SCP-2700とは、シェアード・ワールド『SCP Foundation』に登場するオブジェクト(SCiP)である。
SCP-2700 | |
基本情報 | |
---|---|
OC | Safe |
収容場所 | 厳重バンカー-███ |
著者 | Anborough |
作成日 | 2013年11月23日 |
タグ | 2000 k-クラスシナリオ エントロピー コンピュータ 時間 機械武器 |
リンク | SCP-2700 |
SCPテンプレート |
セルビアの物理学者にして発明家であるニコラ・テスラによって開発された高性能の指向性エネルギー兵器。要はビームキャノンである。テスラが使用していた研究施設から1946年に回収された。QWERTYキーボードとコマンドベースのOS、それを表示する画面モニター、ボタン、スイッチ、レバー、これにタングステン鋼の円形の容器に収納された、当時の粒子加速器に近いもののかなり小型化された線形粒子加速器、そして詳細不明の機能を含むタングステン鋼の組立品 (テスラが言うところの『コア』)から構成されている。
コアは透明な真空の球体の中で浮いている、球体の枠内がでプラズマの連続的な流れが未知の方法で発生している、とテスラが残したメモには記されている。
動作原理は殆どわかっていないが、とりあえず「見た目通り」コアで生成された粒子が線形粒子加速器で加速された後、対象にぶつけられるということだけはわかっている。恐ろしい兵器ではあるものの、兵器という特性上、動かさなければそれ以上の恐怖はないので、Safeクラスアノマリーとして分類される。
注意、クリアランス4/2700職員へ: この文章を読みセキュリティクリアランスが確認できれば、以下の文書へのアクセスができるようになります。文書-2700-DEに続いてください。レベル4以下の職員は、Ω-R5規定のもと緊急時のアクセスが許可されます。 SCP-2700 - SCP財団より,2022/07/12閲覧 |
SCP-2700 | |
基本情報 | |
---|---|
OC | Keter |
収容場所 | 厳重バンカー-███ |
著者 | Anborough |
作成日 | 2013年11月23日 |
タグ | 2000 k-クラスシナリオ エントロピー コンピュータ 時間 機械武器 |
リンク | SCP-2700 |
SCPテンプレート |
実はこの兵器は、ニコラ・テスラの設計したビームキャノンではない。確かに当初こそニコラ・テスラはビームキャノンを作る気でこのSCP-2700を作成したのだが、最終的に出来上がったのはビームキャノンではなく、時限爆弾だった。操作画面と線形粒子加速器は上記の通りなのだが、コアはプラズマではなく、反エントロピー的な現象をもたらしている。エネルギーというのは安定状態から無秩序な状態に移り変わる、というのが物理学の基本である。そして、一度そうなったエネルギーは元には戻らない。覆水盆に帰らずというやつである。しかしSCP-2700は、この覆水を盆に戻してしまっているのだ。よりわかりやすく言えば時間をそこだけ戻しているということでもある。
時間遡行といえば素敵なのだが、このコアの内部で起きている事象がコア外部にも影響したら、最後はこの宇宙がビッグバン以前まで戻ってしまう。これはいわゆるYK-クラス:世界終焉シナリオに相当する宇宙の危機である。
それでも動かさなければSafe、というのなら良かったのだが、実はこの兵器は既に起動されてしまっており、1934年からちょうど300年後に反エントロピーを解放する設定となっており、取り消せなくなってしまっている。……なんでテスラはこんなことをしてしまったのか?
ニコラ・テスラがこのSCP-2700、テレフォースを開発した頃というのは、世界中で戦争が起きている時期であり、こうして退廃した世界をテスラは嫌っていた。その彼の前に、見知らぬ男が現れた。彼は、いくつかの宇宙をめぐり、『各宇宙の最も独創的な思考』を探していたという。その男の誘いに乗り、テスラは異世界の天才たちに会いにいくことにした。テスラはテレフォースの操作画面と加速器は作れたものの、動力を作れていなかったので、アドバイスが欲しかったのだ。そうして、その男の世界に訪れた時、他の世界から来た天才たちに会った時、テスラは密かに劣等感と羞恥心を感じていた。自分の世界は如何にひどいのか、と。
彼らを集めた男は、無限のエネルギー発生器を作ろうと提案し、テスラはテレフォースにそれが使えると確信した。彼らは話し合い、2つの異なる宇宙の特定の物質が働きかければ無限のエネルギーが産まれるという結論を導き出し、無限エネルギー発生装置を作り上げる。そして、テレフォースもまた、テスラの作業を見ていた異世界の天才の一人、テスラいわく『観察者』がテスラのミスを指摘して改善してくれたため、完成した。
テスラは装置の完成の際にはそれをテレフォースのテストに使わせてほしいと事前にお願いしており、協力の下それを接続した。しかし実際に動かしてみると、テレフォースの内部でエネルギーが減少していることがわかる。無限エネルギー発生装置を作ったはずではなかったのか?そして恐ろしい結論にいきつく。そう、エネルギーは減少しているのではなく、無限に集中している。そしてこれが進行すれば全宇宙のエントロピーの流れが逆行する。世界はビッグバンに戻されるということだ。しかしテレフォースを無効にしようとしても、設定が解除できなくなっていた。
テスラは「観察者」が犯人だと気がついた。観察者は悪意ある微笑みで、「ああ、私が犯人だし、私以外にはテレフォースは解除できなくなった。でもテスラ、君は兵器を完成させるために来たんだろう?私を軽蔑する権利はあるかい」と。300年後にテレフォースのエントロピーが解放されるのは何故か?それは単に「観察者」が逃げ切るための対策でしかなかった。そして「観察者」は自分の宇宙にたどり着く唯一の装置とともに、元いた世界に逃げ戻った。テスラは自分を訪ねてくれた男の世界を破壊したいとは思わなかった。だからテレフォースを、自分の、戦争ばかりの『ゴミみたいな世界』に持ち帰ったのだった。
エネルギーの、エントロピーの、そして時間の、逆転。……もし、もっと簡単に時間を戻せるのなら、私はこの事件が起こるのを防ぎ、宇宙を救うことができたかもしれない。いや、そうじゃない。我々の宇宙を、ちゃんと守る価値のある宇宙にしただろう。
SCP-2700 - SCP財団より,2022/07/12閲覧
世界を破壊することはテスラの当初の望みではなかったが、「それも仕方ない」とテスラは諦念とともに持ち帰ったのだった。自分の世界に対する劣等感と羞恥心をテスラは感じていたからだ。
しかし財団からすれば諦めている場合ではない。あるオブジェクトの研究の途中でアンボロー博士はテスラの「観察者」に引っ掛けられたミスに気づいた。彼は、同僚のシャンク博士に持ちかける。――もう一度、SCP-2700を組み立ててみないか。そうすれば、オリジナルのSCP-2700の解体手段がわかるかもしれない。
NEXT : SCP-2400 - Temporal Dilation Facility (時間拡張施設)
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最終更新:2024/06/06(木) 23:00
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