輸送隊とは (ユソウタイとは) [単語記事]

輸送隊とは、物資・人員その他を運ぶための部隊である。

概要

輜重隊とも呼ばれる。軍隊の中でも物資・人員を運ぶことに特化した後方支援部隊。

軍の兵站を維持するうえで欠かすことのできない兵種であるが、直接戦闘に参加しないために軽視されることも多かった。

陸上自衛隊では、輸送科が相当する。防衛大臣直轄の中央輸送業務隊や各方面隊の方面輸送隊、師団・旅団にも専属の輸送隊が存在している。

海上自衛隊では、護衛艦隊直轄の輸送艦部隊として第1輸送隊が存在している。呉基地を母港とし、3隻の輸送艦と6隻のホバークラフトを有している。災害地への物資の輸送や海外への物資・機材・車両の海上輸送が主な任務になっている。

航空自衛隊では、航空支援集団が輸送隊の役割を持っている。傘下の第1輸送航空隊、第2輸送航空隊、第3輸送航空隊は災害派遣での輸送や、海外派遣・国際緊急援助活動などで援助物資の輸送や自衛隊が海外派遣される際の輸送を行っている。特別航空輸送隊はいわゆる政府専用機である。

兵站の維持には欠かせない部隊であるが、直接戦闘力は低いので、よく狙われる。特に大軍が攻めてきた場合などには、防衛側は直接的軍と戦わず、ゲリラ的に少数の兵で輸送隊を襲撃して兵糧を奪って相手の士気を下げるという戦略がよく使われる。

RPGやシミュレーションなどのゲームでは貴重なアイテムを運んでいる輸送隊を襲撃して宝物を奪う任務や、攻守を逆転して襲ってくる敵から輸送隊を守る護衛任務などもよくあるパターンである。