公営競技における投票券(Betting ticket)とは、勝者を予想し、お金を賭けたことを証明する券である。
概要
正式名称を「勝◯投票券」といい、略して「◯券」という。◯の部分は競技により異なる。
| 競技 | 正式名称 | 通称 |
|---|---|---|
| 競馬 | 勝馬投票券 | 馬券 |
| 競輪 | 勝者投票券 | 車券 |
| ボートレース | 勝舟投票券 | 舟券 |
| オートレース | 勝車投票券 | 車券 |
公営競技は、勝つ、ないし◯着(以内)に入ると予想した選手にお金を賭けて投票し、的中した場合オッズに応じた配当金を得る。このとき発行される紙の券が投票券である。
的中した場合、該当する投票券を払戻所に持って行くことで、現金と交換してもらえる。
公営競技および投票券の仕組みは基本的に競馬をモデルにして決められている。したがって、歴史および基本的な仕組みについては「馬券」の記事を参照されたい。競馬と他の競技では名称や投票の仕組みが異なることがあるが、細かな違いについては各公営競技の解説サイトや、(ある場合は)ニコニコ大百科の個別記事を参照されたい。
本記事では、公営競技全体に共通することを記述する。
また、競技ごとに投票対象の呼び方が違うが、ここでは「選手」に統一する。競馬の場合は「選手」と言わないのだが、統一のしようがないのでこう呼ぶことにする。
種類
主な投票券の種類について解説する。
競技によっては(競馬の場合主催者によっては)、発売されてない方式があったり、この中に含まれない方式が発売されている場合もある。また、競技によっては名称が異なる場合がある。
単勝
→単勝
1着のみを当てる方式。
複勝
→複勝
2-3着以内に入る選手を当てる方式。2着払いになるか3着払いになるかは出場する選手数で決まり、基本的には7選手以下の場合に2着払いとなる。
(個別番号)連勝単式
通称「n連単」。上位n着までの選手を着順通りに当てる方式。
2024年現在、多くの競技で2連単と3連単が発売されている。
(個別番号)連勝複式
通称「n連複」。上位n着までの選手を当てる方式だが、順番は違っていても構わない。
2024年現在、多くの競技で2連複と3連複が発売されている。
なお、「2連複」は競技によって名称が異なるので注意。
中央競馬では「馬連」、地方競馬では「普通馬複」、競輪では「2車複」…など。
拡大連勝複式
→拡連複
通称「拡n複」または「ワイド」。上位n着までに入るm名の選手(m<n)を当てる方式。
2024年現在、多くの競技で拡大2連勝複式が採用されている。これは3着以内に入る2名の選手を当てる方式である。「ワイド」は日本中央競馬会および特別区競馬組合の登録商標であり、他の主催者は許可を得て「ワイド」と称するか、「拡連複」を使うかしている。
枠番号連勝単式
→枠単
競馬と競輪は、複数の選手を「枠」にまとめており、この枠番号で賭ける単式の投票券。
例えば競馬の場合、2024年川崎記念では8枠10番ライトウォーリアが1着、7枠8番グランブリッジが2着だったので、馬単なら10-8、枠単なら8-7が的中ということになる。
馬番/車番ではなく枠番で賭けるということ以外は、n連単と同じ。
2024年現在、一部の地方競馬と競輪で枠2連単が発売されている。
枠番号連勝複式
→枠連
重勝式
→WIN5
n重勝単式とは、特定のn個のレースの勝者をすべて当てる方式。例えば中央競馬なら、その日に行われる最後から5つのレースの勝者を当てる「WIN5」が採用されている。
南関東競馬の「トリプル馬単」のように、連勝式で複数回当てる方式もある。
買い方
連勝式の馬券の場合、例えば「1着には4,5,6番の誰かが、2着には7,8番の誰かが来そう」などと予想して、該当する投票券をまとめ買いすることが考えられる。
多くの販売機には、それを見込んで複数の投票券をまとめ買いする機能が存在する。紙の投票券を購入する場合は、専用のマークシートに記入して販売機に入れればOK。
まとめ買いした場合、選んだ組み合わせのうち考え得るパターンすべての投票券を購入したことになる。例えば、組み合わせ数10で各100円購入した場合、支払う金額は1000円である。また、返還がある場合、返還対象の選手を含むすべてのパターンが返還される。
枠番連勝式の投票券はゾロ目の可能性があるため、ゾロ目も含めて購入するのかどうか、販売所やマークシートの注意書きを熟読することをおすすめする。ゾロ目を含まない場合、欲しい場合はそれだけ別に購入することになる。
このようなまとめ買いは、多ければ多いほどパターン数が爆発的に増えていく。一方(ワイドを除き)的中票は1票だけのため、なるべく少ない頭数になるように絞って投票することが望ましい。これを「買い目を絞る」という。
買い目の数を計算するには高校数学で習う順列・組み合わせの知識が必要。詳しくは組み合わせ論の記事を参照せよ。計算できなくとも、マークシートに組み合わせ数が書いてあるし、最近は買い目の数を計算してくれるアプリもあるのでそれに頼るのもよい。
フォーメーション
n連単/n連複/拡連複の投票券を、n番目ごとにまとめ買いする方式。
例えば、3連単フォーメーションの場合、投票券には以下のように書かれる。
|
1 |
2 |
▶ |
3 |
4 |
▶ |
6 |
11 |
| 5 | 7 | 12 | 15 | ||||
| 18 |
1着に1,2番のどれか、2着に3,4,5,7番のどれか、3着に6,11,12,15,18番のどれかが来ると予想した場合、フォーメーションでこのように買うことになる。
フォーメーションの買い目の数は、重複がなければ単純に掛け算となる。
上記の例の場合、2×4×5=40通りである。
重複がある場合、重複するパターンは除外する。同じ番号が連続する場合以外に、n連複の場合は順番違いも除外することに注意せよ。
ボックス
n連単/n連複/拡連複の投票券を、m選手のうちすべてのパターンを選んで投票する方式。
例えば、3連単を5点ボックス買いした場合、買い目の数は5P3となるので5×4×3=60通りとなる。もし3連複なら5C3=(5×4×3)/(3×2×1)=10通りである。
ながし
1選手を固定して、残りを複数種類買う方式。この時、固定した選手を「軸」、その相手を「ヒモ」という。3連複/3連単の場合、1選手のみを固定する「軸1点ながし」と2選手を固定する「軸2点ながし」がある(「点」の部分は競技によって違う。例えば競馬では「軸n頭ながし」)。
2連単/2連複/拡連複の場合、買い目の数はヒモの数に等しい。
3連単/3連複の軸2点ながしの場合も同様に、買い目の数はヒモの数に等しくなる。
3連単/3連複の軸1点ながしの場合、ヒモの数がnならば買い目の数はnC2となる。
ウラ/マルチ
n連単専用の機能。
「ウラ」は、通常投票かフォーメーションのマークシートで、2連単を買うときに順番違いもまとめて買う方法。「ウラ」と書いてあるところをマークすれば、順番が反対の方もまとめて買える。
3連単には使えないので、やりたいならボックスで買う必要がある。
「マルチ」は、ながしで順番違いもまとめて買う方法。こちらは3連単の場合にも使えるが、「ながし」専用で、他のマークシートでは使えない。
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関連項目
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