ビースピ(BeeSpi)とは、スピード測定器の一種であり、以下のものを指す。
元々はタカラ社より販売されていた玩具・ビーダマンの関連商品の一つで、ビーダマンから発射されたビー玉の速度を計測できる測定器である。1996年に販売され、当時の定価は1800円。
凹の字を上下逆にしたような四角い筒状の形をしており、上面にスイッチと速度を表示する液晶、左右の壁の内側に赤外線センサーが備わっている。
赤外線センサーは発光部と受光部が2組、位置をずらして配置されており、何らかの物体が発光部から放たれた赤外線を遮ると受光部が遮られたことに反応する。動く物体がビースピ内部を通れば、2つのセンサーが時間差で反応することになり、その時間差を利用して速度を割り出すという仕組みである。
自分が愛用しているビーダマンの射出速度・威力を計測できるとあって当時の子供達は大いに盛り上がり、競い合っていた。
更にビースピの中を通る大きさであればビー玉に限らず何でも計測可能であり、パーツを付け加えたり設置場所を工夫するなどすればチョロQやミニ四駆の速度計測も可能。それらに熱中していた当時の子供達の憧れの商品だった。
元々ビーダマンは、ハドソンの代表的キャラクターであるボンバーマンからの派生商品であり、その縁もあってハドソンがビースピを販売していたが、『爆球連発!!スーパービーダマン』の連載を皮切りにビーダマンはボンバーマンから離れた独自路線を歩むようになり、それに伴ってハドソンは2000年を前にビースピの販売を終了した。在庫は残っていたためおもちゃ屋では引き続き販売されてはいたものの、惜しむ声が多かったのは想像に難くない。
更に時が進むとビーダマン自体が安全性の問題から規制が入って威力が抑えられるようになり、やがてビーダマンの商品展開そのものが終了してしまった。
今は思い出の品として押入れの中にしまっているという人もいることであろう。
そんなビースピであるが、先にも書いた通り中を通る大きさであれば何でも速度計測が可能、しかも値段も安めでその割にそこそこ高い精度で計測できることから、玩具としてだけでなく理科(物理学)の実験機器としても非常に有用な測定器として理科教師や研究者たちからも注目を集めていた。
一般的な速度計測器(例えば野球の球速を計測するスピードガン等)は1万円以上する上に、机の上で小型の物体の速度を計測するといった学校の授業でやるような小規模な実験には適していないため、ビースピの存在と性能を知った教師たちはある意味子供達以上に熱い視線を送っていた。
当時から子供達から没収借りる等していた教師もいたが、上記のようにハドソンは販売を終了してしまったため、それを知った教師たちが慌てて在庫の確保に走ったりもした。
そんな状況を見て、学校向けの教材を製造・販売する株式会社ナリカがハドソンと交渉して権利を買い取り、製造・販売を引き継ぐこととなり現在に至っている。
実際、モノタロウ等の業務用機材を取り扱う通販サイトで検索すればヒットする上、専用の固定台等のオプションパーツも製造・販売されている(ただし販売層が異なるからか、あるいは単純に物価高の影響か、価格がハドソン製の2倍以上になっている)。
そのほか、インターネット検索すればビースピを用いた実験をまとめたレポートや論文がヒットする。
引き継ぎにあたってビースピ本体からハドソンのロゴが消えた他、ハドソン製では時速km表示のみだったのが秒速m・分速m表示も可能になるといった改良がなされている。
だが、根本的な計測の仕組み自体はハドソン製と全く変わっておらず、平成中期の玩具が基本構造を変えることなく令和の世でも(立ち位置こそ変わったが)今なお愛されているのである。
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最終更新:2024/12/22(日) 01:00
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