1977年、東京都。人口1168万、警視庁警察官4万267人、犯罪発生件数20万9千件、犯罪検挙率88%
ー大都会PART2・OPよりー
大都会(テレビドラマシリーズ)とは、1976年から1979年にかけて石原プロモーションが制作した刑事ドラマである。
放映は日本テレビ系列で行われ、全3部制作されたが登場人物が同じであっても直接的な繋がりがなく、作風もそれぞれ異なるのも特徴である。シリーズ一作目は脚本家倉本聰が原案とメインライターを手掛けたハードな社会派ドラマであったが、二作目以降には参加せず、同一シリーズとは思えないほどに作風が変貌したのである。
すでに日本テレビ系列では「太陽にほえろ!」が放映されていたが、差別化を狙っていたのか刑事ドラマの王道とは少々異なる作風になっている。第一作目はどちらかと言えば刑事の周辺にかかわる人間描写を中心にすえ、第二作目ではアクションと軽妙なアドリブを駆使し、また現実に起きたその当時における直近の事件や猟奇殺人など実験作的なものが多く存在した。第三作目にいたってはテレビの限界を余裕で超えたカーアクションが注目された。また、「太陽にほえろ!」では石原裕次郎が強烈な存在感を放っていたのに対して、大都会シリーズは渡哲也を前面に押し出したものとなっている。
「西部警察」は大都会シリーズの直接的な後継作品にあたり、放映局こそ違えど各種フォーマットはほとんどスライドしている。(この経緯については「西部警察」の記事も参照することを推奨)
1980年代は頻繁に再放送をされていたが、西部警察ともども過激な内容(特にPART3)ゆえに1990年代以降は再放送の機会に恵まれず、長らく幻の作品と言われていたが、2009年からCSの日テレプラスで再放送が開始された。そしていよいよ2012年に念願のDVD化がなされた。
2016年4月期の改編により、BS11で『大都会シリーズ』の一挙放送が開始される。4月5日より毎週火・水曜日の19時から放送されており、7月20日からはPARTIIの放送がスタートした。
そして2016年10月期の改編により、放送枠が火~金曜日に拡大されることになった。10月4日放送の第20話「狙われる」より週4回の放送となり、2017年2月まで放送された。
なお、地上波に比べると若干規制の緩いBS波での放送ではあったが、一部の描写(放送自粛用語、女性のヌード写真等)に修正(音消し・ぼかし)を加えられており完全版での放送ではない。
記念すべき第一作目である。
舞台は暴力団専従班と言われる捜査4課であり、その内容も刑事ドラマというよりは黒岩やその周りを中心とする人間ドラマであった。この際、石原裕次郎は新聞記者であった。黒岩の妹はやくざに強姦された経験があったり、登場人物に陰のあるものがあったりと、全体的に重苦しい雰囲気となっている。また、事件が解決しても救われない結末であったり、核心に攻められなかったりと見てすっきり出来る内容ではなかった。
玄人筋の評価は高かったが、刑事ドラマといえばアクションという風潮にあって、見ていてカタルシスを感じづらい作風はあまり受け入れられず半年ちょっとで終了となった(3クールへの延長が内定していたが、結局視聴率不振を理由に打ち切り)。なお、この作品で神田正輝が俳優デビュー、寺尾聰や小野武彦など大都会シリーズでその後レギュラーとなる人物が登場する。
(執筆中)
「大都会 闘いの日々」の終了から8ヶ月後に放映された今作は前作とは打って変わって、アクションを前面に押し出し、刑事ドラマの王道を踏んでいったが、シナリオ面では独自色をだし、現在でいう所のストーカーなど様々な犯人描写をしていった点が特筆され、文化庁の芸術祭の表彰を受けた事もある。また大都会パート2のエピソードをプロットとした後発の刑事ドラマも多く制作された。また刑事ドラマと言えば殺人事件からの捜査というのが定番であるが、直接的に犯人側から殺人をしなかった回も存在した。
登場人物は前作とは名前が一緒でもその性格が異なっていたりと、実質設定がリセットされている。黒岩も城西署の一刑事として書かれており、レイバンのサングラス・スポーツ刈り・青の上下・冬場におけるバーバリーのトレンチコートなど、後の大門に通じるファッションスタイルが既に完成されている。彼の人物像もPART3や西部警察の大門のような完璧超人ではなく巡査部長なりたてであり、有能ではあるがどこか感情が先んじてしまう人物像となっている。
引き続き石原裕次郎と渡哲也のダブル主演であるが、この作品においては松田優作が登場している事でも有名である。後の「探偵物語」にも通じるアドリブを利かせた軽妙なセリフなどが見られ、緊張感漂うハードなドラマの中にありながらも視聴者がクスッとしてしまうような場面が人気となった。これらの要素をもって、今なお刑事ドラマの中でも屈指の傑作と言われる事がある。なお、この作品では石原裕次郎は医者となった。
関連人物が多いので、それぞれに項目を分けて紹介する。殉職者は赤字で示す。
PART2の終了から半年の充電期間を置き、PART3へ突入した。登場人物は概ね踏襲されているものの、各々の性格がかなり荒々しいものに変化した。PART2後半より過激になった内容はさらにレベルアップし、おおよそテレビのレベルを越えたハードなアクションは今持って語り草となっている。番組の雰囲気もより明朗快活なものとなり、湿っぽさが一切排されている。悪党が非常に凶悪なので仕方ないが殴る蹴るは当たり前で、回を追うに従って犯人は基本射殺が多くなるという現代の基準からすれば放送禁止レベルな過激な描写ゆえにこの20年ほどは再放送に恵まれなかった。
全体的にアメリカ映画を意識したとされ、黒岩の使う武器もライフル、そしてショットガンと過激なものとなっていった。パトカーのサイレンも従来からのいわゆる「ファンファンサイレン」ではなくアメリカのパトカーに見られるタイプ(「ヒュンヒュンサイレン」と言われる事も)となり、細かい所も意識している。
カーアクションは最高潮を迎え、大通りから住宅街までお構いなしのハードなものとなっている。当局のツッコミにより都心部でのカーチェイスを縮小せざるを得なくなった後期の西部警察と比べると、洗練こそされていないが面白味はそれ以上と言う声もある。
城西署捜査課の面々について、PART3から「黒岩軍団」の渾名が付けられるようになった。なお、殉職者は全話通じて出てきていない(出演者が怪我をして長期離脱した事はあった)
一般的に石原プロ関係で自動車と言う場合は日産車中心と言うイメージが強いが、車両提供についたのはPART3からであった。実際、PART2ではトヨタ・クラウンなどの日産車以外がパトカー用などで登場しており、また渋谷病院の救急車もトヨタハイエースを使用していた。しかし、「栄光への5000キロ」などでつながりが強かったのでスポンサーでなくとも、日産車の比率は高かった。
当初はいわゆる130セドリックがパトカーとして使用されていた。捜査課用の覆面パトカーは初期のものは交通取り締まり用のものと同じ反転式を採用していたが、大都会PART2中盤ではマグネット式を採用した。後半においてはフォグランプ付きの230が登場し、130セドリック×1と230セドリック×2の体制となって行った。PART2ではまだ日産の協力がなかったので破壊用として使用する車は日産の130セドリックの他にも3代目やクジラこと4代目トヨタ・クラウンになる事もあった。ごく稀にタテグロことA30グロリアが使用される事があった。230セドリックの1台はインパネにインジケーターのようなものがあり、タクシーグレードである事から教習車ベースである可能性がある。
大都会PART3においては覆面用の黒パトに330セドリックが導入された。2台が導入され、1台はDXでミラーがスチール製なのが特徴である。もう1台はGL-Eでフェンダーミラーがプラ製なのが特徴である。そしてPART2より続けて使用している230セドリックの3台体勢となった。これらの覆面パトカーは西部警察でも引き続き使用されたが、DXの330は予備車のような感じでそれほど多く登場しなくなった。一方、GLの方は所謂団長セドリックとしてかなり後年まで使用、西部警察PART2の時代まで使用された。また、制服仕様のパトカーもPART3より散光式警光灯が採用された。この当時(1978年頃)は現実の警察での採用はされておらず、一般的には1灯式であったが、これ以降現実の警察でも採用される事が多くなってきた。なお、散光式警光灯は移動などで取り外しをする手間があった為、車体に直接取り付けるタイプではなく、キャリア状のものに乗っける格好を取っていた。無論、従来の1灯式も存在していたが、お値段もお値段なのか、潰される車は決まって一灯式のものがほとんどであった。お約束ではあるが、PART3では当時の現行モデルである330セドリックが次のカットでは230セドリックに変わる場面が多かった。破壊用のこれらの車は主にタクシーや教習車上がりのものであり、低グレード車であった。230同士ならまだしも、330から230ではボディラインが違いすぎるので「あっ…(察し」と当時の視聴者が思ったとか思わなかったとか。
渋谷病院用の救急車は前述の通り、トヨタ・ハイエースが使用されていたが、PART3ではキャラバンに変更となった。このキャラバンは西部警察においても引き続き使用された。なお、ハイエースはその後西部警察に入ってから、爆破された。
この他、黒岩の自家用車として登場した前期型ジャパンスカイラインは犯罪者用の車としても登場したり、色々と活躍し、西部警察の時代まで使用された。なおこの車は撮影用ナンバーをつけているケースが多くなく、凝らして見るとおそらくこの車の本当のナンバーである「多摩57 ? 86-16」がちょくちょく見受けられる。[2]
掲示板
6 ななしのよっしん
2018/01/14(日) 17:38:35 ID: dTHDfBxeA2
7 ななしのよっしん
2018/12/26(水) 17:36:52 ID: vqiz+VrBK2
記事の中でも触れられているけど、Part2に柴田恭兵や水谷豊がゲストで出てくる回は今見るとすごすぎてちょっと変な笑いすら起こるね
渡哲也・松田優作・柴田恭兵が取り調べ室にいるシーンとか、ちょっとしたスーパー刑事ドラマ大戦というべき感じw
8 ななしのよっしん
2019/06/10(月) 20:51:49 ID: 4ROLC16P/w
大都会絡みの動画で「今のドラマでこの銃声使え」の銃声厨が沸いてくるのがうざいなあ。
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最終更新:2025/12/11(木) 06:00
最終更新:2025/12/11(木) 06:00
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