拡大連勝複式、略して拡連複とは、公営競技における投票券の種類の一つである。
概要
拡大n連勝複式とは、上位m着までに入るn選手を当てる投票券の式別(m>n、特にm=n+1)。
これと区別する場合に、n連勝複式を「普通n連複」と称することがある[1]。
公営競技では、上位3着以内に入る2選手を当てる「拡大2連勝複式」が採用されている。
中央競馬・地方競馬・競輪・オートレースでは、拡大2連勝複式は「ワイド」という名称で販売されている。「ワイド」はJRA及び大井競馬場を管轄する特別区競馬組合が共同で出願した登録商標のため、他の競技団体は権利者の許可を得て使用している。ボートレースのみ、この呼称を使わず「拡連複」と称する。
なお、ややこしすぎるためか「拡大連勝単式」は存在しない。
以下、特筆した場合を除き、「3着までの拡大2連勝複式」の場合で解説する。
的中票数
普通n連勝複式の的中票数は1つだけだが、m着までの拡大n連勝複式の的中票数はmCn種類存在する。3着までの拡大2連勝複式であれば、3C2=3種類となる。
例えば、3着までの着順が3-6-9だった場合、3-6、6-9、3-9の3通りが的中となる。オッズは組み合わせごとに設定され、複数種類的中すればもちろん足した分だけ払い戻される。
買い目の数
→ボックス(公営競技)
→フォーメーション(公営競技)
→ながし(公営競技)
拡大n連勝複式をまとめ買いした場合の買い目の数は、普通n連勝複式と全く同じである。これはフォーメーション・ボックス・ながしのどれでも同じである。
例えば、6選手のボックス買いを2連複・拡2連複の両方で買う場合を考えると、「6選手の中から2選手を選ぶ組み合わせの数」であることは全く変わらないので、結果も同じ6C2となるのである。買い目の数は変わらず、的中する種類数が変わることに留意せよ。
当たりやすさ
類似の投票券と比べた場合の当たりやすさを記述する。当たりにくいほど払い戻し率は高い傾向にある(ごく希に例外あり)。
普通2連複と比べた場合
普通2連複は、選んだ2選手が1着と2着に来た場合のみ的中となるのに対し、拡大2連複は3着以内にくればよいのだから、当然拡連複の方が当たりやすい。
n選手立ての競走において、普通2連複の的中率は1/nC2であるが、拡大2連複は3/nC2であり、前者は後者の3倍当たりやすい。
枠番2連複と比べた場合
競馬と競輪には枠番連勝複式があるため、これと比べることができる。
なお、枠番連勝式は1枠の選手数が状況によって異なるため、一概に言えないこともあることに注意。
競輪の場合
1・2・3枠が1車、4・5・6枠が2車となる9車立ての競走で考える。
拡連複の的中率は3/9C2、枠連複の的中率は1枠の選手数に応じて(1,2,4)/9C2となる。
すなわち、1選手の枠を1つでも含む場合は枠連複の方が当てにくく、両方2選手の枠である場合は枠連複の方が当てやすいといえるのだが、これは全選手の勝率が平等である場合の話。競輪では4・6・8番に実力の低い選手を充てることが多いため、1枠2選手だからといって当てやすいとは限らない。
競馬の場合
競馬は、最大18頭立ての8枠であり、1枠の頭数は1~3頭である。
n頭立ての競走において、拡連複の的中率が3/nC2となるのは同じ。枠連複の的中率は1枠の頭数に応じて(1,2,4,6,9)/nC2となる。枠連複の方が的中率が低いのは1頭の枠を含む場合だけ。すなわち、その可能性がある15頭立て以下の場合のみである。大レースではほとんどの場合1枠2頭以上となるため、基本的に拡連複よりも枠連複の方が当てやすいと考えてよいだろう。
拡大2連複全的中と3連複を比べた場合
3通りすべてを的中させた場合は3連複に相当する的中となるが、拡連複3種類的中の合計払戻額は、同種類の3連複を的中させたよりも低くなることがほとんどである[2]。その代わり、拡連複は3種類の内どれかが外れても残りの的中分はもらえるので、どちらをとるかは馬券師の悩みどころである。
その他
- 1999年に中央競馬でワイドが発売された際、告知ポスターには「ワイド」と書かれた紙をくわえたナイスネイチャ号が掲載されていた。同馬は有馬記念連続3着をはじめとするブロンズコレクターとして有名で、「自分の現役時代にこの馬券があったらなあ…」というジョークとなっている。
関連動画
関連項目
脚注
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