ドイツGP(MotoGP)とは、ドイツで行われるMotoGPのことである。
略歴
MotoGPは1949年に始まったが、ドイツGPがMotoGPに初めて組み込まれたのは1952年である。その年から2019年まで68年連続でドイツGPが開催された。2020年はコロナ禍の影響を受けてドイツGPが行われなかった。
1952年~1960年のサーキット
1960年まで使用するサーキットは変遷していて、以下の4つのサーキットで行われた。
開催年 | 名称 | 場所 | 全長 |
1952年、1954年、1956年、1960年 | ソリチュードリンク | シュトゥットガルト近郊 | 11.3km |
1953年 | ショッテンリンク | ショッテン近郊 | 16.0km |
1955年、1958年 | ニュルブルクリンク北コース | ニュルブルク近郊 | 22.8km |
1957年、1959年 | ホッケンハイムリンク | ホッケンハイム近郊 | 7.7km |
1961年~1972年のサーキット
1961年以降になるとホッケンハイムリンクが優先的に選ばれるようになった。
開催年 | 名称 | 場所 | 全長 |
1962年、1964年 | ソリチュードリンク | シュトゥットガルト近郊 | 11.3km |
1970年、1972年 | ニュルブルクリンク北コース | ニュルブルク近郊 | 22.8km |
1965年、1968年 | ニュルブルクリンク南コース | ニュルブルク近郊 | 7.7km |
1961年、1963年、1966年、1967年、1969年、1971年 | ホッケンハイムリンク | ホッケンハイム近郊 | 7.7km(1966年以降は6.7km) |
1961年~1972年の12年間は、東ドイツのザクセン州に位置するザクセンリンクで東ドイツGPが開催されてMotoGPの中に組み込まれていた。ただし、東ドイツGPは1972年を最後にMotoGPのカレンダーから外れた。
1973年~1997年のサーキット
1973年から1997年は、ホッケンハイムリンク(6.7km)、ニュルブルクリンク北コース(22.8km)、ニュルブルクリンクGPコース(4.5km)の3コースのうちどれか1つを選んでそこでドイツGPを開催していた。
ニュルブルクリンク北コース(22.8km)でMotoGPを行ったのは1980年が最後である。1984年にニュルブルクリンクGPコース(4.5km)が完成したので、1984年以降はホッケンハイムリンクとニュルブルクリンクGPコースの二者択一の状態だった。
ただし、1986年の1年だけはニュルブルクリンクGPコースでドイツGPを行いつつホッケンハイムリンクでバーデン=ヴュルテンベルクGPを行って、1国1開催の原則を破っている。
1998年以降のサーキット
ドイツは1990年に東西統一を果たした。1998年以降は旧東ドイツのザクセン州にあるザクセンリンクにドイツGPの舞台を移し、2019年まで22年連続で開催した。先述のように、2020年はコロナ禍の影響を受けてドイツGPが開催されなかった。
開催時期
ドイツというのは緯度が高くて春と秋が寒い国なので、MotoGPの開催時期は6月~8月のうちのどれかにする必要がある。
ザクセンリンクで行われるドイツGPの開催時期は7月で定着している。ドイツGPを終えたら3~4週間の夏休みに入ることも定着している。夏休みのことをサマーブレイクという。
良い成績でレースを終えてサマーブレイクに入るのが理想なので、みんな張り切ってレースに臨む。
ちなみに、MotoGPライダーはサマーブレイクをどう過ごすかと問われると異口同音に「1週間は完全休養する。残りはすべてハードなトレーニングをして、体を作り直す」と答えるという(記事)。シーズン中は2週間おきにレースが続くので、体を作り直すほどのハードトレーニングをする暇が無い。シーズン中に体を作り直すことができるのはサマーブレイクの間だけである、とのこと。
過去の優勝者
ドイツGPや1961年~1972年に行われた東ドイツGPの優勝者は、英語版Wikipediaにて記録されている。1986年に1度だけ行われたバーデン=ヴュルテンベルクGPの優勝者も、英語版Wikipediaにて記録されている。
無料公式動画
ザクセンリンクで開催されたドイツGPの無料公式動画は次の通り。
2008年
開幕前煽り
ルーキーズカップ
パドックガールズ
アクションクリップ
2009年
開幕前煽り
ルーキーズカップ
パドックガールズ
インタビュー ホルヘ・ロレンソ
インタビュー ダニ・ペドロサ
インタビュー ヴァレンティーノ・ロッシ
転倒集
アクションクリップ
MotoGPクラス総集編
2010年
開幕前煽り
ルーキーズカップ その1
ルーキーズカップ その2
パドックガールズ
インタビュー ダニ・ペドロサ
インタビュー ホルヘ・ロレンソ
インタビュー ケーシー・ストーナー
podcast
MotoGPクラス総集編
2011年
開幕前煽り
ルーキーズカップ その1
ルーキーズカップ その2
パドックガールズ
インタビュー ホルヘ・ロレンソ
インタビュー ケーシー・ストーナー
インタビュー ダニ・ペドロサ
podcast
MotoGPクラス総集編
2012年
開催地紹介ビデオ
ルーキーズカップ その1
ルーキーズカップ その2
パドックガールズ
Hondaライダープレビュー
Yamahaライダープレビュー
Ducatiライダープレビュー
Honda技術者プレビュー
Yamaha技術者プレビュー
Ducati技術者プレビュー
Honda走行オンボード画像
Yamaha走行オンボード画像
Ducati走行オンボード画像
インタビュー アンドレア・ドヴィツィオーゾ
インタビュー ホルヘ・ロレンソ
インタビュー ダニ・ペドロサ
Honda in action
Yamaha in action
Ducati in action
podcast
MotoGPクラス総集編
MotoGPクラス決勝
2013年
開幕前煽り
コース紹介
ルーキーズカップ その1
ルーキーズカップ その2
パドックガールズ
Hondaライダープレビュー
Yamahaライダープレビュー
Ducatiライダープレビュー
Honda技術者プレビュー
Yamaha技術者プレビュー
Ducati技術者プレビュー
Honda走行オンボード画像
Yamaha走行オンボード画像
Ducati走行オンボード画像
Moto3クラス勝者インタビュー アレックス・リンス
Moto2クラス勝者インタビュー ジョルディ・トーレス
MotoGPクラス勝者インタビュー マルク・マルケス
Moto3 best action
Moto2 best action
MotoGPクラスpodcast
転倒集
追い抜きシーン集
スローモーション集
MotoGPクラススタートオンボード画像
Honda in action
Yamaha in action
Ducati in action
MotoGPクラス総集編
カミングアップ
A sideways glance
2014年
開幕前煽り
パドックガールズ
Hondaライダープレビュー
Yamahaライダープレビュー
Ducatiライダープレビュー
Honda技術者プレビュー
Yamaha技術者プレビュー
Ducati技術者プレビュー
Honda走行オンボード画像
Yamaha走行オンボード画像
Ducati走行オンボード画像
Moto3クラス勝者インタビュー ジャック・ミラー
Moto2クラス勝者インタビュー ドミニク・エガータ
MotoGPクラス勝者インタビュー マルク・マルケス
best action
転倒集
追い抜きシーン集
スローモーション集
Honda in action
Yamaha in action
Ducati in action
Moto3クラス振り返り
Moto2クラス振り返り
MotoGPクラス総集編
MotoGPクラス決勝
アフターザフラッグ
A Sideways Glance
2015年
開幕前煽り
パドックガールズ
Hondaライダープレビュー
Yamahaライダープレビュー
Ducatiライダープレビュー
Suzukiライダープレビュー
Apriliaライダープレビュー
Honda技術者プレビュー
Yamaha技術者プレビュー
Ducati技術者プレビュー
Suzuki技術者プレビュー
Aprilia技術者プレビュー
Honda走行オンボード画像
Yamaha走行オンボード画像
Ducati走行オンボード画像
ディラン・グレイの走行オンボード画像
Moto3クラス勝者インタビュー ダニー・ケント
Moto2クラス勝者インタビュー シャヴィエル・シメオン
MotoGPクラス勝者インタビュー マルク・マルケス
The best of the #GermanGP
転倒集
追い抜きシーン集
Honda in action
Yamaha in action
Ducati in action
Suzuki in action
Aprilia in action
MotoGPクラス総集編
アフターザフラッグ
Off-Track
GoPro Behind the Scenes
MotoGPライダーがサーフボードで遊ぶ
2016年
開幕前煽り
ルーキーズカップ その1 佐々木歩夢
ルーキーズカップ その2 鳥羽海渡
パドックガールズ
Hondaライダープレビュー
Yamahaライダープレビュー
Ducatiライダープレビュー
Suzukiライダープレビュー
Apriliaライダープレビュー
Honda技術者プレビュー
Yamaha技術者プレビュー
Ducati技術者プレビュー
Suzuki技術者プレビュー
Aprilia技術者プレビュー
Honda走行オンボード画像
Yamaha走行オンボード画像
Ducati走行オンボード画像
Suzuki走行オンボード画像
ディラン・グレイの走行オンボード画像
Moto3クラス勝者インタビュー カイルール・イダム・パウィ
Moto2クラス勝者インタビュー ヨハン・ザルコ
MotoGPクラス勝者インタビュー マルク・マルケス
Action from the #GermanGP
転倒集
追い抜きシーン集
Honda in action
Yamaha in action
Ducati in action
Suzuki in action
Aprilia in action
MotoGPクラス総集編
MotoGPクラス決勝
アフターザフラッグ
Off-Track
記者会見
2017年
開幕前煽り
パドックガールズ
Hondaプレビュー
Yamahaプレビュー
Ducatiプレビュー
Suzukiプレビュー
Apriliaプレビュー
KTMプレビュー
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Yamaha走行オンボード画像
Ducati走行オンボード画像
ディラン・グレイの走行オンボード画像
Moto3クラス勝者インタビュー ジョアン・ミル
Moto2クラス勝者インタビュー フランコ・モルビデリ
MotoGPクラス勝者インタビュー マルク・マルケス
All of the Best action
転倒集
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Honda in action
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Aprilia in action
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MotoGPクラス総集編
Missing the Apex
記者会見
2018年
開幕前煽り
Hondaプレビュー
Yamahaプレビュー
Ducatiプレビュー
Apriliaプレビュー
KTMプレビュー
Honda走行オンボード画像
Yamaha走行オンボード画像
Ducati走行オンボード画像
Suzuki走行オンボード画像
Aprilia走行オンボード画像
KTM走行オンボード画像
Moto3クラス勝者インタビュー ホルヘ・マルティン
Moto2クラス勝者インタビュー ブラッド・ビンダー
MotoGPクラス勝者インタビュー マルク・マルケス
All of the Best action
Honda in action
Yamaha in action
Ducati in action
Suzuki in action
Aprilia in action
KTM in action
MotoGPクラス総集編
アフターザフラッグ
Missing the Apex
2019年
開幕前煽り
All of the Best action
Honda in action
Yamaha in action
Moto3クラスハイライト
Moto2クラスハイライト
MotoGPクラスハイライト
MotoGPクラス総集編
アフターザフラッグ
MotoGPクラス ダニロ・ペトルッチの転倒
MotoGPクラス ヴァレンティーノ・ロッシの転倒
ドイツGPが開催された時期のMotoGP公式Twitterを検索するリンクは、次の通りである。
開催国紹介
開催地紹介ビデオとプレイベント
2012年以前にドルナが作成した開催地紹介ビデオはこちらである。ドレスデンの観光名所を次々と映し出すビデオになっている。
ドイツGPが行われるザクセンリンクは、ルガウ-エルスニッツ炭田の一角にある。ドイツ帝国時代や東ドイツ時代に石炭を掘り出す産業が栄えていたが、1971年を最後に採掘が打ち切られた。
ザクセンリンクから南に7km離れたこの場所にエルスニッツ・エルツ山地鉱業博物館があり、かつての鉱業の様子を収録している。2018年ドイツGPのプレイベントとして、MotoGPライダーたちがこの鉱業博物館に招かれている(動画)。
緯度が高くて春と秋が寒い
ドイツの最南端はこの場所だが、北緯47.27度のところにあり、樺太のこの村と同じぐらいの緯度である。このため、全国的に緯度が高くて日照量の少ない土地柄となっている。
ドイツワインの原料となるブドウを栽培できるのは、ライン川流域の斜面に限られる。そこなら、ライン川の水面から反射された日光をブドウに浴びせることができる。逆に言うと、それ以外の場所は日照量が少なすぎる。
ドイツは緯度が高くて寒いので、MotoGPの開催に適している時期が6月~8月の夏季に限られている。
自動車産業大国
ドイツは、ダイムラー(メルセデス・ベンツを製造販売)、BMW、フォルクスワーゲン、アウディ、ポルシェ、MAN(かつてMotoGP公式スポンサーだったトラック企業)、といった四輪メーカーを多く抱える。
これらのメーカーはF1やル・マン24時間レースやWRCやDTM(ドイツツーリングカー選手権)などの四輪レースへ積極的に参加しており、四輪人気が高い。 F1ドライバーも多く輩出している。
ドイツの二輪メーカーというとBMWが挙がる。BMWは世界に4つ程度しか存在しない「二輪と四輪の両方を生産できるメーカー」の1つである(他はホンダ、スズキ、プロトン)。BMWはスーパーバイク世界選手権に参加しているので、たびたびMotoGPへの参戦が噂されているが、いつも噂だけで終わっている。
BMWはMというスポーツセダンを作っていて、セダン車種の中では世界最速の高級車と評価されている。1999年からMotoGPはBMWのMをセーフティーカーに採用している(記事1、記事2、動画)。2019年8月からM8が採用されるようになった(記事)。
バイエルン州においてオートバイレースの人気が今ひとつ
ドイツにおけるオートバイ人気は州によって濃淡があり、東部のザクセン州では大人気となっているが、ステファン・ブラドルの地元である南部のバイエルン州では人気が全くないという(記事)。
南部のバイエルン州といえば、多数の自動車関連企業が集中していてドイツで最も経済的に繁栄している州である。そこで人気がないのだから、MotoGPライダーもスポンサー集めに苦労することになる。
ライダーがスポンサー集めに苦労しているのならバイクレースを統轄する協会が支援をすべきだが、その支援はそんなに手厚いものではない(記事1、記事2)。ドイツにはADACという自動車連盟があるが、MotoGPライダーへの支援をしていない。そのため、MotoGPに進出するドイツ人ライダーは少なめである。
ドイツといえば経済的に絶好調である。統合通貨ユーロを採用しているので自国の経済力のわりに通貨価値が低めになっており、輸出しやすい状況になっていて、巨額の経常収支黒字を得ている(検索例)。それならスポンサーに恵まれた多くのドイツ人ライダーがもっとMotoGPを席巻してもよさそうなのだが、現実はそうなっていない。
ドイツ語
英語とドイツ語は系統が似ている言語なので、ドイツ語話者が英語を話すと非常に綺麗な発音になる。MotoGPのインタビューでドイツ語圏出身ライダーが綺麗な発音の英語を話すのはおなじみである(動画1、動画2、動画3、動画4、動画5)
ドイツ語ではサーキットのことをring(リンク)と表現することが多い。ザクセンリンクやニュルブルクリンクなどのように、地名の末尾にリンクを付けてサーキット名を作る傾向にある。ドイツ語のringは英語のring(リング)と意味が同じで、「環」「輪っか」という意味である。
関連リンク
- ドイツグランプリ 英語版Wikipedia(成績表が常に最新の状態)
- ドイツグランプリ 日本語版Wikipedia
- バーデン=ヴュルテンベルクGP 英語版Wikipedia(1986年に1度だけ開催された)
- 東ドイツグランプリ ドイツ語版Wikipedia(1961年~1972年に開催された)
- ザクセンリンク 日本語版Wikipedia
- ニュルブルクリンク 日本語版Wikipedia
- ホッケンハイムリンク 日本語版Wikipedia
- ショッテンリンク ドイツ語版Wikipedia
- ソリチュードリンク ドイツ語版Wikipedia
関連項目
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