レミングとは、集団で入水自殺をすると思われていたネズミの仲間である。
スカンジナビア半島をはじめとした北極に近いツンドラ地域に生息しているネズミ目キヌゲネズミ科ハタネズミ亜科に属する動物。和名はタビネズミ(旅鼠)。
定期的に大発生を繰り返し、集団で大移動を行う。大移動の目的は個体数が増えたため新天地を求めてのことと考えられているが不明な点も多い。その際、川や海を泳いで渡ることもあり、これが後述する集団自殺の伝説につながっている。
レミングを語るうえで欠かせないのが「レミングは集団で海に飛び込み、全滅する」という伝説。大量発生したレミングが次々に崖から海に身投げしてやがて全滅するというものである。なぜレミングたちが集団自殺をするかは分かっておらず、エサが少なくなって種として全滅しないように間引きするのだとも言われている。
昔からレミングが集団で海に飛び込むという伝説は存在したが、この伝説を決定的に広めたのは1958年のディズニー映画『白い荒野』であるといわれている。この自然ドキュメンタリー映画はカナダに生息するレミングたちが次々に崖から海に飛び込むシーンを撮影し、その年のアカデミー賞も受賞した。伝説だった集団自殺の映像が実際に撮影され、しかもアカデミー賞まで獲得したことでレミングの伝説は確固たるものになった。
しかし、後年にこの映画がやらせだったことが発覚した。映画で登場したレミングは現地で買い集めたものであり、次々に飛び込むレミングはスタッフの手により放り投げられていたことが判明した。ネズミの会社なのにネズミの仲間を殺すとは、ひどい話である。
実際には大移動の際にうっかり崖から落ちたり、海を渡りきれずにおぼれる個体がそれなりに確認されたという程度のようだ。
ディズニーの捏造は80年代には発覚していたが、1991年に誤った伝説に基づく名作ゲーム『レミングス』が発売された。
ゲームの詳細は該当記事に説明を譲るが、イギリスで開発されたこのゲームは日本でもPCや当時の複数のゲームハードに移植され、続編やリメイク作品も何作も出ており、集団自殺の伝説の再生産につながっている。ゲーム自体はパズルゲームとしてよくできているのでプレイの価値はあるが、実際のレミングは決して集団自殺の末に既定の数を生き延びらせるものでも、仲間が通る道を通すために自爆するものではないということは知っておいてほしい。
掲示板
急上昇ワード改
最終更新:2024/12/18(水) 14:00
最終更新:2024/12/18(水) 14:00
ウォッチリストに追加しました!
すでにウォッチリストに
入っています。
追加に失敗しました。
ほめた!
ほめるを取消しました。
ほめるに失敗しました。
ほめるの取消しに失敗しました。