悪役(あくやく)とは
- 悪の役。悪人の役。
- 人に憎まれる立場のこと。「-に徹する」
本稿では1について、特にテレビなどの悪役俳優について解説する。
概要
時代劇や刑事ドラマにおいて欠かすことの出来ない役であり、主役が主役たることが出来るのも彼らの存在なしには語れない。別称として時代劇においては「斬られ役」、刑事ドラマでは「犯人役」とも言われる。いわゆる大部屋出身の俳優が多く、彼らと主役を喩えるなら天に輝く一等星とその周りに広がる星のごとくである。脇役の俳優が悪役として登場する作品も多く、場面によっては同意義となることもある。
求められる演技は視聴者に憎々しさを与えることもさることながら、主役を立てることも重要である。そして最後には殺される、もしくは逮捕されるなどのラストが待ち受けている以上は視聴者にカタルシスを出来るだけ多く感じさせるように多少オーバーに演技する傾向がある。このように悪役俳優は時として主役以上に高い技術を要求される場合がある。それゆえ、時としてスター級の俳優であっても役作りのために悪役に教えを乞うことが多く、また本数辺りの登場が多いので、悪役俳優の交友範囲は非常に広い傾向にある。
こうした王道とも言える悪役の一方で、善人と見せかけて実は悪役でした、と言う具合に番組の内容によっては善役の要素も必要となったり、虫も殺さぬような性格の登場人物が無言のうちに犯行を重ねる悪役の登場など、従来からの悪役俳優の要素+αが求められることもある。そのため、普段は善役で出ている俳優が、悪役で出演したということもある。無論、その逆もある。この他、主に特撮で見られるが、どこか抜け作だったり、視聴者を笑いの渦に巻き込むような憎めないタイプの悪役もある。
悪役の俳優は往々にしてゴシップ関係は少ない傾向である。単純に知名度の問題があるかもしれないが、悪役をやっている以上は現実においては己を正していくことで示しを付けているとも言える。また、子持ちである場合、親が悪役であるがゆえに同級生にからかわれることもある。そのためか、例えば喫茶店などでも言われなければ気付かないほどに腰の低い悪役俳優が多い。また、印象に残る演技を発揮した場合は『怪演』と称えられ評価されることが多い。そして彼らには「怪優」の称号も与えられる。
悪役のキャリアステップ
基本的に悪役俳優はその生涯キャリアを通じて、常に悪役であることが多く、スタアばかりが注目される中でどうしても悪役俳優が顧みられることは少ないが、それでも潮健児、菅貫太郎、八名信夫など、視聴者に強烈な印象を与える俳優も存在する。近年においては福本清三のようにハリウッドにおいて注目される俳優もいる。また、バラエティなどに出演してドラマの中の憎々しい姿からは考えられない意外性を再発見され、人気になることがある。また、初代水戸黄門の東野英治郎のように、善役の方がメインになってしまう俳優もいる。
他にも声優という職業が専門化される以前、俳優の収入だけでは食えないという背景から、アニメの声優や海外ドラマの吹き替えをしている人が多かった(中田浩二、高木均など)。また、特撮においては善側のキャラとして主役を張る場合もある(黒部進、森次晃司など)。
そして、悪役俳優が寄り集まって、一つの集団を作り上げていくこともある。八名信夫が中心となった悪役商会や渡瀬恒彦などが発起人となったピラニア軍団など、一大ムーブメントを起こした例もある。
主な悪役俳優
便宜上、分類して掲載。赤字は故人。
は記事がある人物。
ウルトラシリーズ系
ウルトラシリーズに登場した俳優はその後のキャリアでは悪役として活躍する者も多く、主人公を演じた者にあっては「むしろウルトラシリーズで善役やった方が異色である」と言う演者もいる。
- 黒部進
- 『ウルトラマン』でハヤタ隊員を演じた彼も、実は悪役の数の方が多い。理知的な役柄から悪逆非道な奸智を巡らす役まで何でもこなした。
- 小林昭二
- 『ウルトラマン』のムラマツキャップも悪役経験多数。しかし、キャップや『仮面ライダー(仮面ノリダー)』のおやじさん(おやっさん)のイメージが強いので、悪役ばかりというわけではない。
- 森次晃嗣
- 今も語り継がれる『ウルトラセブン』で有名な彼も悪役が多かったが、ステレオタイプの悪人ではなく影のある悪役や、市井の人間が一つのきっかけが元で悪へ転落していく役など一口で語れない役が多かった。特技におネエ芸があるのは有名な話。
- 中山昭二
- 『ウルトラセブン』のウルトラ警備隊の隊長として日々防衛に当たる彼も、冷静沈着なボス的な悪役(悪代官)を演じること多数。「ノンマルトの使者」の時点で十分悪役だ、と言うツッコミはなしで。
- 団時朗
- かつては今で言うところのイケメンモデルであり、『帰ってきたウルトラマン』や資生堂化粧品の「MG5」で知られる彼も悪役が多いが、近年は年相応の貫録がついて、ますます演技の幅が広がってきた。
- 高峰圭二
- 『ウルトラマンA』の北斗星司を演じてきたが、時代劇を中心に悪役を演じる。必殺シリーズでは北斗星司を意識したマフラーをつけた悪役として登場。
- 西田健
- 団時朗と『帰ってきたウルトラマン』で共演した彼は『特捜最前線』のテレホンセックス魔に代表される変質的・狂気な役で評価が高い。最近、ヅラを外したようでこれにより出演依頼が増えたらしい。
- 長谷川初範
- 『ウルトラマン80』で主人公の矢的を演じた彼も理知的な悪役でドラマに出演している。
仮面ライダー系
仮面ライダー系の俳優は主人公が悪役で登場する機会はウルトラシリーズほど多くはない。大幹部クラスは悪役では常連さんである。
- 潮健児
- 大部屋出身でありながら、独特の風貌で幅広く有名である。特撮から時代劇に至るまで数多くの番組や映画で小悪党からボス役として活躍。時に主役以上にその存在感を輝かせることの出来る名悪役。
- 天本英世
- マッドサイエンティストをやらせたら当代一と言える怪優であり、特に『仮面ライダー』の死神博士に代表される不気味ながらも気品を感じさせる役は必見である。
- 宮口二郎
- 『仮面ライダー』のゾル大佐で知られているが、ダンディな顔立ちで役を選ばず、また身体能力の高さで敢えてスタントなしでアクションをすることが多かった。ある時、子供に蹴られた時に「役者冥利に尽きる。思い出を大切にしてほしい」とその人となりがうかがえる。
- 千波丈太郎
- 『仮面ライーダV3』でドクトルG役で登場。役作りやキャラ性強化にリキを入れた結果、大幹部の中でも屈指の人気を誇る。また、刑事ドラマに登場する時もそのドスの聞いた声で親分役などをこなす。
- 堀田真三
- 『スカイライダー』でゼネラルモンスターを演ずるが、素の顔も非常にいかつく、またドスの利いた声で刑事ドラマや時代劇でもおなじみである。
- 宮内洋
- 『仮面ライダーV3』の風見志郎で有名であるが、悪役を演じたこともある。『あぶない刑事』ではニヒルさを漂わせて犯行を行う役が知られている。
その他特撮系
- 中田博久
- 『キャプテンウルトラ』主演など60年代は二枚目で売るも、70年代以降は悪役に転向。時代劇の悪代官役が有名だが、特撮番組でも『仮面ライダーアマゾン』のゼロ大帝役や『超電子バイオマン』のメイスン役で知られる。
- 岸田森
- 自らを円谷育ちと公言するほどに円谷作品に多く登場したが、時代劇などでは口数は少ないが奸智を巡らしたり、陰気な感じの悪役が多かった。しかし、実際はおしゃべり好きと言われるほどに陽気な性格であり、大物俳優からの指名も多かった。
- 石橋雅史
- 『バトルフィーバーJ』の2代目ヘッダー司令官もしくは『科学戦隊ダイナマン』のカー将軍で知られる彼はガチの空手家でマス大山やサニー千葉とも縁が深く、出演した番組ではアクションを駆使した。ちなみに8段であり師範代であった。
- 安藤三男
- 『人造人間キカイダー』のプロフェッサーギル役や『スパイダーマン(東映版)』のモンスター教授役が有名である。実は潮健児とは親戚である。一般の作品では端役が多かったが、特撮では『宇宙刑事シャリバン』の軍師レイダーのように見る者をガチで怖がらせて視聴率に影響した程に狂気の演技で知られている。
声優兼業系
俳優としての仕事に加えて、「アルバイト」として何らかのアニメや洋画などで声優をした悪役俳優もいる。中には声優がメインになった者もいる。
- 中田浩二
- 『エースをねらえ!』の宗方コーチ、もしくは国際救助隊長男で知られるが、落ち着いた声とその風貌から黒幕として登場することが多かった。
- 高木均
- ムーミンパパの人。体型もそれっぽいが、顔だしの役どころは非常に狂気に満ちている。久々にワロタ。分かりやすい顔つきが昔のドラマなんだよな。
- 中庸助
- 『スカイライダー』の魔人提督や刑事ドラマでの組長役など、ボスクラスの悪役が多かったが、洋画の吹き替えをきっかけに声優業での活躍が多くなってきた。二代目のび太のパパ役でもある。
- 寺田農
- ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタことムスカの印象が強いが、時代劇では狡猾な悪役を演じている。
- 中田譲治
- 当初は二枚目の俳優でデビューし、『超新星フラッシュマン』のサー・カウラーに代表される武人的な悪役が多かったが、いつからか声優としての仕事がメインとなった。
- 森山周一郎
- 「飛べねぇ豚はただの豚」や『刑事コジャック』の吹き替えで有名であるが、刑事ドラマではその声をいかんなく発揮した悪役で存在感を醸し出していた。
悪役→善役系
当たり役のイメージより善役の方が多くなったパターン。
- 東野英治郎
- ご存じ『水戸黄門』の初代水戸光圀である彼は、『水戸黄門』に出会うまでは狡猾な悪役が多かった。実子は『ウルトラマンタロウ』の副隊長で知られる故・東野英心。悪役のキャリアを生かした演技は光圀と瓜二つの人物を一人二役で演じた際に垣間見ることができる。
- 西村晃
- 東野の後を次いで二代目水戸光圀に抜擢された彼もまた、『水戸黄門』以前は悪役が多かった。特に『ルパン三世VS複製人間』におけるマモー役は水戸光圀のイメージとは一線を画する理知的な悪役を演じている。彼もまた、東野同様に光圀と瓜二つの人物を演じる際に垣間見ることができるが、西村の場合は冷酷な表情の演技を見せるなど東野とは一味違うところを魅せている。
- 大滝秀治
- 宇野重吉(寺尾總の父)より、「壊れたハーモニカ」と例えられるほどの強烈なだみ声であり、長らく悪役が多かったが、当たり役である『特捜最前線』の船村一平役以降は善役が多くなってきた。その声は関根勤らが真似をしたほど。
- 渡瀬恒彦
- 石原プロの社長である渡哲也の実弟。しかし、正義役の多い兄と比べて悪役が多く、またピラニア軍団発足人の一人でもある。近年は強烈な灰汁が取れてどこか飄々とした役を演ずることが多くなってきた。一説には若い頃は芸能界一の武闘派で俳優フルボッコエピソード多数。
- 長塚京三
- 上司にしたいランクで上位に入ったこともあるが、若い頃は血気盛んなチンピラ役や不気味ささえ感じる悪役を演じ、「食べる前に飲む」というイメージとはまるっきり異なる。
- 平泉成
- 独特のだみ声が特徴的で、長らく悪役が多かったが、近年は父親的な役柄が多くなってきた。その特徴的な声をモノマネされることが多い。
- 阿藤快
- 近年こそ旅番組などでひょうきんな姿を見せたり、「なんだかな~」で有名であったが、若いうちは
- 粗暴な悪役を多く演じ、キメちゃってる役柄も演じたこと多数。
- 地井武男
- 若い頃は多く悪役を演じてきたが、元々引き出しが多い俳優であるため、年を追うごとに善役が多くなり、またバラエティにも多く出演、「チイチイ」の愛称で老若男女問わず愛された俳優である。
刑事ドラマ・時代劇系
勧善懲悪系の最骨頂であり、大体悪役と言えばこの2ジャンルに出演する俳優を指すことが多い。
- 菅貫太郎
- インターネット上では「画像を立てずにスレ立てとな」で知られる2代目麻呂でおなじみであるが、数多くの時代劇に出演し、その強烈な個性でファンからもよく知られていた。狂気の役だろうが知能犯的な役だろうが役を選ばないことに定評があった。それだけに早世は惜しまれた。
- 内田勝正
- 強面で武人的な役から残忍な役を難なくこなした。日本俳優連合副理事である。
- 丹古母鬼馬二
- 歯並びに定評のあり、一度見たら忘れられない顔立ちで野武士のようなあらくれ役がよく似合う。
- 志賀勝
- 『マッドポリス』の人。絵に描いた893顔で強烈なインパクトを誇る。
- 津川雅彦
- 今でこそ重厚な役柄が多いが、かつては狂気に満ちた悪役を演ずることが多く、独特の声とともに視聴者にインパクトを残した。実兄は故・長門裕之である。
- 福本清三
- 「先生!お願いします」と言われて出てくる日本一有名な名無しの切られ役。役名がクレジットされないことがあるが、一度見たら忘れられない目力に満ちた悪役。刑事ドラマで悪役筆頭で出てくると無言のうちに犯罪をするような冷血な役をこなしてしまう。そしてめでたくハリウッドデビュー。でも今日も斬られ続ける。
- 清水紘治
- 生粋の舞台人で、『ウルトラマンA』の久里虫太郎に代表される変質的な役から、必殺シリーズの諸岡様まで狂気と豪を併せ持つ希有の俳優である。
- 田口計
- 東大出身というインテリで、時代劇では1クールに必ず1回は出るほどであり、悪徳商人と言えば彼と言う程に人気が高い。洋画の吹き替えも多くこなしている。
- 天津敏
- 東映任侠映画の悪玉で知られる。時代劇・現代劇を問わず出演作品は多く、『仮面の忍者・赤影』の甲賀幻妖斎役が当たり役となった。『水戸黄門』ではシリーズ最強の敵役とまでいわれる鉄羅漢玄竜を演じている。
- 片桐竜次
- ピラニア軍団の一員としてヤクザ役を多数演じ、特に70年代後半の傑作『大都会PART3』の第一話でバズーカぶっ放したシーンはつとに有名。近年は相棒の内村刑事部長を演じ、悪役時代そのままの憎々しさは健在。
- 八名信夫
- 「マズイ、もう一杯!」で知られるが、元プロ野球選手と言う異色のキャリアを持つ。数々のドラマに出演し、「ま た お 前 か」と言われること多数。ドスの利いた声といかつい顔で見る者に強烈な印象を残す。近年は年相応の好々爺を演じる機会も多くなってきた。
- 田中浩
- 「わんぱくでもいい、たくましく育ってほしい」こと元祖ハムで知られているが、893の親分のようなドン役が似合った。西部警察のヘンリー野口役に注目。
- 藤岡重慶
- 『どてらい男』で西郷輝彦をいじめ抜く軍曹の坂田役が強烈であり、またその強面ぶりから武人的な悪役(とくにやくざの親分)が多かったが、その一方で『あしたのジョー』の丹下のおっちゃんや『西部警察』の谷刑事のような人情味あふれる役も演じた。晩年はバラエティーに出演していたこともあり、当時の若年層にも知名度が高かった。
- 竜崎勝
- 二枚目であったこともあり、その役柄も二枚目でありながらも冷酷非情な悪役やスーツを着込んだ殺し屋などもこなした。また、ゾフィー兄さんになったこともある。娘は元フジテレビアナウンサーの高島彩。
- 鹿内孝
- ロカビリー歌手として一世を風靡した彼は独特の目力でスナイパー役として重宝された。
- 亀石征一郎
- 東映ニューフェイス第6期(同期には千葉真一他)で、特撮ファンには『シルバー仮面』の春日光一役でおなじみだが、数々の時代劇で演じた悪役(悪家老や悪徳商人など)の方が印象深いだろう。
舞台俳優系
俳優というキャリアの中で舞台がスタートラインであることは今も昔もオーソドックスである。映像とはまるで違う世界観であり、その演技にも独特の癖が出る傾向がある。それゆえ、強い印象を与えることも多い。
- 佐野史郎
- 『ずっとあなたが好きだった』の「冬彦さん」に代表されるような嫌でもその狂気がにじみだしている怪演に定評のある個性派俳優であるが、元々知的なイメージなため、権謀術数に長けたような似ても焼いても食えない役も得意である。
- 松重豊
- 演劇の世界から俳優になると言う王道を進み、その強面から長らく悪役が多かったが、近年は『孤独のグルメ』で主役を張るなど、さらに活躍の場を広げている。
- 藤原竜也
- 実写映画版『DEATH NOTE』の夜神月など、ダークヒーロー・悪の主人公に定評がある。善役でも『新選組!』の沖田総司のように、無邪気と狂気を併せ持った役を演じたことも。近年は主人公を苦しませるラスボス役も多い。本人曰く「クズの役しか(オファーが)来なくなった」とか。
女性の悪役
映画やドラマ作りでは出演者は男中心であり、女優はヒロインやマドンナという言葉があるように善役として主役に華を添える立ち位置が多く、女優が悪役として登場するケースはそれ程多くなかったが、特撮系では早いうちからこの分野での浸透が進んでいた。
大立ち回りが難しい分、演技力を武器にすることが多く、男を意のままに操り破滅に追い込んだり、ヒロインを徹底的に精神的にいじめ抜くような役が多い。特に強調する場合は「悪女」役と言われることがある。
また、善役⇔悪役の流動が男性俳優と比べても多く、悪役専門の女優というのは多くはない。
- 中島ゆたか
- 刑事ドラマなどで男を手玉に取るような典型的な悪女として非常に重宝された女優。妖艶さえ感じるハスキーボイスがさらに存在感を際立たせている。
- 榎本加奈子
- 『家なき子』でエリカ役で出演、主人公すずを強烈にいじめ抜く役を演じ、ある業界の人々にとってはご褒美にも見えたとか見えなかったとか。
- 小沢真珠
- 『牡丹と薔薇』において、徹底的に主人公をいじめ抜き、非常に強烈な印象を視聴者に残した。
- 曽我町子
- 主に特撮系で魔女役を多くこなし、キング・オブ・魔女の名をほしいままにした。その知名度は日本国内のみならず、世界にも知られている。
- 高畑淳子
- 今では肝っ玉母ちゃん的な役で出演したり、バラエティーでのざっくばらんな一面が注目されているが、キャリア初期は特撮関係では悪役が多かった。『仮面ライダーBLACK RX』のマリバロンが当たり役となったことがきっかけで女優としてステップアップ出来るようになった。
…その他追加あったらお願いします。
悪役声優
声優は面ではなく、声で勝負の世界であり、特にアニメにおいては予め人物が出来上がっているので、そのキャラにあった声質が重視される。そのため、悪役⇔善役の流動がそれなりに存在する。声質や演技によっては主役をも脅かすほどの存在感を醸し出すこともあり、この点では俳優と何ら変わらない。そのため、この俳優の吹き替えはこの人で!とリクエストされる場合もあり、固定化されることもしばしば。特撮の場合も人外キャラクターでその声を当てることがあるが、時には声優自らスーツアクターを志願するケースもある。
- 飯塚昭三
- 70年代から現在に至るまで、ドスの利いた声でおなじみの声優さんである。『人造人間キカイダー』のハカイダーの声優で有名であり、ニヒルさを醸し出し、作品の印象付けに大きく作用した。
- 加藤精三
- 『トランスフォーマー』のメガトロン役や『仮面ライダーBLACK RX』のジャーク将軍のような貫録たっぷりながらもどこか人情味があるラスボスを演じることが多い。一般的には星一徹役が有名であろう。既に80を超える重鎮であるにもかかわらず、その意欲は衰えることなく、むしろ強くなっているらしい。
- 渡部猛
- 飯塚氏と共にボスキャラの声優として、多くの作品に登場した。声質が飯塚氏と似ているため、『宇宙刑事ギャバン』において飯塚氏がのどの不調を訴えて降板した際、代役として登場したこともある。
- 大平透
- 『笑うせぇるすまん』や『シンプソンズ』のホーマー役でお馴染であるが、ダースベイダーの吹き替えは一般的にイメージされるユニークなキャラからは想像もつかないものである。『マグマ大使』では悪のキャラクターのゴアのスーツアクターを直々にやったほどである。
- 柴田秀勝
- 『仮面ライダーストロンガー』のジェネラル・シャドウで有名な彼であるが、落ち着いた声の出し方や独特の声質で吹き替えなどでは理知的な悪役を演じることが多い。
- 仁内建之
- 知性を感じさせる声質で『特攻野郎Aチーム』のデッカー大佐のような軍服やスーツの似合うような悪役が良く似合っていた。その一方で『らんま1/2』の校長のようなはっちゃけた役もこなすなど、その演技の幅は非常に広い。
- 内海賢二
- 『北斗の拳』の拳王ことラオウが代表作として知られているが、吹き替えでは力ずくで目的を達しようとするような悪役を演ずることが多い。一方で『Dr.スランプ アラレちゃん』の則巻千兵衛のようなコメディリリーフ役もこなす。
- 納谷六朗
- 実兄は銭形警部役でおなじみの故・納谷悟朗氏。落ち着いたトーンの声と強弱を自在に切り替えられる演技力で冷静さと狂気を兼ね合わせる悪役を演じることが多い。80歳以降も声のトーンは変わることなく、実年齢以上に若いキャラクターを現役で演じることもあった。
- 郷里大輔
- かつては長堀芳夫名義で活躍していた。独特の声質やその声から発するドスの強さでドズル・ザビやウイグル獄長のようなゴリ押し系親分のキャラやいかつい黒人の悪役を演ずることが多かった。
- 中尾隆聖
- 子役の頃より演技の世界で活躍しており、『にこにこぷん』のポロリのような役を演ずる一方で、ばいきんまんのようなひょうきんかつ狡猾な役、フリーザ様のような2面性を持つキャラクターを演ずる。ポロリとフリーザ様を組み合わせたAAも有名であるが、やはり氏の存在感のある声の賜物であろう。
洋画の悪役俳優
洋画でも悪役俳優が多く登場するが、その演技が認められればアカデミー賞にノミネートされるほどであり、時として主役級と比類、もしくはそれを超える存在感を醸し出すこともある。
- ヴァーノン・ウェルズ
- 『マッドマックス2』で『北斗の拳』などに強い影響を与えたヒャッハーなモヒカン姿のウェズ役で知られる彼は『コマンドー』においても悪漢ベネットを演じ、ネット上でカルト的な人気を誇る。現在は犬に囲まれた紳士として悠々自適に生活をしている。
- ジャック・ニコルソン
- ラリってたり、酔っ払ってたり、キ●ガイだったりな強烈なアクの強さが求められる役柄にかけては天下一品を誇る俳優であり、特に『バッドマン』 のジョーカー役や『シャイニング』のジャック・トランス役はつとに知られており、狂気と怪しさを兼ね備えた、まさに怪優と言うべき俳優である。老いてますますお盛んな様子である(主に性的な意味で)。ジャック・ニクラスと混同しやすいが、こちらは天下一品のプロゴルファーである。
- ゲイリー・オールドマン
- 『レオン』などの数多くの映画に悪役として登場しており、役作りの徹底はつとに知られている。しかし、当人は普段の役柄とは真逆の謙虚で子煩悩である。また、自身の役柄について悩んだりと、日本の悪役俳優と似たような悩みを持ち合わせていた。裏を返せば、それほどまでに仕事に対して真摯に向き合ってるともいえよう。
- クリストファー・リー
- 御歳90を超えても現役で俳優として活躍していた。そして歳を重ねるごとに増していく貫禄は代え難いものであった。彼のキャリアで欠かせないのはドラキュラ伯爵役であり、ドラキュラと言えばクリストファー・リーと言われるほどになった。また、『スターウォーズ』ではドゥークー伯爵、『007 黄金銃を持つ男』ではスカラマンガを熱演。7ヶ国語を話すことができ、また馬術などにも長けていたため、若い頃はアクションではスタントマンを使わなかったという逸話がある。
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