日本においては、競艇・競輪・オートレースと並ぶ公営競技(公営ギャンブル)の一つでもある。
ギャンブルとしての盛り上がりも一つの要因でこそあるものの、それだけにとどまらず、他のスポーツと同様、よい走りを見て感激したり、レースに勝利した騎手・馬・厩舎等の関係者を讃えるというのも競馬のよさといえよう。
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概要
現在、競走馬の主流はサラブレッドであるが、アラブやクォーターホースなどの品種も存在し、品種限定でレースも行われている(行われていた)。
競走形態は、特段何のしかけもないコースを走る平地競走がよく知られるものの、他にも障害競走(途中のハードルなどを飛び越えて走り進める)、日本では消滅した速歩競走(足を出す順序が決まっておりスピードに限りがある)、さらには日本(主に北海道)独自のばんえい競走(重いソリを引いて山のあるコースを走る)といった方式もある。
品種や競走形態の違いはあるが、何にせよ競走の着順で優劣をつける非常にシンプルなスポーツである。
なお、着順の勝敗そのものは非常に単純だが、ギャンブルとしての馬券購入の際には、多岐に渡る着順予想があり、様々な予想を楽しむ事も出来る。
歴史
近代競馬はイギリス発祥の娯楽・スポーツであり、欧州を中心として海外の様々な国に存在する。
また、形は違えど日本の平安時代には競馬(くらべうま)という名称の馬を走らせる神事は既に存在していた。もちろん、馬を競わせるという文化自体は世界の各地にそもそも存在しているが、現在の近代競馬の基礎は、イギリスで生まれたとされる。
1540年 英国 正式なルールと専用競馬場による近代競馬が始まる。
1620年代 米国 英国植民地にて競馬を開催。
1776年 英国 第1回セントレジャーステークス。
1780年 英国 第1回ダービーステークス。
1791年 英国 ジェネラルスタッドブック創刊。血統が記載され、4巻にてサラブレッドの基準を定めることとなる。
1860年 日本 横浜の元町(外国人居留地)で西洋式の競馬を開催。治外法権により88年から馬券発売。
1861年 豪州 第1回メルボルンカップ。
1875年 米国 第1回ケンタッキーダービー。
1906年 日本 居留地以外で馬券発売開始。2年後に過度な営利主義や八百長疑惑の頻発により禁止に。
1915年 日本 ばんえい競馬が開催。
1920年 仏国 第1回凱旋門賞。
1923年 日本 競馬法が成立。馬券販売が再開され、未成年・学生・競馬関係者の馬券購入が禁止に。
1932年 日本 第1回東京優駿(日本ダービー)。
1941年 日本 セントライトが日本初のクラシック三冠馬となる。
1954年 日本 日本中央競馬会(JRA)が発足し中央競馬が開始される。
1973年 日本 第一次競馬ブーム。ハイセイコーの活躍によるもの。
1984年 米国 第1回ブリーダーズカップ。
1990年ごろ日本 第二次競馬ブーム。オグリキャップや武豊、それを取り巻くトウカイテイオーやタマモクロスなどによるもの。バブル経済の影響も。
1994年 香港 第1回香港国際競走。
1996年 UAE 第1回ドバイワールドカップ。
2007年 日本 パート1国に昇格。日本の重賞やダートグレード競走が海外と肩を並べる。
2009年 日本 アラブ系の競走が日本で全廃。
2020年 サウジ 第1回サウジカップ。
日本競馬
日本の競馬では、日本中央競馬会(JRA)が主催する中央競馬と、地方自治体が主催する地方競馬に分類される。(詳細は各記事を参照)
中央競馬は土曜・日曜と一部の月曜祝日に開催され、国際G1競走など大レースが開かれる。有名な日本のレース・馬・騎手は、ほとんどこちらの所属。
地方競馬はほぼ毎日、どこかしらの競馬場にて開催されている。これは、主に中央競馬の商圏と被るエリアにある競馬場(南関東など)が平日開催となっているため。その他のところでは土・日に開催するものも多い。
大部分がダートでのレースであるため、中央競馬との交流も日本のダートの競走体系を確立するうえで無くてはならないものになっている。
ナイター競馬・冠協賛レースなど中央競馬とは異なる楽しみもある。しかし平成になってからは経営が厳しく、2001年に中津競馬場が廃止されたのを契機に、北関東競馬場や荒尾競馬場など廃止に追い込まれる所が多く現れた。 それでも地方競馬の馬券売り場で中央競馬の馬券も購入できるようになったことやインターネットでの馬券販売が普及したこともあって、一時の経営難からは脱却し経営も安定してきている。
海外競馬との関係
日本競馬は年々強化されているが、海外遠征するにはノウハウや費用などにおいてハードルは高い。
馬場の違いも大きく、海外の大レースで活躍する名馬が日本で出走しても凡走する事もあり、逆に日本の有力馬が海外に遠征し力を出し切れないまま終わる事は珍しい事では無い。
日本の国際競走は当初はジャパンカップのみであり、高額だった賞金を目当てに多くの遠征馬が日本に来ていたが、近年は日本馬のレベルアップにより遠征馬が勝てなくなった事などによって賞金を増額したものの、長距離遠征のリスクに見合わなくなり、敬遠傾向にある。
しかしながら、ジャパンカップの衰退に反比例するかのように国際レースが増えて行った事で、特に立地的に近い香港と日本の間で大レースに遠征する馬が互いに増え香港競馬とは身近な存在になりつつある。
なお日本が競馬パート1国に昇格するのに前後して、JRAでは全ての平地競走の重賞競走を外国馬に開放している。2018年夏季以降は九州産馬限定競走であるひまわり賞以外のオープン特別競走が開放されている。地方競馬では2011年に東京大賞典が、2018年に全日本2歳優駿が外国馬に開放されている。
関係者
苛烈な体重調整・高度な馬術の習得をはじめとして、競馬の騎手は非常に狭き門である。
特にその減量の凄まじさたるや、一般的に、馬具を含めた馬に騎乗するものの総重量が約55kg以下になるまで絞らなくてはならないという、ボクサーや陸上選手のそれに比肩するレベルである。
検索
数多くの競馬動画が投稿されているので見たい動画がなかなか見付からないという事もある。
その場合、検索窓に『馬名 レース名』や『レース名 年度』で検索すると見つけやすい。
(例:ナリタブライアン 1994年)
●競馬ゲームの動画を排除する方法
マイナス検索を使うと競馬ゲーム関係の動画を含めずに絞り込むことができる。
検索窓に『競馬 -ゲーム -ダビスタ -実況』等で競馬ゲームを排除していくと良い。
(例:競馬 -ダビスタ -実況 -ゲーム)
主な競走
「競馬の競走の一覧」の記事を参照。
競馬場
「競馬場」の記事を参照。
馬券(勝馬投票券)
「馬券」の記事を参照。
馬の種類
サラブレッド
日本では最も多く生産される馬の種類である。時代の変遷と共にスピードやパワーなどを求められ品種改良を繰り返されてきた。その代償なのか“ガラスの脚”と呼ばれるほど体質や脚が弱いする馬も多い。
自然界ではあり得ないような(血の偏りによる弊害が出るか出ないかスレスレの)近親配合を繰り返すことも多く、どんな名馬でも産駒が最高の成績を修めるかどうかは未知数。成績の良し悪しによる淘汰が激しく、中央競馬の中でも最高クラスと言われる「オープン馬」(平地競走の場合重賞以外の競走4勝以上または重賞2着以内で獲得した賞金額がこれに準ずる馬のこと)」になれる馬は全体の5~6%程度でしかない。競走馬の格付けを大相撲の番付で例えるケースがしばしば見られるが、オープン馬の頭数の比率は大相撲で言うところの幕内力士(前頭以上)の人数の比率と近い数字であり、要はそれぐらいのクラスまで出世した馬たちと認識すればだいたい合っているだろうと思われる。さらに格上の重賞ウイナーは2%未満、GIタイトルを獲得できる馬はほんの一握りと、非常に狭き門となる。
高い競走能力と勝負根性を求めた配合が繰り返し行われているが、これらの性質は気性難と表裏一体であるため、いわゆる「暴れ馬」も多く生産される傾向にある。例えば、
と言った目印が定義されていることからも察していただけるだろう。(参考サイト)
アラブ系
日本ではサラブレッドとアラブの混血種であるアングロアラブのことを指す。詳しくは記事を参照。現在ではほとんど生産されていない。95年12月9日のアラブ大賞典[映像]を最後に中央競馬でのアラブ系の競走は廃止になった。
その後、地方競馬でもレース数が減ったり廃止に。2013年3月にアラブ系の競走馬はゼロとなり、競走馬としての役目を終えた。但し規定さえクリアすれば競走自体には参加できるので、いつしかレースにでその姿が見られるかもしれない。
なお、海外ではサラブレッドとの混血ではない純血アラブによる競馬が行われている。特に欧州・中近東でG1が開催されており規模が大きい。
サラブレッド系
サラブレッド系種は広義の意味ではサラブレッドも含まれるが、主だった意味では日本の競馬の黎明期などで、血統書の紛失で血統の証明ができないサラブレッドと思われる馬や、サラブレッド以外の馬と交配された馬を指す。
ただし上記のアラブ系の項目のアングロアラブの血量に満たない馬。
現在はほぼ廃れた系種なのだが、アラブ系の繁殖牝馬の行き場のためにサラブレッドの種牡馬と交配され一時的に増加した。
ばん馬
体重1,000kg前後の農耕馬のことである。ソリを曳かせて着順を競わせる「ばんえい競馬」が北海道に存在する。
クォーターホース
世界的に最も多い種類らしいが日本では競走馬として使用されたことはない。アメリカ開拓期にヨーロッパからつれてきたアンダルシアンを元にサラブレッドやアラブ、マスタング等を掛け合わせた種類である。
サラブレッドの最高速度が75km/hほどなのに対しクォーターホースは90km/hをも超える速度で走ることができ、クォーターマイル(1/4マイル、約400m)までの距離ならサラブレッド以上の時計を出すことができると言われている。ただし、現在400m世界最速タイムレコードを持っているのはサラブレッドである。
脚質
短距離戦とされる800~1000mの距離であっても競走馬にとってみれば有酸素エネルギー比率が50%を超えるスタミナ優位の距離[1]であり、たとえ短距離戦であっても競馬においては「どこで体力を温存し、どこでスパートをかけるか」といったペース配分(戦法)が重要になってくる。
このペース配分には馬の性格や体力等によって馬ごとに得意・不得意があり、ある競走馬が得意とする戦法のことを、その馬の脚質と呼んでいる。ただしレースの実際においては戦法は関係者が出走馬やレース展開などから判断して選択するものなので、ある脚質の馬が出走した全レースで同じ戦法を使うということではない。
代表的な戦法については下記のようなものがある。なかにはほぼ全ての戦法を上手にこなせる器用な馬もおり、そのような競走馬の脚質は「自在」などとも呼ばれたりする。
【脚質「自在」の該当馬】マヤノトップガン、ハーツクライ、イクイノックス など
大逃げ
スタートから全力で差を広げて逃げ切りを狙う。大差をつけるため非常に目立つので、カメラに映りやすい。その為、大レースで勝ち目のない持ち馬に大逃げをさせ目立たせようとする(通称:テレビ馬)行為がある。
4コーナーですでにバテバテのケースも多く、逆噴射装置と呼ばれる。
たまに装置が作動しないことがあり、人気薄の馬でも一発が起きて馬券的に非常に荒れる原因となる。
一方で実力を開花させた大逃げ馬が得意条件にピッタリはまったときには、手が付けられないほどの強敵となることもあり得る。
大昔には「ため逃げ」とも呼ばれていたが現在では「ため逃げ」は大逃げとは逆の意味の言葉になっている。
【該当馬】サイレンススズカ、ツインターボ、テイエムプリキュア、プリテイキャスト、パンサラッサ など
逃げ
馬群の先頭を走り、逃げ切りを狙う。リードは大逃げより小さく、1~2馬身。前に他馬がいるとやる気を無くす、(他馬が蹴りあげた)砂を嫌がる、などが馬にある場合にも適する。
だ円形のコースの内側(いわゆる経済コース)を通ることができ、スタミナのロスを防げる。
逃げ馬が出走、また複数出走しているか否かでペースが大きく異なる。
【該当馬】ダイワスカーレット、ミホノブルボン、ジャックドール など
先行
馬群の中ほどからやや前あたりの位置でレースを進め、直線で先頭を狙う。
前を走っている馬が数頭なので、差しや追い込みほど状況に左右されなく安定性に優れる。
【該当馬】ウオッカ、タイキシャトル、タップダンスシチー など
差し
馬群の中ほどからやや後ろの位置でレースを進め、4コーナー~直線でスパートをかける。
追い込みほど大外を回らされるリスクが少なく、スピード・瞬発力に長けている馬に適している。先行と差しをレースによって使い分ける馬もいる。
【該当馬】スペシャルウィーク、ナリタブライアン、オルフェーヴル など
追い込み
最後方で力を温存し、直線に全てをかける。他馬が邪魔で大外を回らされたり、力を余して惨敗する危険性もある。
見どころの直線で最高速の追い上げを見せるので、決まると一番かっこいい脚質。
記事「追い込み」も参照してください。
また、追い込みの亜種として、3~4コーナーのカーブからロングスパートをかけ、直線で先団に追いつき、ゴール前で追い抜く「まくり」という脚質もある。(【該当馬】ゴールドシップ など)
その他
競馬ではないが、馬以外の動物による競馬のような競技も世界には存在する。中東及びオーストラリアにおけるラクダレース(競駝)、東南アジアに見られる競牛、アメリカで開催されているダチョウレース、バーレーンやパキスタンのロバレースのほか、北欧ではトナカイがソリやスキー板を履いた人間を引くトナカイレースなどが行われている。
関連項目
競走馬については該当記事を参照 → 競走馬の一覧
騎手については右の記事も参照 → 騎手の一覧
調教師については右の記事も参照 → 調教師
馬主については右の記事も参照 → 馬主
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外部リンク
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脚注
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