G1 CLIMAXとは、新日本プロレスが毎年夏に開催する最強シングルレスラー決定戦で、両国国技館で決勝戦が行われる。「プロレス界の夏の風物詩」「真夏の祭典」とも呼ばれている。
概要
1991年に第1回大会が開催され、以降毎年8月上旬頃に開催されている。発案者は当時の新日本プロレス社長「世界の荒鷲」こと坂口征二。
ヘビー級、ジュニアヘビー級問わず新日ナンバーワンの選手を決める一大イベントだが、プロレスリング・ノアの秋山準やパンクラスMISSIONの鈴木みのるを始め、他団体やフリーの選手、外国人選手が参戦することもある。
試合形式は大きく分けて「総当りリーグ戦」「トーナメント戦」「リーグ戦・決勝トーナメント方式」に大別されるが、基本的にリーグ戦方式で行われる。近年では各地方大会や後楽園ホール大会で公式リーグ戦が行われ、優勝決定戦は2014年の西武ドーム、2018、2019年の日本武道館での開催を除き、毎回両国国技館で開催される。トーナメント方式は2005年から始まった春の本場所「ニュージャパンカップ(NJC)」に受け継がれ現在に至る。
優勝者にはIWGP王座の次期挑戦権が与えられる(優勝者がIWGPヘビー級王者でない場合)他、優勝賞金として1000万円が贈呈される。また1992年の第2回大会では、優勝した蝶野正洋に、前者に加えて副賞として、第79代復活NWA世界ヘビー級王座が贈呈された。2012年の第22回大会からはオカダ・カズチカの提案により翌年1月4日の東京ドーム大会「WRSTLE KINGDOM」でのIWGPヘビー級王座挑戦権利書が優勝者に授与される事になった。この権利書は時折争奪戦が行われ、勝者に権利が移動するようになっている。
ちなみに「IWGP王者はG1では優勝できない」というジンクスが存在するが、過去にIWGP王者でG1優勝を果たしたのは武藤敬司(1995年)と佐々木健介(2000年)の二人のみである。
歴代優勝者
回 | 開催年 | 優勝者 | 準優勝者 | 備考 |
第1回 | 1991年 | 蝶野正洋 | 武藤敬司 | 8選手による2ブロックリーグ戦。 闘魂三銃士が上位を独占 |
第2回 | 1992年 | 蝶野正洋 | リック・ルード | 16選手によるトーナメント形式。 蝶野が初の連続優勝達成 |
第3回 | 1993年 | 藤波辰爾 | 馳浩 | 日本人選手のみの16名によるトーナメント形式 |
第4回 | 1994年 | 蝶野正洋 | パワー・ウォリアー | 日本人選手12名による2ブロックリーグ戦。 両国国技館での5連戦を開催 |
第5回 | 1995年 | 武藤敬司 | 橋本真也 | 8選手による2ブロックリーグ戦+決勝トーナメント形式。 リック・フレアーが参戦。 武藤がIWGP王者としてG1初制覇 |
第6回 | 1996年 | 長州力 | 蝶野正洋 | 日本人選手10名による2ブロックリーグ戦。 長州が初の全勝優勝達成(不戦勝含む) |
第7回 | 1997年 | 佐々木健介 | 天山広吉 | 日本人選手14名によるトーナメント形式。 両国3連戦開催。現:ウィリアム・リーガルの ロード・スティーブン・リーガルが参戦。 新日本と対立関係にあったnWoとの対決がテーマとなる |
第8回 | 1998年 | 橋本真也 | 山崎一夫 | 16名によるトーナメント形式。 橋本が8度目の出場でG1初制覇 |
第9回 | 1999年 | 中西学 | 武藤敬司 | 日本人選手12名による2ブロックリーグ戦。 武藤は最終日の両国で1日3試合を敢行 |
第10回 | 2000年 | 佐々木健介 | 中西学 | 20名による4ブロックリーグ戦+決勝トーナメント形式。 獣神サンダー・ライガーがG1初出場。 佐々木健介がIWGP王者として2人目のG1制覇 |
第11回 | 2001年 | 永田裕志 | 武藤敬司 | 日本人選手12名による2ブロックリーグ戦+決勝T形式。 G1優勝トロフィーが一新。 9月には外国人選手参加の「G1 WORLD」を開催 |
第12回 | 2002年 | 蝶野正洋 | 高山善廣 | 日本人選手12名による2ブロックリーグ戦+決勝T形式。 新日本vs高山ら外敵勢がテーマとなる |
第13回 | 2003年 | 天山広吉 | 秋山準 | 12名による2ブロックリーグ戦+決勝T形式。 プロレスリング・ノアから秋山準が初参戦 |
第14回 | 2004年 | 天山広吉 | 棚橋弘至 | 16名による2ブロックリーグ戦+決勝T形式。 鈴木みのるがG1初出場。 天山が2人目のG1連覇達成 |
第15回 | 2005年 | 蝶野正洋 | 藤田和之 | 日本人選手16名による2ブロックリーグ戦+決勝T形式。 蝶野が通算5回目の優勝(現時点で最多優勝) |
第16回 | 2006年 | 天山広吉 | 小島聡 | 10名による2ブロックリーグ戦+決勝T形式。 天山が2人目の全勝優勝達成 (長州とは違い、不戦勝無しで全試合消化しての優勝) |
第17回 | 2007年 | 棚橋弘至 | 永田裕志 | 12名による2ブロックリーグ戦+決勝T形式。 曙がプロレス転向後初のG1出場 |
第18回 | 2008年 | 後藤洋央紀 | 真壁刀義 | 14名による2ブロックリーグ戦。 後藤がデビューから5年1ヵ月の史上最短キャリアで優勝。 最終日は3年ぶりの超満員札止めとなる |
第19回 | 2009年 | 真壁刀義 | 中邑真輔 | 14名による2ブロックリーグ戦+決勝T形式。 TAJIRI、田中将斗が初出場 |
第20回 | 2010年 | 小島聡 | 棚橋弘至 | 16名による2ブロックリーグ戦。 小島が新日本所属以外で初優勝達成(当時フリー)。 史上3人目のチャンピオンカーニバル、G1制覇となる。 CMLLからストロングマンが参戦。 負傷した丸藤正道に代わり、プリンス・デヴィットが出場 |
第21回 | 2011年 | 中邑真輔 | 内藤哲也 | 20名による2ブロックリーグ戦。 G1では11年ぶりの20人参戦となる。 中邑が8度目の出場で初優勝 |
第22回 | 2012年 | オカダ・カズチカ | カール・アンダーソン | 18名による2ブロックリーグ戦。 オカダが史上最年少優勝達成(24歳9ヶ月)。 1.4でのIWGP王座挑戦権利書が副賞として追加される |
第23回 | 2013年 | 内藤哲也 | 棚橋弘至 | 20名による2ブロックリーグ戦。 柴田勝頼が9年ぶりのG1出場。 DDTより飯伏幸太が初参戦 |
第24回 | 2014年 | オカダ・カズチカ | 中邑真輔 | G1史上最多の22名による2ブロックリーグ戦。 両国国技館に代わり、決勝戦を西武ドームにて開催。 決勝戦はG1史上最高観客数を記録した。 AJスタイルズ、欠場の飯伏幸太に代わり本間朋晃が初出場 |
第25回 | 2015年 | 棚橋弘至 | 中邑真輔 | 20名による2ブロックリーグ戦。 歴代最多の19大会が南は別府、北は札幌までの各会場で開催。 A、Bブロックの公式戦が交互に行われる。 本間が正規枠での出場、ROHよりマイケル・エルガンが参戦 |
第26回 | 2016年 | ケニー・オメガ | 後藤洋央紀 | 20名による2ブロックリーグ戦。 前年同様に全国各地で公式戦をA、Bブロック交互に行う。 最終3日間は両国国技館で開催。 ケニー・オメガが初出場にして初の外国人選手として優勝。 所属ではYOSHI-HASHI、タマ・トンガ、EVIL、フリーではSANADA、NOAHからは中嶋勝彦が初出場 |
第27回 | 2017年 | 内藤哲也 | ケニー・オメガ | 20名による2ブロックリーグ戦。 スポンサー企業がローチケと、初のブシロード関連以外のものに。 ジュース・ロビンソン、ザック・セイバーJr.が初出場。 永田が本年度で最後のG1出場となる |
第28回 | 2018年 | 棚橋弘至 | 飯伏幸太 | スポンサーは株式会社サムザップのアプリ、『戦国炎舞』。 開幕戦が大田区総合体育館にて開催。 夏季に改修作業に入る両国国技館に代わり、日本武道館で最終3連戦が開催される(新日本の興行としては15年ぶり)。 MAN WITH A MISSIONがG1テーマ曲を製作、提供。 棚橋が3度目のG1優勝、ハングマン・ペイジ、ジェイ・ホワイトが初出場 |
第29回 | 2019年 | 飯伏幸太 | ジェイ・ホワイト | スポンサーは遊戯機製造企業のHEIWA。 開幕戦がテキサス州ダラスと、初の海外開催。 最終3連戦は前年度同様、日本武道館で行われる。 (この年は両国国技館でベスト・オブ・ザ・スーパージュニアの決勝戦を開催) LOW IQ 01がG1テーマ曲を製作、提供。 飯伏がオメガに続く他団体デビュー選手及び、初のBOSJ制覇経験のある選手として優勝。 ウィル・オスプレイ、鷹木信悟、KENTAらジュニア階級選手に加え、ジョン・モクスリー、ジェフ・コブ、タイチが初出場 |
第30回 | 2020年 | 飯伏幸太 | SANADA | スポンサーは激落ちくんなどで知られるLEC。 本来下記に行われる予定だった東京五輪の影響により、G1初となる9月以降の秋季開催。 (新型コロナウィルスの影響により、本年度はBOSJとワールドタッグリーグが同時開催となる) 飯伏が3人目にして、新日本生え抜き以外の選手として初の連覇達成。準優勝のSANADAとの優勝決定戦も他団体デビュー同士の対決に。 10月に行われる両国国技館大会が優勝決定戦となり、前々日から同会場で3連戦が行われる |
第31回 | 2021年 | オカダ・カズチカ | 飯伏幸太 | スポンサーは昨年と同じ激落ちくんなどで知られるLEC。 昨年と同じく新型コロナウイルス、東京五輪の影響により9月以降の秋季開催。内藤哲也が初戦のザック戦で左膝側側副靭帯損傷、半月板損傷により残りの公式戦8戦を欠場。優勝決定戦では飯伏が右肩脱臼によりレフェリーストップ。オカダが7年ぶり3度目の優勝を果たした。 |
第32回 | 2022年 | オカダ・カズチカ | ウィル・オスプレイ |
今回は3年ぶりの夏開催となった。また2000年以来の4ブロック、28選手参戦で開催された。 |
第33回 | 2023年 | 内藤哲也 | オカダ・カズチカ |
昨年と同じ4ブロック過去最多の32選手で開催しまた公式戦が30分から20分に短縮。決勝戦は3年振りの両国国技館で開催された。 海野翔太、成田蓮、辻陽太、ヒクレオ、ゲイブ・キッド、アレックス・コグリン、シェイン・ヘイスト、マイキー・ニコルスが初出場で他団体ではAEWからエディ・キングストン、プロレスリング・ノアから清宮海斗が初出場。 |
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