竹(タケ)とは、イネ科タケ亜科のうち多年生のものの総称である。小さいものは笹(ササ)という。
概要
真っ直ぐ伸びる茎を持ち、茎は中空で節がある。地下茎は横に這うように伸びる。花は滅多に咲かない。アジアやオセアニアに生育する。
竹は、また以下のことを表す。
生態
古来から日本各地に生育しており、古書や古い文献にたびたび登場する有名な植物。景勝地や観光地にも林立しており、その姿は古風な和を想起させる。竹が一般的になったのは16世紀頃と言われる。和の雰囲気を持つ竹だが、殆どの種類は中国からやってきた帰化植物で外来植物に属する。なので大昔の日本には竹が無かった。現在、国内には約600種類が存在する。世界に目を向けると約1200種がいる。
イネ科に属するという事で、生物学的には草と一緒である。竹林に生える竹は全て地下茎で繋がっており、言うなれば全員同じクローン(あるいは兄弟)。同じ茎から栄養を得ているので寿命も一緒。およそ60年から120年の周期で寿命がやってきて、今際に花を咲かせて一斉に枯れる。
笹は常緑のように見えるが、実は1年に1回葉を更新する。春に紅葉し、古い笹を振り落とす。期間が非常に短いため知らない人が多い。
地下茎は頑丈で、まず人力では取り除く事は不可能。これが良くも悪くも人間の生活に影響を与えている。竹は繁殖力と生長が非常に高く、1本の竹があっという間に竹林へと変貌する。竹の子は1日に1m以上(ピーク時)も伸び、軒下はおろかコンクリートですら裂いて天へと伸びていく。このため管理がされていない竹林は暴走状態同然となり、植生を破壊して勢力を拡大し続ける。地下茎は1年に5m伸びると言われ、これがいわゆる竹害である。対策として伐採するか、薬剤を注入するものがある。
晩秋から初冬にかけては休止期間となり、生長が一時的にストップする。竹材を切り出す場合は、この時期に伐採が行われる。
一方、竹林には地震の揺れを抑える効果があり、地震大国日本を陰から支えている。ただし地すべりと洪水に弱いとされ、防災効果は期待できない。根っこが深くまで伸びないので、地すべりで根こそぎ持っていかれる事も。また竹の子は食材として利用可能。4~5月が旬の食べ物で、需要がある。
竹の中身は空洞になっており、切り出しが容易である。植物油を塗布すれば強度が保たれるので、昔から竹を加工した竹細工が作られてきた。有名なものは「ししおどし」だろう。また中身が空洞である事から、仏教では悟り木と言われている。
漢字として
- 意味
- タケ、竹製の楽器、笛、竹製の札(竹簡)を表す。〔説文解字・巻五〕には「冬生の艸なり」とある。
- また𦺇と通じて緑竹を意味する。
- 字形
- 字は竹の葉の象形で、〔説文〕に「象形。下に垂るる者は、箁箬(ホウジャク)なり」とある。
- 音訓
- 音読みはチク(漢音、呉音)、シツ(唐音)、訓読みは、たけ。
- 規格・区分
- 常用漢字であり、小学校1年で習う教育漢字である。JIS X 0213第一水準。1946年に当用漢字に採用され、1981年に常用漢字になった。
- 部首
- 竹は、部首竹部を作る。竹に関する字が属する。冠に置かれ、たけかんむりと呼ばれる。
- 声符
- 竹を声符とする漢字に、竺、䈞、𥷚がある。
- 語彙
- 竹院・竹園・竹管・竹簡・竹頭木屑・竹馬・竹帛・竹箆・竹林
互換文字
利用法
縄文時代の遺跡から竹細工が出土しており、人との付き合いは長い。
日本など東アジアにおいて人里近くに生えており成長の早い竹はさまざまな用途に利用されてきた。たけのこは食用に、成長した竹はその丈夫さを利用して材木として建築に利用されたりあるいは竹やりなどの武器として利用された。その他にも加工・細工が容易なため工芸品の材料として使われる。
燻煙熱処理を施した竹は雨風にさらされても60年持つと言われ、寿命の面で工業製品を凌駕する。竹釘にして仏閣の屋根板に使用したり、鉄筋の代わりに竹を使ったコンクリートが登場したりしている。
竹材に使用されるのは3年以上生きた竹に限定される。若竹だと強度が足りない模様。
大東亜戦争末期、本土決戦に備えて軍民が一体となって竹槍を増産。和製パンツァーファウストも造られるなど、武器としてかなり有用だった模様。孟宗竹を積載し、乗艦が撃沈された場合はそれを浮き輪にするという使い方もされていた。救命具が足りない時は、竹で救命具を急造した事も。
茎の中が中空であることを利用した使い方も多く、節ごとに切って水筒として利用したり、尺八などの楽器に加工されることもある。
伝承
日本では松・梅と並んで縁起のよい植物とされ、この三種をセットとしてさまざまな場面で使われている。
また、日本最古の物語文学である竹取物語で主題とされているように古くから日本人のそばにあったことがわかる。
竹を使った慣用句
- 雨後の筍 - 似たようなものが次々乱立していく様。雨の後の竹林で筍が大量に生えてくることから。
- 竹になろうよ - つよくてしなやかな人間になりたいあなたに松岡修造が送る言葉
- 竹を割ったような性格 - さっぱりしていて物事にいつまでもとらわれないような性格。竹が綺麗に割れることから。
- 破竹の勢い - ものすごい勢いで進むこと。竹を割る際に一度で割れることから。元は三国時代末期の武将杜預の言葉。
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関連項目
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読み:タケ
初版作成日: 10/12/25 22:49 ◆ 最終更新日: 19/01/13 23:07
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