143件
キハ54とは、日本国有鉄道が設計・製造し、現在はJR北海道とJR四国が運用している一般形気動車である。
概要
国鉄分割民営化が目の前に迫った1986年（昭和61年）から1987年（昭和62年）に製造された気動車である。
2エンジン搭載で2軸駆動の気動車であり、雪深い北海道や急峻な地形の多い四国向けに設計された。ステンレス車体を採用するなど、従来の国鉄一般型気動車とはイメージが大幅に異なる。
台車や液体変速機・運転台機器等には、従来車の廃車発生部品を再利用し、四国向けの車両にはバス用部品を流用するなど、製造コストの削減を行っている。
九州地区にも投入予定であったが、急勾配な路線が多いため、車両長を短縮して軽量化を図ることで、重量当たりの出力を多く取るなどの設計変更を加えたうえで、キハ31形として投入されている。
0番台（四国用）
1987年に12両製造。
バス用の折り戸と冷房装置を備え、ユニット式の二段窓である。座席はロングシートであるため、車内が異様に広く感じる。
国鉄時代は車体にオレンジ色のストライプを入れていたが、JR四国になってからコーポレートカラーである水色を使用した塗装となった。
閑散な路線には、キハ54形より小型のキハ32形が投入されている。
500番台（北海道用）
1986年に29両製造された。
特殊な環境である北海道を走るため、非冷房、外部冷気防止用のデッキの設置、凍結防止用の温水ヒーターを備えた引き戸、小型の二重窓、セミクロスシート、野生動物排斥用のスカートを装備するなど、0番台とはイメージが異なる。
また、長距離運用となるためトイレを装備している。最初は和式トイレの垂れ流しタイプであったが、のちに洋式トイレの循環タイプに改造された。
最後に製造された3両（527・528・529）は急行仕様となっており、0系新幹線電車の座席が使用されている。なお、窓割りは一般車と同じため、席によっては外の景色が見えないところもある。また、一般車と区別するため、窓上に赤帯が追加された。
この車両を引き継いだJR北海道では、液体変速機・台車などの廃車発生品から新型のものに交換、一般車の座席をキハ183系の簡易リクライニングシート（回転機構は無し）あるいは50系客車「海峡」用の転換クロスシートへ交換、鹿笛を設置する等など、大々的な改造を行っている。
関連動画
関連商品
関連コミュニティ
関連項目
- 0
- 0pt
