木簡(もっかん)とは文字の書かれた木片である。削り屑の剥片から扉に書かれた文字まで、その意味では木簡になる。
木簡の概要
古来中国では紙がとても貴重であり、今日のように日常的に手もと近くには無かった。そこで代用品として竹、木、布などに文字を記し、通信、記録、覚書などに用いた。紙に書いて提出るのだが、練習として木簡、竹簡を使うという場合もある。また紙に写さず、その木札、竹札を点綴して「冊書」という書籍にすることもある。「冊」という字はもともとこの木簡、竹簡を束ねた状態を象形文字にしたもの。
日本でも、ほぼ同じような理由で木簡を用いた。もっとも「簡」という文字は「竹製の札」の意味し、用字としては木製品なら「牘(とく)」が正しい。それゆえ木簡という造語は「木製の竹札」の意となり、厳密にはおかしい。現代の中国でもいわれているように、両者あわせて簡牘とするのも一案である。ただ日本にはその風土・季候の関係で竹製の「簡」の発見例がない。木製の札を中国の「簡」のように用いていたので、木簡という新しい語を造ったのである。
木簡は「木製の札に字を記したもの」であるから、とくに古代に限った遺物ではない。鎌倉時代、戦国時代、江戸時代のものも出土している。また魚河岸で使っている魚の値段表は、板の薄片に書かれているが、これも現代木簡といえよう。
出土した古代木簡第一号は昭和3年(1928年)の三重県柚井遺跡からのもの。
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関連リンク
- 木簡画像データベース [木簡字典] (http://jiten.nabunken.go.jp/)
- |木簡総合コミュニティサイト|木簡ひろば| (http://hiroba.nabunken.go.jp/index.html)
- 木簡データベース (http://www.nabunken.go.jp/Open/mokkan/mokkan1.html)
- 岩波書店 日本古代木簡選(http://www.iwanami.co.jp/moreinfo/0016800/)
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