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ハンチントン病(Huntington disease)とは、大脳基底核の変性疾患のひとつである。
ハンチントン病は中年期以降に発症し、舞踏病様不随意運動と精神症状を特徴とする常染色体優位遺伝性疾患である。浸透率は100%であり、患者の子供の半数が発症する。日本での発病率は欧米の1/10以下である。
患者に特有のハンチンチンが、切断されたDNAを修復する酵素と結びつき、働けなくしていることが原因のようである。東京医科歯科大学の岡沢均教授らによって発見された(2010年5月7日の読売ONLINE)
ハンチントンはCAGの3塩基の繰り返し配列(CAGリピート)を含んでおり、ハンチントン病患者ではこの配列の繰り返し数が異常に長くなっている(CAGリピート病)。この繰り返し数が長くなると発症年齢が若年になり、臨床症状も重篤になる。
ハンチントン病では、従前より世代を経る毎に発症年齢が低くなることが知られており、発症促進現象(anticipation)と呼ばれていたが、CAGの繰り返し数は減数分裂時に増加し、とくに父親由来の場合に増加しやすいことがわかり、この発現促進現象の原因であるとされている。
不随意運動は舌や指、手などに出現し、徐々に全身に及び、ついには寝たきりになる。
感情障害(不穏、抑うつ、抑制の低下)など情意の変化も伴い、人格変化(易刺激性、脱抑制、自発性低下、無気力、無関心)、幻覚・妄想状態(被害妄想、誇大妄想、嫉妬妄想、罪業妄想)などを呈することもある。
知能の低下も徐々に進み、ついには重篤な荒廃状態に陥る。経過は10~20年である。精神症状が先行し、非行や犯罪などの反社会的行動として現れることもある。
広く認知された診断基準はない。
不随意運動や精神症状の他、家族歴、脳のCTやMRIによる尾状核委縮の確認が重要である。遺伝子診断も可能であるが、倫理上の問題が存在する。
若年発症のものでは、舞踏運動が目立たず固縮・無動を示しパーキンソン病との鑑別を要する。
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最終更新:2024/12/23(月) 05:00
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