チョウゲンボウとは、ハヤブサ目ハヤブサ科の猛禽類である。馬糞鷹(まぐそだか)という別名(蔑称)もある。
おおよそハトほどの大きさしかない小型の猛禽類。ユーラシア大陸、アフリカ大陸などに生息し、日本でもその姿を見ることの出来る野鳥である。主に岩壁や河原などで見受けられ、人里で暮らして人間社会を利用する個体もいる。
チョウゲンボウという名の由来は判然としないが、一説として、こんな逸話がある。
昔、長元坊という不思議な坊主が、凶作に苦しむ村に現れ、村を見下ろせる崖の上に座り、飯も食わず数日間ずっと眺めていた。日に日に痩せていく長元坊だったが、ある時、村人の何人かが長元坊に村を救ってもらおうと供え物を持って行こうとして河原で亡くなった。
村人はその事件の悲しみに暮れながら、長元坊にそのことを話した。それを聞いた長元坊の体は大きく揺れ、やがてその体は崖底へと落ちてしまった。
翌年、村は豊作に恵まれ、村には飢饉から自分達を救ってくれた村人達と、長元坊の墓が建てられた。その後、作物の出来を確認するように停空しながら畑を見下ろすタカが見られるようになった。
村人はいつしかそのタカのことがチョウゲンボウと呼ぶようになった、というもの。
その大きさに見合って獲物は小さく、ネズミなどの小動物、昆虫、コウモリやカエル、果てはトカゲなども襲って食べる。
大昔に鷹匠などがこのチョウゲンボウを鷹狩に使うため飼育したものの、上記のようにろくな獲物を獲ってこなかったため、馬の糞のように役に立たない鷹という意味で馬糞鷹という不名誉な蔑称で呼ばれてしまっていた。上記の逸話とは正反対に酷い話である。
チョウゲンボウはハヤブサの仲間であるが、ハヤブサのように素早く飛行することは得意ではない。その代わり空中で制止して獲物をじっくり探すため、ホバリングという独自の能力を身につけている。鋭い視力で獲物を見定めて獲物を狩る。その目は紫外線を見ることが可能で、獲物の尿などを判別してその生息地を割り出すことが出来る。
ハチドリの仲間もホバリングを行うが、ハチドリが凄まじい数の羽ばたきで停空するのに対し、チョウゲンボウは高空に舞い上がって、風を羽で受け止めることで空に浮かんでいる。その姿は羽ばたきというよりグライダーに近く、風の強さ次第で羽を動かし方を変えて浮いている。
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最終更新:2024/04/20(土) 09:00
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