P-85(拳銃)とは米国スタームルガー社が開発、製造を行っていた自動拳銃である。
派生形がトゥルーライズで活躍していたりもする。
概要
スタームルガーといえばコルトSAAの改良型であるスタームルガー・ブラックホーク。LR22弾を使うことで非常に反動が小さく、拳銃射撃の入門ともいわれるスタームルガーMk1。そして特攻野郎Aチームで有名なミニ14ライフルなどで有名だが、実は自動拳銃でも結構な技術と実績を持っている。
このP85もロストワックス加工で安価、頑丈な筐体で構成されており、多重化された安全装置で暴発防止も十分。9ミリパラベラム弾なら15発装填可能と、必要十分な性能を満たしており、同社のベストセラーの一つである。
何より最大の長所はこれだけの性能、安全性、頑丈さを実現しながらも「一番気に入っているのは値段だ」とばかり、グロック17の半値で販売していたことである。これはグロックが高価なわけではなく、ロストワックス加工という一種の鋳造製法で部品点数を減少させたことが、お値段の安さに繋がっている。
安価、十分な性能、高い安全性からシークレットサービスや州警察など、アメリカの各種法執行機関に相当数が採用されており、嘗てはサタデーナイトスペシャルと呼ばれる粗悪品しか買えなかった層にも、自衛用として高性能な自動拳銃を提供した画期的な商品だった。
しかしそのことが一つの悲劇を産んでしまった。
1993年にニューヨーク地下鉄で本銃の改良型、P89を所持した犯罪者が乱射事件を起こし、死亡5名、重傷20名以上の大惨事に至ってしまったのだ。さほど裕福ではない危険人物にも、高性能な拳銃が購入可能になったが故と一時期は批判された。
だがこれはP85に限ったことではなく、グロック17など他の拳銃や果てはAK-47、AR-15でも同様の事件は発生している。安全装置を多重化し滅多に暴発が発生しない構造になっていても、それを使う人間がおかしくなってしまえば、意味を為さなくなっただけである。
2007年に製造は終了し、現在はP95やSRシリーズといった後継機種が同社で販売されている。これらも頑丈、必要十分な性能、高い安全性、そして安価な特徴は継承しており、P95は米軍にM9A1の半額で5000挺ほどが機甲部隊の自衛用に納入されている(一時期M9A1/M92ベレッタの数がイラクで不足したための補填)。
関連動画
関連商品
関連コミュニティ
p-85(拳銃)に関するニコニコミュニティを紹介してください。
関連項目
- 0
- 0pt