堇とは、土地が高いさまという意味の漢字である。
漢字として
- 意味
- 日照り、(饉と通じて)飢饉、(僅と通じて)わずか、(墐と通じて)塗る、練る、ねば土、(蓳と通じて)トリカブトという意味がある。
- 字形
- 𦰩+火の会意。下部の土は火の字が変じたもの。もと日照りに関する字とされ、𦰩は日照りの神とする説、𦰩は巫祝で巫祝を焼く字とする説などがある。
- 〔説文解字・巻十三〕には「黏土なり。土に從ひ、黃の省に從ふ」と、黄の省略+土で粘土のことで黄土という字であるとある。
- 音訓
- 音読みはキン (漢音)、訓読みは、ねばつち。
- 規格・区分
- 常用漢字ではない。JIS X 0213第四水準、JIS X 0212補助漢字。
- 部首
- 堇は、〔説文〕では部首である。〔説文〕ではほかに艱が属する。
- 声符
- 堇を声符とする漢字には僅、勤、墐、廑、㨷、蓳、鄞、暵、槿、殣、瘽、瑾、螼、覲、謹、饉、𪅀(難)などがある。
- 語彙
- 堇堇・堇泥
異体字
- 𡏳は、〔康熙字典〕が本字とする字。
- 𡐳は、〔説文〕にある古文。
- 䒺は、〔説文〕や〔篇海〕にある古文。
- 𦻍は、〔玉篇〕にある古文。
- 𡎸は、〔玉篇〕に堇と同じとある異体字。
- 𦹆は、〔漢語大辞典・異体字表〕にある異体字。
- 菫は、堇の俗字。日本ではスミレを指す。
- 𦸨は、〔集韻〕にある菫の古文。
- 𦸧は、〔集韻〕にある菫の古文。
- 𦻋は、〔集韻〕にある菫の古文。
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