概要
日本の冬の定番アイテムで、今や海外にまでその需要が広がっている「使い捨てカイロ」。
はじめて世に出たのは1975年のことで、旭化成工業(現・旭化成)が、アメリカ陸軍が使用していたフットウォーマーを参考に開発し、鍼灸院などで販売したのがはじまりだといわれている。
その後、ロッテ電子工業(現・ロッテ健康産業)が「ホカロン」を発売して大ヒット、使い捨てカイロは一気に全国区に。
それからさまざまなメーカーが研究・改良を重ねて、貼るタイプが開発されたり、持続時間が長くなったりと、
その機能は向上、現在にいたるというわけである。
使い捨てカイロに関して疑問に思われがちなのが、「どうやってカイロは温かくなってるの?」ということであろう。
これは簡単に言うと、鉄が酸化したことによって熱を発するため。
使い捨てカイロの主成分は鉄粉で、袋を開けると、鉄粉の鉄分が空気中の酸素にふれて酸化し、発熱するのである。
鉄粉のほかの中身は、水・塩類・活性炭・バーミキュライトなどで、鉄粉の酸化をはやめたり、熱が冷めないようにしたりといったサポートをしている。
今やすっかり私たちの生活にとけこんだ使い捨てカイロだが、あまりに手近なものであるためか、
誤った使い方をしている人も多くいる。
特に多いのが就寝時の使用。寝ているあいだは異常に気づきにくいため、布団の中でカイロの温度が上昇し、
低温やけどのリスクが高まってしまう。
それから貼る箇所にも注意が必要。肌に直接貼るのはもちろんNGだし、バッグの肩紐やベルト、サポーターなどで圧迫される箇所に貼っても低温やけどにつながることがある。
そしてもうひとつ気をつけておきたいのが、捨て方である。帰宅するとすぐに、冷たくなったカイロをごみ箱に捨てる、
という人は多いだろうが、これは絶対にやってはいけない。
表面が冷たくなっていても中に熱が残っていることがあるので、発火する危険性があるのだ。
ゴミ箱に捨てるのは、カイロが完全に冷え切ってから、というのが鉄則である。
ちなみに、使用済みのカイロは消臭アイテムとして再活用することができる。
カイロの成分「活性炭」には消臭効果があるので、使用済みのカイロを靴などに入れておくと、
臭いをとってくれるのである。
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