X-20 ダイナソア(Dyna-Soar)とは、アメリカで開発されていた宇宙機である。
概要
1950年代から1960年代にかけて、アメリカ空軍の発注によりボーイング社が開発を試みたロケット推進超音速有人機。ドイツ空軍が1930年代から第二次世界大戦中にかけて構想した多数の「アメリカ・ボンバー計画(Amerikabomber-Projekt)」の一つ、ロケット推進爆撃機「ジルバーフォーゲル(Silbervogel 「銀の鳥」の意)」(後述)の影響を受けて計画が立案されたという。
タイタンⅢの先端に取り付け、成層圏を脱出した後は切り離されたグライダーが大気圏上層で水切り飛行を行う計画だった。1962年にX-20のナンバーが付けられ、滑空テストが行われたが、打ち上げ実験には至らず、計画は中止された。[1]
ジルバーフォーゲル(ゼンガー・ストラトグライダー)
ワイマール時代に設立されたドイツ航空宇宙協会に参加していたオーストリアの科学者、オイゲン・ゼンガーが構想した。
長さ3kmに渡るレール(先端はカーブを描いて真上を向いている)にグライダーを載せ、ロケットエンジンで加速、グライダーはマッハ1.5の速度でレールを離脱して高度150kmまで上昇する。燃料を使い切ったグライダーは緩やかに下降した後、「水切り」の要領で大気圏上層でジャンプを繰り返してアメリカ本土上空に到達し、爆弾を投下する。その後もジャンプを続け、最終的に南太平洋の日本占領地に着陸する…というものだった。[2]
関連項目
脚注
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