パウパー(Pauper)とは、TCG『マジック:ザ・ギャザリング(MTG)』のフォーマットの1つである。
元の意味は「貧乏人」「貧困者」「持たざる者」。そこから転じて、MTGでは「一度でもコモンとして収録されたことがあるカード」のみを使用できるコモンデッキ構築の事である。
元々はMTGのオンライン版である『Magic Online(MO)』のみのフォーマットであったが、2019年より公式のフォーマットとなった。それに合わせて現実でだけコモンで収録されたカードも利用可能になった。
概要
コモンカードのみなので強いカードが入らない、すなわち弱くて地味な環境……と思ったら大間違い。カードプールがレガシー並みに広く歴代のパワーカードが使えるため、スタンダードが裸足で逃げる禍々しいデッキが横行する魔境である。
一例をあげると、
- 親和
- 当時のスタンダードを破壊した大失敗メカニズムを中心としたアーティファクトビートダウン。モダンで禁止されているアーティファクト・土地がすべて使えるため、0マナ2/2の《金属ガエル》や1マナ2ドローの《物読み》といった当時の主力カードと、アーティファクト破壊の効かない2マナ4/4の《甲殻の鍛冶工》や1マナ4点火力の《感電破》といった新戦力がフルパワーを発揮できる。ちなみに《頭蓋囲い》はパウパーが制定された当初からの禁止カードである。
- デルバー
- デッキ名の由来でもある《秘密を掘り下げる者》を中心としたクロックパーミッションデッキ。《秘密を掘り下げる者》や《深き刻の忍者》といった優秀なクリーチャーを《対抗呪文》や《呪文づまりのスプライト》といったカウンター、《思案》や《定業》などのドロー呪文でサポートする。青単色や青赤、青黒などの構成が存在する。ちなみに、《思案》と《定業》はモダンで禁止、さらに《思案》はヴィンテージで制限されている。
- バーン
- 《稲妻》《稲妻の連鎖》を始めとする1マナ3点火力4種や、《山》2枚の生け贄で0マナ4点火力となる《火炎破》といった往年の名火力がフル投入され、4キルすらも珍しくない。
このほか、『ストンピィ』や『ボロスウィニー』などのビートダウンデッキ、『ジェスカイ氷雪』や『ボロス統治者』などのミッドレンジデッキ、『ウルザトロン』や『青黒コントロール』などのコントロールデッキ、『呪禁オーラ』などのコンボデッキに近いビートダウンデッキ、『パイレーツ・フリッカー』などのコンボデッキなどの、様々なデッキタイプが跋扈している。デッキの詳しい内容やメタゲームはこちらなどで確認できる。
なお、このフォーマットでも禁止カードは存在する(例:《宝船の巡航》)ので、詳しくは公式サイトやMTG Wikiを参照のこと。
また、MTGアリーナでもしばしばパウパーのイベントが開催されるが、こちらはカードプールがスタンダード準拠なため、上記のような禍々しいデッキは組むことができない。
関連動画
関連項目
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