419系とは、旧国鉄が余剰となった581・583系特急形電車を魔改造して製作した近郊型電車である。
概要
国鉄時代末期、国鉄は地方都市圏でのダイヤを見直し、これまでの長編成の列車を低頻度で走らせるダイヤから、短編成の列車を高頻度で走らせるダイヤに変更した。これにより、地方都市でも短時間に多くの電車が走るようになり、鉄道の利便性が大幅に向上した。しかしその一方で車両が不足し、特に交流電化区間を持つ地方都市では全く足りていない状態にあった。また、本来ならそれに合わせて新型車両を新製する予定であったが、当時の国鉄の財政状態では地方に新型車両を配備するだけの予算を捻出する事は不可能であった。
そこで国鉄は、新幹線の開通などにより運用を失った優等列車用の余剰電車車両を普通列車に改造する事で、地方都市用の近郊型車両を作り出した。このような車両はいくつかあるが、そのうち581・583系から近郊化改造された車両があった。この中でも、交直両用で耐寒耐雪装備を持ち、3両基本編成とした物が419系である。外見は581・583系の時の面影が色濃く残っており、車内も寝台電車故の高い天井などが特徴である。また、中間車を先頭車化した改造車もあり、その特徴的な先頭形状から「食パン電車」とも呼ばれた。
全ての車両が北陸地区に配備され、413系等と共に同地区の電車化に貢献した。しかしその一方で、元々の寝台特急形特有の構造による問題も多く、朝のラッシュにはあまり適さない車両であった。
民営化後は、全車JR西日本に継承され、北陸本線を中心に活躍、米原等の直流区間の駅にも足を伸ばしていたが、北陸本線長浜~敦賀間が直流電化し、大阪方面から新快速が乗り入れるようになった時に、運用範囲が基本的に敦賀以北の北陸本線内に縮小されてしまった。その後、2011年3月のダイヤ改正をもって引退。代わりに同地区には新型車両521系の配備された。これに伴い全ての車両が廃車となる予定。解体された車両の部品は、現在もきたぐに等で活動中の581・583系の保守メンテナンス用に確保されている模様。
現在、食パン顔のクハ418-1が列車解体などを行う日本総合リサイクルの敷地内で留置されてる状態で残ってるが、保存として残してるわけではないそうなので、今後どうなるか目が離せない状況である。
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関連項目
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