は4月の条件戦からいつも通り復帰して危なげなく勝利し、連覇を目指しみちのく大賞典に出走。ここにはスイフトセイダイが復帰戦から2連勝で出走していたが、グレートホープはスイフトセイダイを3着に破って連覇達成。続くシアンモア記念ではリベンジを許し2着となってしまったが、東北サラブレッド大賞典連覇と北日本マイルチャンピオンシップ南部杯4着を挟んで再戦した北上川大賞典では再びスイフトセイダイを2着に破り、7歳まできてようやく互角の勝負ができるようになった。次走桐花賞では遂にスイフトセイダイが初出走したことにより年末の大一番での直接対決が実現。グレートホープはスイフトセイダイと対決する重賞で遂に1番人気に推され、スイフトセイダイと期待の4歳馬モリユウプリンスの追撃を抑えて同一年の桐花賞連覇を達成。7歳にして遂に名実ともに岩手競馬の最強馬へ登りつめた。
こうして岩手最強の座を手に入れたグレートホープであったが、年を超えればもう8歳、世代交代の時が間近に迫って来ていた。初戦の赤松杯、次走のシアンモア記念で前年桐花賞で破ったモリユウプリンスに敗れ、8月のみちのく大賞典ではライバルのスイフトセイダイ、モリユウプリンスに加えてここまで足に不安があって条件戦を走り続けていたトウケイニセイが初めて重賞に出走。これまで岩手を引っ張ってきた2頭と次代を担う2頭が揃った岩手競馬の黄金時代を体現する伝説的なレースになった。しかし本番ではトウケイニセイ、モリユウプリンス、スイフトセイダイが1~3着を独占する中グレートホープは7着に敗れてしまう。次走のすずらん賞こそアフェクショネットを抑え勝利するものの、続く北上川大賞典、北日本マイルチャンピオンシップ南部杯、そして年末の桐花賞まで全てトウケイニセイの前に敗れ、かつて自身がトウケイフリートを破って名乗りを上げた時と同じく、トウケイニセイに岩手最強馬の座を明け渡すことになった。
その後グレートホープは9歳になった1994年も現役を続行したが、前年勝利したすずらん賞を同じくアフェクショネットを2着に抑えて連覇したのが唯一の勝利で、前年と同じく出走した重賞では何れもトウケイニセイとモリユウプリンスに阻まれ勝利することは出来ず、年末の桐花賞をもって現役を引退することになった。最終戦績は54戦24勝。内重賞11勝。
引退後は岩手競馬でしか走っていなかったものの北海道で種牡馬入りすることが出来たが、活躍できた産駒は関東オークス2着のモミジホープなどがせいぜいで重賞を勝利する産駒は現れず、2000年10月18日付で用途変更となった後消息不明となっている。
「SG対決」と言われた同期のスイフトセイダイとは24回対戦し8回しか先着出来なかったものの、9歳時はスイフトセイダイが重賞から身を引き条件戦を走るようになってからもグレートホープは第一線にあり続けた。現役最後の94年も敗れた7戦中5戦で掲示板に入り、引退レースの桐花賞でも3着に入っている。若かりし頃は条件戦で力を発揮したものの重賞では勝ち切れず、ライバルを始めとする高い壁を苦労して乗り越え最強馬に登りつめ、衰えてもなお次代の最強馬達と戦い抜いた末にターフを去る。グレートホープもまたかつての岩手競馬黄金時代を象徴する紛れもない名馬の1頭であった。
| *ノーザリー Northerly 1972 鹿毛 |
Northern Dancer 1961 鹿毛 |
Nearctic | Nearco |
| Lady Angela | |||
| Natalma | Native Dancer | ||
| Almahmoud | |||
| Politely 1963 栗毛 |
Amerigo | Nearco | |
| Sanlinea | |||
| Morn Again | Sun Again | ||
| Morning | |||
| クリトキワ 1973 栗毛 FNo.1-b |
*トピオ 1964 黒鹿毛 |
Fine Top | Fine Art |
| Toupie | |||
| Deliriosa | Delirium | ||
| La Fougueuse | |||
| クリヒデ 1958 栗毛 |
クリノハナ | *プリメロ | |
| オホヒカリ | |||
| ケンタツキー | *ダイオライト | ||
| 英月 |
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