大長編ドラえもん

『大長編ドラえもん』とは、藤子・F・不二雄による漫画作品、またそれを原作として製作された映画のシリーズである。

概要

通常の1話完結の『ドラえもん』とは異なり、1つの長編を数回に分ける形で掲載されており、毎年3月に上映されるドラえもん映画の原作ともなっていた。物語も小学生の日常を主に描いている通常版とは異なり、宇宙や過去、別世界などの「非日常での冒険」を描いているのが特徴である。タイトルには第1作から「のび太の○○」「のび太と○○」が使われている。

1980年の「のび太の恐竜」に始まり、毎年映画の公開に先駆けてコロコロコミック上で発表されていたが、1988年の「のび太のパラレル西遊記」時には藤子が体調不良であったため、原作漫画は執筆されていない。また、1992年の「のび太と雲の王国」時にも体調不良のため、コロコロコミックには最終2話が掲載されず、後に改めて執筆されて単行本化されている。

1996年の「のび太のねじ巻き都市冒険記」の執筆中に藤子が死去したのちは、藤子プロによる作画で2004年の「ワンニャン時空伝」まで刊行された。2005年にアニメ版の声優がリニューアルされ、同時に映画の方式も過去作のリメイクが多くなってきてからは、大長編シリーズとしては単行本化されず、「映画ストーリー」シリーズとして別に単行本化されている。

作品リスト

藤子・F・不二雄による執筆

• のび太の恐竜（1980年映画公開）
• のび太の宇宙開拓史（1981年映画公開）
• のび太の大魔境（1982年映画公開）
• のび太の海底鬼岩城（1983年映画公開）
• のび太の魔界大冒険（1984年映画公開）
• のび太の宇宙小戦争（1985年映画公開）
• のび太と鉄人兵団（1986年映画公開）
• のび太と竜の騎士（1987年映画公開）
• のび太のパラレル西遊記（原作漫画は執筆されず　1988年映画公開）
• のび太の日本誕生（1989年映画公開）
• のび太とアニマル惑星（1990年映画公開）
• のび太のドラビアンナイト（1991年映画公開）
• のび太と雲の王国（1992年映画公開）
• のび太とブリキの迷宮（1993年映画公開）
• のび太と夢幻三剣士（1994年映画公開）
• のび太の創世日記（1995年映画公開）
• のび太と銀河超特急（1996年映画公開）
• のび太のねじ巻き都市冒険記（執筆中に藤子が死去したため、残りは原案を元に藤子プロにより描かれた　1997年映画公開）

藤子プロによる執筆

• のび太の南海大冒険（1998年映画公開）
• のび太の宇宙漂流記（1999年映画公開）
• のび太の太陽王伝説（2000年映画公開）
• のび太と翼の勇者たち（2001年映画公開）
• のび太とロボット王国（2002年映画公開）
• のび太とふしぎ風使い（2003年映画公開）
• のび太のワンニャン時空伝（2004年映画公開）

キャスト変更後の劇場作品

• のび太の恐竜2006（「のび太の恐竜」のリメイク　2006年映画公開）
• のび太の新魔界大冒険　～7人の魔法使い～（「のび太の魔界大冒険」のリメイク　2007年映画公開）
• のび太と緑の巨人伝（2008年映画公開）
• 新・のび太の宇宙開拓史（「のび太の宇宙開拓史」のリメイク　2009年映画公開）
• のび太の人魚大海戦（2010年映画公開）
• 新・のび太と鉄人兵団　～はばたけ天使たち～（「のび太の鉄人兵団」のリメイク　2011年映画公開）
• のび太と奇跡の島　～アニマルアドベンチャー～（2012年映画公開）
• のび太のひみつ道具博物館（ミュージアム）（2013年映画公開）

雑多なこと

• 劇場版の主題歌は第1作から18作目まで、「魔界大冒険」を除き武田鉄矢が作詞している。藤子の死去後は武田は作詞から勇退し、以後は様々な歌手が担当している。『少年期』はガチで名曲。
• 通常版とは違い、大長編の「お約束」といえる物がいくつかある。のび太が大長編になるとカッコよくなる・ジャイアンが男気のある性格に変貌する、辺りは有名で、のび太の変化については藤子本人が作中でメタ的にネタにしたこともある。性格的な変化だけでなく、遠い宇宙や過去と精神感応を果たしたり、得意の射撃を最大限に活用したりなどもしている。
• 劇場版ではのび太の「ドラえも～ん！」という叫び声でタイトル画面になるのが恒例であった。
• 大冒険を繰り広げるため、敵役が現れるのも特徴。規模の大きい敵としては「数十万を超えるロボットの兵団」「魔界を支配する大魔王」「夢宇宙を支配する大帝」「地球を滅ぼす恐怖の大王であり皆の心に潜む悪意の塊」あたりが挙げられるだろうか。ちなみにのび太は一度チリになって死んでしまったり石化したり、ドラえもんも数度故障しているなど子供心に恐怖でトラウマになりそうなシーンも多い。
• 特に、雲の王国での大洪水シーンは、東日本大震災の際に「これを思い出した」という人も多かったほどリアリティありありのトラウマシーン。
• リニューアル前は海底奇岩城から芝山努監督が、リニューアル後は幾度かの交代を経て寺本幸代監督がシリーズを支えている。両監督とも、シリーズ途中参戦で、若干低迷期に抜擢されたという似たような経歴であるが、観客の評価は上々。

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関連コミュニティ

関連項目

• ドラえもん
• 藤子・F・不二雄
• ドラえもん音楽
• 武田鉄矢