チルアウトとは、テクノの系譜上に位置する比較的まったりとした楽曲を包括した言葉である。
なお、チルアウト(Chill Out)には「冷却」という意味から転じた「頭を冷やす・くつろぐ・落ち着く」といった意味合いがある。
概要
発祥は90年代前中期と言われている。
広義ではダウンテンポでリラクゼーショナルなムードを持つ楽曲がチルアウトと呼ばれている。
テクノの系譜上にはもともとBGMとして用いられることを目的としたアンビエントと呼ばれるジャンルが存在しているが、チルアウトというジャンルで明記されるものは主にダンスフロアで火照った体を休めるためにクラブ内に作られた「チル・ルーム」なる涼しい部屋で流されることを前提に作られている(らしい)。
このチル・ルームには寝心地のいい長椅子や気持ちのいい枕が用意され、やすらぎを演出する照明に加え心地の良いチルアウト・ミュージックまでもが流されているとのこと。
なんともうらやましい環境である。
なお、チルアウトというジャンル名を一般化させたのは、1990年のKLFのアンビエントアルバム「Chill Out」であると言う。
アンビエントとチルアウト
では果たして「アンビエント」と「チルアウト」の違いとは何なのか。
個人的主観で言えば、「アンビエントのうち、くつろぎ、落ち着くための音楽がチルアウトである」といったところであろう。
アンビエントはその名が示すとおりの環境音楽であり、環境を演出するための構成要素である。
たとえばホラーゲームなどで緊張を促すために心臓の鼓動音を流してみたり、恐怖を増大させるためにうめき声やお経なんかを流す演出があるが、そういったものも「恐怖を促すアンビエント・ミュージック」と言えるわけである。
なので、数あるアンビエントのうち、特に「くつろぎを促すアンビエント・ミュージック」が「チルアウト」と呼ばれる、という説明がシンプルで良いのではないかと思うのだがいかがだろうか。
まぁともかく、大音量・重低音のハードコアな曲をハコ内で聴き続けたことにより、慣れでマヒしてきた耳と、張り詰めた神経をいったん冷却して落ち着かせる感じの楽曲がチルアウト、ということで良いと思われる。
なお、編集者も最近知ったのだが、トランスの楽曲がチルアウト調にリミックスされることがよくあるらしい。
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