竜ヶ峰帝人とは、成田良悟原作のライトノベル『デュラララ!!』に登場する、エアコンみたいな名前の非日常に憧れる男子高校生である。主人公ではない。
概要
非日常を求めて池袋に引っ越してきた。普段は大人しいごくごく平凡な高校生。
紀田正臣とは同郷の幼馴染。高校入学して出会った園原杏里に好意を寄せているが、杏里本人には勿論、正臣、更にはセルティーにもバレバレである。
チャットルームでのハンドルネームは『田中太郎』である。温和な纏め役としてルーム内の空気を読む。
杏里から張間美香との関係性を聞いた時の対応など、「出揃った情報に対する処理」では鋭い洞察を見せる事があるものの、一方で杏里や正臣、美香などが気付いていた他者の感情の機微には一切気づかないなど、人間観察力が全く働かない。つまりいい意味でも悪い意味でも神経が太い。
また、ネットワーク上での情報収集能力、というかそれ以上に情報の選別・取捨選択能力が異常に高い。
大事なことなので繰り返すが、主人公ではない。が、最近 ムック本『デュラララ!!ノ全テ』において「表の」主人公化が認められた。頑張った。なお、真の主人公はセルティである。
この件に関しては、作者もムックや近年の新刊でセルティが主人公である事を再三述べている。
帝人と正臣、そして杏里の三人が中心となっている「高校生編」は、原作で1~3巻(アニメ化範囲)及び10~13巻で扱われており、彼らの物語は13巻で決着をみた。
ダラーズ
ダラーズの創始者の一人。
田舎に住んでいた時、彼の提案によって、言うなれば一種の釣り(帝人本人にとっては日常からの脱却が)目的でネット上に架空のチームであるダラーズ専用サイトを作り、パスワード制にして運営していた。しかし、(折原臨也の暗躍により)徐々に勝手にダラーズを名乗る連中が不穏な悪徳行為を始め、巻き込まれたくない創始メンバーが脱退していく。その中で一人、最後まで管理者としてサイトを運営し続けた事で、事実上のリーダーとなる。
彼の持つダラーズ思想は「自由であること」に重きが置かれているので、現在においても一定の目的を果たす以外に強制力を行使する事はない。しかし、黒沼青葉との出会いとそれに伴う事件によって、彼は無力さを痛感させられる事となる。
更に、信頼していた平和島静雄のダラーズ脱会が知った事。守るべき正臣の「帰る場所」を守れないと自覚させられた事。守ろうとしていた園原杏里自身によって、帝人が逆に守られていた事を知る事となる。そして六条千景から告げられた、ギャングリーダーには向いてないという「親切心の忠告」によって、彼の心は完全にへし折られる事となった。
結果、帝人は青葉との提案により「守る為の力」を得る為に、精神に紙一重での劇的な変貌を起こす。
端的に云うと「壊れた」状態となったのだが、一方で従来の帝人の側面も多く残っている為、その変化はかなり歪なものとなっている。この状態の帝人は待ち望んでいた正臣との再会や、臨也の策謀や暗躍においても動じない異常性を持つが、あくまで「普通の人間」でもあるため、赤林のような裏社会の人間の持つ恐怖性に対しては抗う事は出来ない。
臨也は賞賛を込めて「彼は自分が手を下さなくても”ここまでいった”」だろう(自分の想像を超えていた)と話しており、恐らく帝人がこのままであれば、自分が彼の駒となって動かされていただろうと予想していた。
デュラララ!!SH
ダラーズ終焉時に大けがを負ったことで留年したため、SH開始時点でも来良学園在学の三年生。図書委員会に所属し、図書委員長を務めている。非日常からの「脱落者」となり、現在は池袋の闇には関わっていないが、独自の情報網を持って裏側の出来事を察知している。これは主に、彼とその周囲の大事な人物を守るためのみに活用される。
このため物語の本筋には関わる事はなく、図書委員の後輩でありSHの中心人物である三頭池八尋に対し、第三者的に助言を行う程度の登場に留まっている。八尋はあらゆる意味(劇中のポジション、学校での関係、高校生三人組としての立場等々)で帝人の後輩と言える。
SHにおける彼の人物評は、「凄い穏やかな人」(三頭池八尋談)、「女にモテそうなクール眼鏡先輩」(琴南久音談)、「凄く大人っぽい」「なんだか、色々達観してる」(辰神姫香)と、前シリーズで色々あったためか、平凡な部類に入っていた数年前より評価を高めている。
また、杏里とは恋人であることが本文中で「既に卒業している恋人」という形で示唆されている。
関連動画
関連項目
- 6
- 0pt