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虚血性大腸炎(虚血性腸炎)とは、大腸に血液が流れにくくなる、または一時的に流れなくなることで大腸に炎症が起こる病気である。
動脈硬化などが原因で大腸に一時的に血液が流れなくなる、または流れにくくなることで大腸が傷ついてしまう病気である。例えるならば「心筋梗塞や脳梗塞が大腸で起こったような病気」である。
糖尿病や高血圧症、脂質異常症、狭心症、脂肪肝などの基礎疾患がある人や便秘がちの人が罹りやすいと言われている。特に高齢者が罹りやすいと言われるが、若者でも発症する可能性がある。
虚血性大腸炎で最も多くみられる症状は激しい腹痛である。突然の激痛が起こり、特に下腹部が強く痛むとされる。
また、下痢もよくみられる症状である。大腸から出血して粘血便が出ることもあり、炎症が酷くなると大量の下血が起こることもある。
発熱や吐き気・嘔吐を伴う人もいる。
基本的には予後良好な病気でありほとんどの場合、入院・絶食して大腸を休める(その間は点滴で栄養を補給する)ことで2週間程度で治るが、稀に腸狭窄や腸閉塞(イレウス)などの合併症が起こることもある。
また、きわめて稀だが劇症型の虚血性大腸炎では大腸穿孔(大腸に穴があく)や大腸壊死(大腸が腐ってしまう)が起こることもあり、この場合は緊急手術をしなければ急性腹膜炎や敗血症、ショックなどの重い合併症を起こして死亡することもある。劇症型の致死率は30〜50%と非常に高く、危険な病気である。
虚血性大腸炎が疑われる場合はCT検査や大腸内視鏡検査を実施する。
鑑別が必要な病気としては細菌性大腸炎(特に腸管出血性大腸菌O157と赤痢菌)や腸結核、潰瘍性大腸炎、大腸憩室症、腸重積症などがある。
虚血性大腸炎よりもっと重篤なものに、腸間膜動脈閉塞症という病気がある。これは主に小腸に血液を送っている血管(腸間膜動脈)が完全に詰まってしまうことで非常に激しい腹痛や嘔吐、下血などの症状があらわれる病気である。
この病気の進行スピードは非常に早く、発症から6時間以上経過すると小腸が腐ってしまうため緊急手術が必要である。致死率は現代医学でも50%以上であり「消化管で最も危険度が高い病気の一つ」とも言われている。また運良く命が助かったとしても、腐った小腸を切除したことにより栄養の吸収ができなくなってしまう(一生点滴が必要となる)こともある。
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最終更新:2025/12/05(金) 20:00
最終更新:2025/12/05(金) 19:00
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