美樹さやか(みき - )とは、テレビアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』の登場人物。
担当声優は喜多村英梨。
見滝原中学校に通う2年生。元気で勝気な性格で友人関係を非常に大切にしている。学校生活においては鹿目まどかや志筑仁美らと一緒に登下校しているごく普通の中学生(日常編においては、授業中に居眠りする姿が描かれるなど、コミカル担当のイメージあり)。
ある日、まどかが傷だらけのキュゥべえを保護したところを目の当たりにしたことから、取り巻く環境が大きく変わることになる。転校生の暁美ほむらに対しては、その態度や言動から来る先入観や、後述する巴マミの生命を左右したとある場面に居合わせていなかったことからの誤解もあって敵視しており、彼女に対して毒づいたりしている。
上条恭介という幼馴染がおり、彼に好意を寄せている。彼は将来有望なヴァイオリニストだったが、交通事故に遭い後遺症で手が動かせなくなってしまった。
その彼を救うために奇跡を欲し第4話でキュゥべえと契約、魔法少女となる。
魔法少女として先輩である巴マミの影響を強く受けており、さやかが魔法少女として活動する理由の「大切な人を守る」というのもその一つ。そのため「魔法は自分のために使うもの」という信念を持つ杏子とは相容れない立場を取る。また、元々ほむらのことを敵対視していたが、実はCharlotte戦の際ほむらがマミによって拘束されていた事実を最後まで知らない。それにより、ほむらの事を私利私欲のために活動する魔法少女で、Charlotte戦ではグリーフシードを独り占めするために機を伺っていたものと誤認している。これまでほむらには3回(さやか視点では2回)窮地を救われているのだが、こうしたすれ違いから、話が進めば進むほど両者の中は険悪になってしまった。
それはなにより、さやかが直感タイプの人間であり第一印象などに大きく思考が左右される事、対するほむらの方も人間関係に疎いという欠点はキャラ背景上仕方ないとしても、さやかと真逆の理論思考タイプという事や、周囲にすでに絶望していたのもあって、双方の性格の相性の悪さや精神的背景が、ボタンの掛け違い的に悪い形でかみ合ってしまったが故の悲劇とも考えられる。
魔法少女の衣装は、騎士礼装の様な姿であり、武器はサーベルやカットラスのような『剣』を数多魔法で生成して用いる。まさにUnlimited Blade Works
[1]
戦闘スタイルは経験値の低さや、指導者たり得る先輩魔法少女二名と対立関係にあった事もあって洗練されておらず、スピードと勢いにものを言わせて叩き切るシンプルなもの。複数の剣を自身の足元に展開し飛び道具として相手に投げつける攻撃も可能。また、『癒し』を望み魔法少女になったことから強力な自己修復能力が備わっており、それを利用したバーサーカー戦法を終盤では使用していた。
しかし魔法少女になったばかりで経験不足は否めず、まどかのように稀有な才能の持ち主でもない為、他の4人に比べると力不足の描写が多い。ただし設定上は資質自体は杏子と互角の魔法少女で有り、ほむらよりは高い基礎戦闘力を持っているといえる。(ただしほむらは特殊タイプである為、経験によってさやか達よりも強力な魔法少女たりえていた。後述のPSP版ゲームで言うと、本編開始の時点で マミLv10 さやかLv1 に対してほむらはLv20と、尋常ではないLv差がある。)
さやかととかく絡む立ち位置にあった杏子が本来の魔力を失い後付で学んだ魔法だけであそこまでの強者に成長したことを思えば、とにもかくにも経験を積む機会に恵まれなかった事は残念である。
実際、まどか☆マギカポータブルの「忘却の魔女」の魔女結界においては、本編の設定状況を無視して十分に経験を積んださやかを用いることが可能だが、高速近接戦闘能力+回復能力もあって、非常に強力な魔法少女となっている。
ちなみに性格的な適正において長く魔法少女を続けるのには向かない傾向にあるとのこと。
まどか☆マギカポータブルでは、感情値が上がりすぎるとグリーフシードでのソウルジェム回復の効果が減少したり、MP使用の強力な魔法が一切使えなくなったりといったシステムでありながら、ふとしたことですぐに感情値が上昇してしまうさやかは、ゲーム一週目の最大の難関と言えなくもない。
脚本の虚淵玄氏も美樹さやかを「もうひとりの主人公」と説明しており、実際に全12話の半分にあたる第4話から第9話まではさやかを中心としてストーリーが進んでいった。
ほむらが体験してきた他の時間軸では、さやかは魔法少女になったりならなかったりしている。ほむらがまどかと約束を交わした時間軸で、ほむらから魔法少女が魔女になる事実を伝えられても信じなかった。本編時間軸でのほむらとの接触の少なさからも、他の時間軸でもほむらとさやかは良好な信頼関係にはならなかったと思われている(ちなみに公式ガイドによると3週目のワルプルギスの夜戦後、まどかが隠し持っていたグリーフシードは、さやかが魔女化したときのモノであると判明している)。
最終話における改変後の世界でも、恭介への思慕の情に殉じる形でソウルジェムを限界まで濁らせて、円環の理の元に消滅している。
但し改変の時に、本来得られるはずであった未来を奪う事になるという事で、特別にそのまま世界が続いた場合の未来で行われた上条恭介のオーディションでの演奏をまどかの計らいで見せてもらっており、恋こそ実らなかったもののかつての感動を再びという念願を叶え、仁美と恭介の恋を祝福する形で消えていった。
作中時間において魔法少女になってから、命を落とすまでの僅かな期間を、まさに閃光のように駆け抜けた魔法少女である。そのどこまでもひたむきで、がむしゃらなまでに一途に突き進んだ彼女の14年というあまりにも短い生涯は、あまりにも哀しくて切なく、そして我々の心を胸打つまでに美しい。
鹿目まどかは「円環の理」という概念となり、美樹さやかは魔力を使い切って消滅した後の世界を描いた本作に、まどかと共にさやかも登場する。
(ネタバレ注意)
登場したのは、「円環の理」に導かれ、本人曰く「まどかの鞄持ち」的な立場として円環の理の一部となった美樹さやか本人である。インキュベーターの企みによって、暁美ほむらが上手く「円環の理」に救済されなくなった事態を受けて、同類である百江なぎさと共にまどかの補佐にあたる。作中ではなぎさ共々、誰よりも状況を理解していながら、インキュベーターの企みを阻止するため、あえて口裏をあわせて行動していた。
「円環の理」の一部となったさやかは、気持ちの整理をつけた生前の記憶を持ち合わせているためか、TV版や[前編][後編]とは異なる言動を、序盤から見せている。以前は、思い人の上条恭介と友人の志筑仁美が恋人同士になってしまったことで心に傷を負うなど、精神的に不安定な部分が多かったが、本作では恭介との恋愛に悩む仁美を苦笑混じりに思いやるなど、失恋をすでに乗り越えた事を窺える様子を見せている。また、自身の終焉の直前の関係を持ち越す形で佐倉杏子とも良好な関係を築き、真実を知るが故に暁美ほむらにも歩み寄りの姿勢や同情を見せている。
精神的な落ち着きだけでなく、能力も大きく強化されている。劇場版で追加された「とても強く」を意味する「ff(フォルテッシモ)」の髪飾りが、ここにきてやっと正しい意味を持つようになったとも言えるだろう。。
中盤、魔女についてヒントを与えるために暁美ほむらと対峙した際には、以前に手刀で気絶させられた時とは比較にならないスピードと剣さばきで、ほむらの魔法発動を阻止した。また、「円環の理」との繋がりもあってか、魔法少女時代の力のみならず、自我を保ったまま魔女としての力を使うことも可能で、他の「円環の理」の魔女から借り受けた無数の使い魔を使役・統制する様子も見せた(「円環の理」の一部となった魔女たちは、少なくとも今回の事件においては互いに使い魔の貸し借りをするなど、魔法少女の救済のために協力し合っているようである)。
仲間たちの協力も得て、インキュベーターの企みを阻止し、ほむらの救済が順調に終わるかに見えた物語の最終盤、誰も予想しなかった事態が発生する。「悪魔」と化したほむらが「円環の理」を引き裂き、まどかの人間としての記憶を強引に引き抜くという暴挙に出たのである。「円環の理」の一部であったさやかとなぎさも巻き添えという形で、現世に引き戻されてしまう。
ほむらの救済に力を貸した魔女を含む全ての魔法少女たちの希望であった「円環の理」を、個人的な想い(ほむら曰く「愛」)で踏み躙ったと、悪魔を自称するほむらをさやかは厳しく糾弾する。だが、自分が「円環の理」の一部であるという記憶が失われゆく中では、ほむらが悪魔であることだけは忘れない、と告げるに留まった(魔女の力や「円環の理」との繋がりが、どの程度まで失われたかは不明)。その一方で、再び現世で生きていくことができるようになったという一面もあり、恭介と仁美に再開できたことにうれし涙を流した。
悪魔ほむらにとっての美樹さやかは、記憶が戻ると厄介な敵であると同時に、自分の行為を全て知る理解者でもあるという、非常に複雑かつ皮肉な存在であると言える。美樹さやかと暁美ほむらが、両者ともに「成長」したことによって生まれたこの関係を指して、ファンの中には美樹さやかと暁美ほむらは「宿敵」の間柄になったと解釈する者もいる。
[新編]叛逆の物語では、巴マミと同じく、大きく救済されたキャラクターと言えるだろう。TV本編放映時のさやかは、「もう一人の主人公」と評されながらも、経験が少ないため魔法少女5人の中では最弱であった。だが上記のように、設定上の素質は杏子と同等とされており、本作ではそれを裏付けるような活躍を見せている。
第2巻から登場。まどか共々キュゥべえや巴マミとの関わりがなく、魔法少女や魔女のことを知らない普通の少女として登場。その為ほむらとも一緒に下校する友人関係になっている。
基本的には本編同様の清々しい友情に篤い人物像が貫かれているが、頑張りや心遣いが最悪なタイミングのせいで裏目に出るのは相変わらず。 (もう少し早いか遅いかであったなら・・・・)
詳しくは個別百科にて→『魔法少女おりこ☆マギカ』
本編で杏子と深く関わることから、二次創作では杏子との関わり合いがほとんど。特に杏子の側からツンデレなアプローチをされていることが多く、外伝漫画の『魔法少女おりこ☆マギカ』での出番前から、杏子絡みの幼女キャラ千歳ゆまとの絡みネタが飛び出すという事例も確認されている。
その一方で、本編での悲惨な描写がギャグとして扱われているMAD等も多数存在する(節度とマナーを守ったネタの使用が求められる)。
また10話や漫画版2巻での描写や、外向的なさやかと内向的なほむらという違いもあってか、暁美ほむらとは基本的に対立関係に描かれることが多い。(ただしパワーバランスがさやかに傾いている場合は、対立と言うより、さやかがほむらを一方的にいじり倒すとか、見るに見かねたさやかがほむらをリードするといった微笑ましい展開となる)
他の主要人物に比べ、これといった定着した愛称があまり見られないが、「さやかちゃん」が(他のキャラへの「ちゃん付け」とは別格に)愛称扱いされている。これはまどかが繰り返し「さやかちゃん」と呼びかけていることに加えて、第5話で本人が「この魔法少女さやかちゃんが・・・」と自称していたことからと思われる(そのため二次創作で彼女の一人称が「さやかちゃん」となっているものが少なからずあるが、本編で本人が口にしたのは前記の一シーンのみである)。その他、敢えて挙げるとすれば、「さやさや」「さやかあちゃん(漫画版の誤植から)」「戦慄のブルー」などがある他、コアなファンからは愛情を込めて「青」とも呼ばれている。
魔法少女たちの中でも、特に年頃の年齢相応の少女らしい性格のため根強い人気があり、女ならではの良い部分悪い部分を描ききった繊細な心理描写に共感する人も多いのか女性ファンも多い。(ただし、女性視聴者の場合、好悪がクッキリ別れやすいキャラであり、さやかを嫌うタイプの女性には、とことん嫌われていると言うことが多く、中庸という事にはなりにくい。)薄幸な人物であるがその不幸さを癒す、または回避するような動画・静画が多く作られていることから彼女への支持が窺える。
実際に最終話アフレコリポートや終了後のインタビューによると、本作の女性キャストのほぼ全員がさやか支持であると確認できる(残る一名も、仁美役なので仁美の弁護に回らざる得なかっただけで、基本的には好かれているようである。・・・というかその終焉が世の女性陣の心を抉らずにおかないという)。
また、新房監督もさやかがお気に入りであり、ラストに生き返らせることはできないのかと脚本の虚淵玄に聞いたが無理だったのだという。
ギャグ創作においては、この「年齢相応の少女」という立ち位置から、さよなら絶望先生の日塔奈美のように、スイーツ(笑)扱いで俗物ぶりを発揮したり、その薄幸さやタイミングの悪さ故に常にヒドイ目に遭わされたり一人で空回りするキャラ付けが多め。「○○だと思った?さやかちゃんでした。」という台詞の付いたイラストは比較的有名かも知れない。
また、さやかファンの実力や愛情はまどか☆マギカファンの中でも屈指であり、こうした作品でよく作られる公式絵の改造イラストも、さやかファンの手にかかれば、もはや元絵を使うことなく公式絵と区別の付かないレベルの完成度に到達している。
ちなみにそんなさやかファン達は、『使い魔』と呼ばれるのがもっぱらであり、当人達も好んでそう称している。
尚、初回版BD特典ブックレットや雑誌インタビューにより「上条恭介には異性と認識されていなかっただけなので、チャンスが無いわけでもない」「実はM属性」という事が明らかとなり、さやかファンの熱がさらなる高まりを見せた一方で、発売前のPSP版の雑誌の紹介画像で出てくる恭介の「お前なんかさやかじゃない!」というセリフが今度は物議を呼んだが、そのシーンに代表される最悪のシーンが有る一方で、あくまでおまけシナリオでではあるがバカップル成立という展開もあり、あまりのイチャイチャぶりに「リア充爆発しろ」「いやすでに何度もほむらに爆破されたんだし祝福してやれよ」などとファンが回りくどい祝福をするケースも見られる。
また、さやか役の声優の喜多村英梨は最後の収録を終えた時に「恭介とくっつくのが本当の幸せとは限らないですよね」と話したという。
関連動画「美樹さやか」でタグ検索
※まどか☆マギカMADリンクの項目も参照。
※魔法少女まどか☆マギカの関連商品一覧の項目も参照。
※魔法少女まどか☆マギカの関連項目一覧の項目も参照。
| 魔法少女まどか☆マギカ | |||
| アニメ | 第一期 | テレビアニメ | 劇場版(総集編) | |
| 第二期 | 劇場版(新編) | ||
| スピンオフ漫画 | 魔法少女おりこ☆マギカ | 魔法少女かずみ☆マギカ | The different story 魔法少女すずね☆マギカ | 魔法少女たると☆マギカ |
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| ゲーム | ポータブル | オンライン | ||
| 登場人物 | メインキャラクター | 鹿目まどか - 暁美ほむら - 巴マミ 美樹さやか - 佐倉杏子 - キュゥべえ - 百江なぎさ |
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| サブキャラクター | 志筑仁美 - 上条恭介 - 早乙女和子 鹿目詢子 - 鹿目知久 - 鹿目タツヤ |
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| モブキャラクター | 中沢 - ショウさん - エイミー | ||
| おりこ☆マギカ | 美国織莉子 - 呉キリカ - 千歳ゆま - 優木沙々- 浅古小巻 | ||
| かずみ☆マギカ | かずみ - 御崎海香 - 牧カオル 浅海サキ - 若葉みらい - 神那ニコ - 宇佐木里美 - ジュゥべえ ユウリ様 - 飛鳥ユウリ - 双樹あやせ - 和紗ミチル - 聖カンナ |
||
| すずね☆マギカ | 天乃鈴音 - 奏遥香 - 日向茉莉 - 詩音千里 - 成見亜里沙 | ||
| たると☆マギカ | ジャンヌ・ダルク - リズ・ホークウッド メリッサ・ド・ヴィニョル - エリザ・ツェリスカ |
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| その他 | 魔女 - 使い魔 - 魔獣 | ||
| 楽曲 | TV版 | コネクト | Magia また あした | and I'm home | (サウンドトラック) |
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| 劇場版(総集編) | ルミナス | ひかりふる | 未来 | ||
| 劇場版(新編) | カラフル | 君の銀の庭 | misterioso | ||
| 関連人物 | スタッフ | 新房昭之 | 虚淵玄 | 蒼樹うめ 宮本幸裕 | 岩上敦宏 | 岸田隆宏 | 劇団イヌカレー | 鶴岡陽太 |
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| アーティスト | 梶浦由記 | ClariS | Kalafina | 貝田由里子 | ||
| 関連団体 | シャフト | ニトロプラス | アニプレックス | MBS | ||
| 一覧 | 関連項目一覧 | 関連商品一覧 | 関連書籍一覧 | ||
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最終更新:2025/12/15(月) 23:00
最終更新:2025/12/15(月) 23:00
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