日立・フローラとは、日立製作所が製造、販売する業務用パソコンおよびパーソナルクラウド製品のブランドである。
概要
インテル製CPU(x86)、MS-DOSを搭載した独自規格の業務向けパソコン、B16/B32シリーズに代わり、1991年から販売を開始した。
当初はAX規格に準拠したパソコンを販売していたが、IBMやマイクロソフトがDOS/Vを発売すると、DOS/V対応のIBM-PC/AT互換機に転換(AX準拠のハードを取り外した状態)、そのままWindowsパソコンとなった。
一般的なメーカーでは無償修理の対象となるメーカー保証が1年のみとなっているが、日立では3年保証を行っていた(その後、モデルによって1年保証、3年保証と分けられていた)。
また、パソコンの直販(日立ダイレクト)も1995年頃から行われていた。
しかし、パソコンの低価格化や市場規模の縮小などにより、一般的なクライアントPCは家庭向けの日立・プリウスとともに撤退。
現在はHDDを搭載せず、ネット上のサーバーやクライアントブレードと接続して利用する「セキュリティPC」と、接続先となるクライアントブレードシステムを販売、クラウドコンピューティング環境を構築するハードウェアを提供している。
なお、一般的なクライアントPCについては、HP製のパソコンを供給している。
歴史
- 1991年:AXパソコンとして販売開始(3010/3020)。
- 1992年:FLORAサーバーの販売開始。
- 1993年:DOS/V対応のため、一般的なIBM-PC/AT互換機に転換。一部はエイサーのOEMに(10x0)。
- 1994年:家庭向けの500シリーズを発売。
- 1995年:家庭向けとしてFLORA PXブランドを創設。業務向けの型番が4桁表記からアルファベット2文字表記に改められる。
- 1996年:FLORA PXからFLORA Priusに名称変更。
- 1997年:液晶モニター一体型の310、液晶モニター付属の省スペースデスクトップの330が発売。本格的に液晶モニター搭載パソコンの販売開始。また、スーパーTFTとしてIPS方式の液晶モニターも販売開始。
ThinkPadとして開発されたものの、採用されなかった「チャンドラ」を、FLORA 210として販売。 - 1998年: BeOS搭載のFLORA Prius 330J発売。
FLORAブランドで販売していたFLORAサーバーが「HA8000」として独立。 - 1999年:モニター一体型筐体を一新。カラーバリエーションのあるモニター外枠を搭載。
CD-ROMドライブ内蔵のB5ノート、220CX発売。 - 2000年:トランスメタ社製「Crusoe」を搭載したタブレットPC「FLORA-ie」を発売。
- 2001年:家庭向けパソコンから「FLORA」のブランド名が消え、「Prius」として独立。
- 2002年:水冷CPUクーラーを搭載したノートパソコン「FLORA 270W サイレントモデル」発売。
- 2005年:本体にHDDを搭載せず、ネット上のサーバーなどからシステム、データを受け取る「サイレントPC」を発売。
- 2006年:クライアントブレードシステムを発売。
- 2007年:一般パソコン(デスクトップ、ノート)の生産を終了。以後はHP製PCを提供する形に。
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関連項目
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