牧野文人(まきのふみと)とは、森川ジョージのボクシング漫画『はじめの一歩』の登場人物である。
時を操る程度の能力を持つ超人・板垣学に土をつけた数少ないボクサーの一人。
概要・あらすじ
「佐山」に所属するフェザー級4回戦のボクサーで初登場時(単行本41巻)の戦績は2戦2敗。
トレーナーからボクシングの才能の無さを指摘され、「次勝てなかったらあきらめなよ」と引退勧告をされて臨んだ崖っぷちの試合で、未完の大器・板垣学から2度のダウンを奪い勝利をもぎとる。板垣にプロの洗礼を浴びせ男を上げた。
しかしそのダウンは偶発的に起こった頭突きとエルボーによってもたらされたものであり、これに味をしめた牧野は以後、故意のラフプレーで勝利を積み重ねる。ヒットマンスタイルを身に付け、牧野式フリッカー(通称・肘から来るフリッカー)を武器に東日本新人王大会の準決勝にまで登りつめ、再び板垣と対戦することに。リベンジを狙う板垣のかませ犬としての再起用だったが、二度目の登場時(単行本61巻)では牧野丈人(ルビも’たけと’と打たれていた)と作者に豪快に名前を間違われており、本作における存在感の薄さを露呈した。
この頃になると牧野は病的なほどの劣等感に支配された一匹狼に変貌しており、何かにつけて周囲の人間を「エリート」と持ち上げ、自身を「雑草」として自虐的に振舞い、板垣はもちろん一歩に対しても敵意を剥き出しにしていた。
板垣との再戦時には登場するや否や、「出たぁっ 反則野郎!!」「今日も頭突きで勝つのかあ!?」という野次が飛び交うヒールに成り果てていたが、牧野の心がここまで荒んでしまった理由とは何か。そして、そこまでして戦い続けなければいけない理由とは――――
本作においてはさまざまな思想を持つボクサーが登場しているが、いずれのボクサー像も否定的に描かれることは決して無く、「反則を使ってでも勝てば良いんだ」という思想を持つ牧野や間柴の存在はその好例である。
またどのようなキャラクターも使い捨てにせず、ドラマ性のある背景を与えており、本来はかませ犬に過ぎないはずの牧野にも戦う動機が克明に描かれている。
作者・森川ジョージが本作に込めた思想やテーマがよくわかるキャラクターの一人である。
関連項目
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