フェアリーファンタジア菅野智之とは、読売ジャイアンツに所属する菅野智之(投手)につけられた別称である。ここではこの名称が誕生するに至った経緯などについて説明する。
2014年6月末、sugatomo18というユーザーがtwitter上で読売ジャイアンツ所属の小山雄輝や今村信貴と食事したことを呟いた。菅野智之のアカウントではないかと注目されるが、このユーザーが出会い系サイトのリンクをはじめ如何わしいツイートをお気に入りとして登録していることがわかり、瞬く間にネットで話題となった。
このアカウントは非公開設定で2年半放置されていたもので、最初は菅野を名乗る偽者の釣りではないかと疑われた。しかし、小山らの呟きとの関連から次第に本人のものである可能性が濃厚となり、数日後、チームメイトの澤村拓一が菅野のアカウントとして紹介。菅野がtwitterで如何わしいツイートをお気に入りに登録していたことが確定的となった(現在は問題となったツイートのすべてがお気に入りから削除されている)。
読売ジャイアンツの次世代エースと目される菅野がtwitterで犯した失態に、野球ファンをはじめ多くのネットユーザーが注目。特に関心を集めたのは、菅野がお気に入りに登録した如何わしいツイートの中に『フェアリーファンタジア』というゲームのリンクが含まれていたことだった。
菅野がtwitterのお気に入りに登録していたことで問題となったゲーム『フェアリーファンタジア』は、DMM.comが運営するオンラインゲームである。カードバトルをメインとしたPC/スマートフォン両対応のソーシャルゲームで、2012年12月28日からサービス開始。キャッチコピーは「業界初!イカせアニメ搭載」。
悪の生命体「イヴ」が封印から解き放たれた!
君は伝説の戦士となり奪われた地を奪還し妖精の国を救うのだ!
妖精と契り(SEX)を交わす事で仲間を増やし、敵に支配された妖精はイカして正気に戻せ!
ソーシャルゲーム初イカせアニメバトルシステム「タップi」を搭載。
臨場感あふれる超エロカードバトルゲームここに誕生! (公式HPの紹介文から引用)
もはや説明するまでもないが、このゲームは成人向けのアダルトゲームである。スマホやタブレットPCのタッピング機能(PCの場合はマウスクリック)を使った「タップi」と呼ばれるシステムが目玉であり、アニメーションや画面表示に合わせてタップすることで「妖精」の女の子をピクピクと反応させ、ゲージを満タンまでためることで絶頂を迎えさせることが可能。プレイヤーはかつて「イヴ」と対峙した「アダム」の血族となって、女の子の姿をした妖精たちと契りを交わして仲間にし、イヴに操られた妖精たちを解放していきながら世界を救わなければならない。有料アイテムを手に入れるために課金が必要となるが、タップを用いたHシーンを実際に体験できるなど無料プレイでも遊べる余地が多いゲームとなっている。
とまぁ、ゲームの説明はさておき、
「スマホで遊べるタッピングシステム搭載のアダルトゲームを、菅野がtwitterでお気に入りにしていた。」
という話題は、当然ながらネットで大きな盛り上がりを見せた。この騒ぎは菅野のtwitterアカウントに伝えられ、菅野はすぐに問題のツイートをお気に入り登録から削除したものの、この恥ずかしい失態とフェアリーファンタジアという単語はお気に入り削除後もまとめサイトやSNSなどを通じて野球ファンの間で広く認知されることになっていった。
菅野はプロ一年目の2013年にチームトップタイとなる13勝をマークし、続く2014年も新人ながら開幕投手としてスタート。6月終了時点で14試合に登板し8勝3敗、防御率1.71という好成績を残していた。シーズン序盤から中5日の厳しい登板間隔を強いられるも、抜群の安定感でリーグ年間最多勝や最優秀防御率のタイトルを狙える位置にいた。
しかし、この騒動が広まってしまった直後の2014年7月の4試合で、菅野は1勝2敗、防御率6.12という振るわない成績を残し、25日の中日戦では自己ワーストとなる8失点を記録。騒動が起こった直後に偶然にも不調に陥ったことによって、一部のネットユーザーから「フェアリーファンタジア菅野智之」という呼称がネタとして定着するようになってしまった。
そして騒動からひと月経った8月4日、右手中指の腱が炎症を起こしていると診断され、菅野は一軍の選手登録を抹消されてしまう。7月16日に行われたヤクルト戦でゴロを打ったときに負った怪我であったが、上記のタップゲームで話題にされている最中に利き手の中指を痛めるという珍妙な事態となり、ネット上での注目に拍車を掛ける結果となった。
さらに、菅野の故障・登録抹消のニュースに続くかたちで、この騒動は思わぬところから新展開を迎えることになった。2014年8月1日からスタートしていた『フェアリーファンタジア』の公式ゲームイベントにて、「スガーヌォーグ」という名前の妖精(イベントのボスキャラ)が新たに出現することが発覚。暗に菅野のことを示唆しているとしか思えないネーミングがネットユーザーに大ウケし、さらに騒動が盛り上がる事態に発展した(実際に運営が菅野を意識したかは不明である)。
ネット上ではこの名前の由来や語源が考察され、アイルランド語(ゲール語)やケルト神話に関する情報が挙げられたが、どれも決定的なものとまでは考えにくい。一方で、「読売ジャイアンツ所属の菅野智之」を意味する「菅野G」から「SUGANOG」→「スガーヌォーグ」になった、という一見突飛な説が妙に納得のいくものとして根強く支持されている。
スガーヌォーグがゲームに登場するのは2014年8月9日からで、この日が奇しくも「野球の日」であることも格好のネタとなった。また、スガーヌォーグが水属性のキャラでその固有スキルが「ウンディーネの加護」であることが、菅野のことをスカ野トロ之などと呼ぶ一部の心ないアンチによって笑いのタネにされている。どうしてこうなった。
この騒ぎは菅野のtwitterのお気に入り発覚に始まり、わずか1ヶ月余りの間に起こった奇跡的な偶然の連続や、ゲーム運営側とのまさかのコラボ実現などによって好奇の目に晒され続けている。現在では「菅野智之」とネットで検索すれば「フェアリーファンタジア」が予測変換に出てきてしまうほどで、これは菅野にとって不名誉極まりない事態と言っていい。
しかし、本来なら不祥事としか言えないこの騒ぎを経て、ネット上では「菅野に対する印象が(良い意味で)変わった」という好意的な声が各所で上がっている。原辰徳の甥として英才教育を受け、巨人への入団経緯で問題を起こしている菅野は、かつての江川卓のように野球ファンや巨人アンチから「嫌われ者」として扱われるむきが強かったが、この騒動によって「愛すべきネタキャラ」としての地位を確立するに至った。現在、
・FF菅野
・スガーヌォーグ智之
・アダムの血族菅野智之
・ウン出ィーネ菅野
・球界初のイカせタップ投法
といった、ユニークな呼称が爆発的に生まれ続けており、この先何年も語り継がれるネタになることは間違いない。
また、これまで菅野は「マウンドでの態度や仕草が紳士らしくない=巨人の選手にふさわしくない」という批判もたびたび受けてきたが、「マウンド外では(別の意味で)紳士だった」として評価が見直されることが期待される。
なお、この騒動によって「フェアリーファンタジア」のほうにも注目が集まり、DMM.comが発表している週間ランキングでは順位を上げて一時は5位に入る大躍進を遂げた。結果的には双方に対して思いもよらぬ好影響をもたらしたと言える。
『フェアリーファンタジア菅野智之』の名称や派生する呼称の数々、発端となった一連の騒ぎは、今後もさまざまな形で伝播していくことが予想されるが、「菅野が実際に『フェアリーファンタジア』をプレイした経験があるのかどうかは定かでない」ことを改めて明記しておく。あくまでtwitterのお気に入りにゲームのリンクが登録されていたというだけの話であり、登録自体がバグや誤操作など本人の意図しない形で起こった可能性もありうることを忘れてはならない。
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最終更新:2025/12/13(土) 00:00
最終更新:2025/12/12(金) 23:00
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