コイウタとは、
綺羅星にまじれば目立たない
私の中にも輝きはある
その微かな光をかき集め
メロディに乗せて歌いましょう雨に打たれ熱砂に焼かれても
胸の高鳴りは消えなかった
その一途で密やかな想いに
リズムを与えて踊りましょうみんな驚くことでしょう
貴方も振り向くことでしょう
コイウタ(Koiuta)とは、2003年生まれの日本の元競走馬・元繁殖牝馬である。
栃栗毛の牝馬で、現役時は美浦の奥平雅士厩舎所属であった。
2007年のJRA賞最優秀4歳以上牝馬に選ばれている。
オーナーは九州ローカル番組で街ブラしてることでおなじみの歌手の前川清(名義は前川企画)。
通算成績:21戦5勝[5-2-2-12]
主な勝鞍
2006年:クイーンカップ(GⅢ)
2007年:ヴィクトリアマイル(JpnⅠ)
馬名の由来はオーナーの前川清が所属していた歌謡グループ、内山田洋とクール・ファイブの楽曲『恋唄』に由来する。
父フジキセキは大種牡馬*サンデーサイレンスの初年度産駒で、1994年の朝日杯3歳ステークスを制して翌年のクラシック戦線の最有力馬と目されたが、屈腱炎により道半ばで引退した「幻の三冠馬」である。種牡馬としても優秀な成績を残し、カネヒキリやキンシャサノキセキ、ストレイトガールなど数多くのGI馬を誕生させている。
母ヴァイオレットラブは半姉に重賞3勝のビバインドザマスクがいるが、本馬は未勝利のまま引退しており、特筆した活躍はしていない。
母父*ドクターデヴィアスは1992年の英ダービー勝ち馬で、同年にジャパンカップに参戦しそのまま日本で種牡馬となった(後にイギリスへ買い戻されイタリアで供用)。日本の産駒には1998年福島記念を制したオーバーザウォールや1998年桜花賞2着のロンドンブリッジがいる。母父としては、先述のロンドンブリッジを母とする2004年優駿牝馬の優勝馬ダイワルシエーロと2018年中京記念を制したグレーターロンドンの姉弟のほか、重賞2勝のビッグプラネット、米GIのセクレタリアトSを制したShamdinanがいる。
デビュー戦は2005年6月26日で7着に敗れたものの、次走の未勝利戦で初勝利。続くカンナSで連勝を飾ると京王杯2歳Sでもハナ差の3着に入って実力を示した。
陣営は初のGIとして阪神ジュベナイルフィリーズに挑戦。コイウタは3番人気に支持されるも結果はテイエムプリキュアの6着に敗れた。
年明け初戦の菜の花賞を快勝し、続くクイーンカップでも一番人気に応え勝利。牝馬クラシック戦線の有力馬の一頭として名乗りを上げた。
桜花賞で5番人気に推されたコイウタは4コーナーから先頭を狙える好位置につけると、シェルズレイ、アドマイヤキッスとの3頭併せで2番手に浮上。そこからシュエルズレイが脱落し、外から追い込んできたキストゥヘヴンが1着でゴールイン。やや遅れたアドマイヤキッスとコイウタもゴール前で逃げたアサヒライジングを捉えてそれぞれ2着と3着になった。
その後、コイウタは優駿牝馬に出走し前走の結果が評価されて4番人気となったが、3コーナーで右肩の跛行を発症し競走中止となった。
夏の休養を経て、復帰初戦に秋華賞に挑戦するも前哨戦を挟まず+16kgの馬体増や距離の問題もあり17着と大敗する。その後はオーロカップ2着、クイーン賞13着と勝てないままこの年を終えた。
年が明けても勝ちきれないレースが続くも、ダービー卿チャレンジトロフィーで9番人気ながら2着になって復調の気配を見せると、陣営は5走ぶりとなるGI級競走のヴィクトリアマイルを選択した。
このレースの人気の中心は牝馬2冠の猛馬カワカミプリンセスと、牝馬として39年ぶりに宝塚記念を制した頑固者スイープトウショウ、さらにコイウタとは過去3回対戦し全て先着されているアドマイヤキッスであった。これに対し、コイウタは前年のクイーンC以来勝ち星はなく、鞍上もGI級競走未勝利で若手の松岡正海であったため12番人気の低評価であった。
しかしながら、中団につけていた上位人気馬は能力を発揮できず、伸びてこない。その傍らで松岡騎手は状態が悪くて避けられていた内側のコースを選択し、荒れていない部分の端を走らせて一気に抜け出すとそのまま1着でゴールイン。
これがコイウタ自身だけでなく、松岡騎手、奥平調教師、馬主の前川にとっても初めてのGI級競走制覇となった。なお、レースは12人気→9人気→8人気という大荒れ決着で3連単の払い戻しは約228万円であった。
その後、コイウタはアメリカに遠征し、キャッシュコールマイルに出走した。
このレースは重量別定戦で、基本となる負担重量123ポンド(約55.8kg)からGⅠ勝利経験のない馬は2ポンド、GⅡ勝ちのない馬は4ポンド、GⅢ勝ちのない馬は6ポンドの減量を受けられることになっていた。
コイウタはヴィクトリアマイルを勝利していたが、同レースは当時、国際格付けを拒否されたJpnⅠ競走(国際的にはリステッド競走という扱い)であったためGⅠ勝ちにはカウントされず、4ポンド減の119ポンド(約53.9kg)で出走するはずであった。
しかし、これに対し複数のアメリカの調教師から主催者にクレームが入った。前年にヴィクトリアマイルを優勝して同レースに出走したダンスインザムードは国際GⅠを勝ったと扱われていた(格付け勧告の前であったため)のだから同様の扱いをすべきと訴え、主催者もこの言い分を認めた。その結果、レース当日の朝になってコイウタの負担重量が123ポンドに変更されることになった。
結果的にコイウタは最下位の9着に敗れた。
負担重量の突然の変更に対し、JRAは同レースを主催するハリウッドパーク競馬場に抗議を行い、翌年のヴィクトリアマイル勝ち馬が遠征してくる際には事前に格付けの確認を行うことを取り決めた(実際には2008年ヴィクトリアマイル勝ち馬のエイジアンウインズは遠征しなかった)。
帰国後は放牧に出された。その後のレースでは目立った活躍はできず、2008年の東京新聞杯を最後に引退した。
ちなみに、2007年に古牝馬でGI級競走を制したのはコイウタしかいなかった。そのコイウタもこの年は1勝しかしておらず、JRA賞の最優秀4歳以上牝馬部門の投票はコイウタ113票、該当なし101票と評価が大きく割れた。結果として、コイウタが同部門を受賞している。
引退後は社台ファームの繁殖牝馬となり、産駒として9頭がデビューしている。産駒の重賞勝ちはないものの、2011年産のミッキーラブソング(父キングカメハメハ)がOP戦2勝、2014年産のユラノト(父キングカメハメハ)が根岸ステークス2着と一定の成績を残している。孫には2021年の兵庫チャンピオンシップとジャパンダートダービーで2着になったゴッドセレクションがいる。
2022年に用途変更となって繁殖牝馬を引退しているが、2024年1月現在も社台ファームで繁養されている(見学不可)。
フジキセキ 1992 青鹿毛 |
*サンデーサイレンス 1986 青鹿毛 |
Halo | Hail to Reason |
Cosmah | |||
Wishing Well | Understanding | ||
Mountain Flower | |||
*ミルレーサー 1983 鹿毛 |
Le Fabulex | Wild Risk | |
Anguar | |||
Marston's Mill | In Reality | ||
Millicent | |||
ヴァイオレットラブ 1997 芦毛 FNo.[4-r] |
*ドクターデヴィアス 1989 栗毛 |
Ahonoora | Lorenzaccio |
Helen Nichols | |||
Rose of Jericho | Alleged | ||
Rose Red | |||
*ヴアインゴールド 1979 鹿毛 |
Mr. Prospector | Raise a Native | |
Gold Digger | |||
Chancy Dance | Bold Reason | ||
Hasty Hitter |
クロス:Hail to Reason 4×5(9.38%)
掲示板
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最終更新:2024/05/03(金) 04:00
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