「逃げたら一つ、進めば二つ」とは、アニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』に登場する台詞である。
概要
お母さんが言ってました。逃げたら一つ、進めば二つ手に入るって。
主人公のスレッタ・マーキュリーが、母であるエルノラ・サマヤから教わった言葉。
「祝福」の原作小説によれば、スレッタが5歳の頃、注射を嫌がっている際にエルノラが教えたと語られている。注射をしなければ「痛くない」が手に入るだけだが、注射をすれば「病気にならない」だけでなく、「お母さんが喜ぶ」など様々なものが手に入るとエルノラは説得し、スレッタを勇気づけている。
それ以降、臆病で人見知りなスレッタにとって、この言葉は自分を鼓舞するための呪文となっており、作中で何度も発言している。
スレッタに限らず、『水星の魔女』では「進んだことで手に入れられた物」や、逆に「進めなかったことで手に入れられなかった物」が様々な人物を通して描かれている。
一例として分かりやすいのはシャディク・ゼネリだろう。彼はミオリネに好意を抱いていたものの、孤児から成り上がった立場上、安易にミオリネを守ると約束することができなかった。第9話のサブタイトルが「あと一歩、キミに踏み出せたなら」である通り、シャディクはミオリネが管理する温室に最後まで踏み込むことができず、第1話であっさり踏み入ったスレッタとは対照的な存在として描かれている。
なお、作中では進んだことで手に入れたものが、必ずしもその人や周囲を幸せにするとは限らないことも描かれている。その代表格とも言えるのがグエル・ジェタークで、基本的に逃げずに進んでいるのだが、その結果大切なものを次々に失っていくことになる。
奪えば全部!
逃げたり進んだりした結果
スレッタ・マーキュリー
- 宇宙で要救助者を助けに行ったことで、ミオリネと運命的な出会いをする。(第1話)
- 温室に踏み入ったことで、ミオリネを助ける。(第1話)
- 勝手にエアリアルに乗って戦いに行ってしまったミオリネのもとへ向かい、形勢を逆転する。(第1話)
- 決闘に勝利したことでホルダーになり、ミオリネの花婿になる。(第1話)
- 自身は退学、エアリアルは廃棄処分になりかけるも、再び決闘で勝利して事なきを得る。(第3話)
- エラン4号に決闘を申し込まれるが、それも跳ね除けてエアリアルを守る。(第6話)
- エラン4号のことを知ろうと行動したことで、最終的にエラン4号と和解する。(第6話)
ミオリネ・レンブラン
- 地球へ向かわず、ダブスタクソ親父に文句を言いに行ったことで、スレッタとエアリアルを救うチャンスが生まれる。(第2話)
- スレッタとエアリアルのピンチを自ら救い、彼女の勝利に貢献する。(第3話)
- 嫌いな親父に頭を下げたことで、株式会社ガンダムの設立が認められ、スレッタとエアリアルを救うことに成功する。(第7話)
グエル・ジェターク
- あらゆる決闘を受けて勝っていたのに、いきなり現れたスレッタに負ける。(第1話)
- 自身のプライドを賭けてスレッタと再戦するが負ける。(第3話)
- スレッタに一目惚れしてプロポーズするが断られる。(第4話)
- 機嫌の悪いエランに決闘を申し込まれたので勝負するが負ける。(第5話)
- ガンダム史上最速3連敗をやらかしてしまい、尞から追い出される。(第6話)
- スレッタからグラスレー寮との決闘に協力してほしいと誘われるが、父親に決闘を禁止されていたため断らざるをえなくなる。(第9話)
- 父親の命令に背いて学園から逃げ、「ボブ」として肉体労働に勤しむことに。周りからは受け入れられるが、すぐに武装集団にハイジャックされる。(第10話)
- スレッタを救うため、デスルターを奪って出撃。敵と勘違いしたディランザ・ソルに殺されそうになり、死にたくない一心で抵抗する。ついに一矢報いるも、ディランザに乗っていた父親を殺してしまう。(第12話)
関連動画
関連項目
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