『手袋を買いに』とは、新美南吉の童話作品である。
『ごんぎつね』『おぢいさんのランプ』と並び、新美南吉の代表的作品として語り継がれている。
初出は1943年刊行の「牛をつないだ椿の木」。その後現代にわたるまで絵本化などもされながら親しまれている。
2020年の「せいゆうろうどくかい」では第一弾でこの作品が選ばれ、人気声優悠木碧が朗読した。
ある冬、雪の中を走り回った子狐は手が冷たくて痛いと母さん狐に訴える。それを見た母さん狐は、夜に町まで行って手袋を買ってやろうと思い立つ。しかし以前人間にひどい目に遭わされたことのある母さん狐はどうしても気が進まず、子狐に一人で手袋を買いに行かせることにした。
母さん狐は子狐の片方の手を人間の手に変え、目的の店の目印や買い方、そして狐だとばれないように絶対にもう片方の狐の手を出してはいけないことを伝えた。そして代金の白銅貨を持たせて送り出した。
店に着いた子狐は店の戸を叩くが、戸が開いたときに漏れた光がまぶしかったために、母親に出してはいけないと念押しされていた狐の手を出してしまう。そして「この手に合う手袋をください」と言った。
狐が木の葉で買いに来たと思った店主は代金の先払いを要求したが、渡された白銅貨が本物であることを確かめると子狐に手袋を持たせてやった。その帰り道、人家から漏れ聞こえる子守唄に、子狐は自身の母のそれと同じ優しさを感じていた。
帰った後、子狐は母さん狐に、誤って狐の手を出してしまったが無事手袋が買えたこと、そして人間なんてちっとも恐くないなどと話した。それを聞いた母さん狐はあきれていたが、同時に「ほんとうに人間はいいものかしら」とつぶやいたのだった。
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最終更新:2023/06/07(水) 12:00
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