黒薔薇の刻をとは (クロバラノトキヲとは) [単語記事]

退屈な日常を、今この時だけは忘れて、一日の疲れを癒す。
黒薔薇の刻へようこそ。

概要

『黒薔薇の刻を』とは、IRCの#imas_inst チャンネルに集ったアイドルマスター MADのP達が、
酒のうまくなる曲を持ち寄ってMAD PVを作り、スクリプトを組み合わせた合作動画。
作中に登場するバーはimas_inst祭のときのCMに登場していたものと同じだと思われる。

これまでで7本の合作動画が公開されている。

一言で表せば、ショートストーリーと共にジャズの名曲に合わせたアイマスMAD。
だが、その魅力は一言では言い尽くせない。

初出はかの伝説的な24時間イベント「愛m@s24」の02:00～02：30枠。
盛りだくさんの番組を視聴して夜中に突入し、お祭り騒ぎも勿論良いが、ちょっとどこかで休みたい。
そんな絶妙なタイミングで始まったのがこの「黒薔薇の刻を」である。
打って変ってアイマスらしからぬアダルティーな雰囲気に、手元の酒が進むことこの上なし、
呑み助のアイマスフリーク達は喝采（しかし表には出さず）を惜しまなかったことだろう。

構成は、ショートストーリー→アイマスＭＡＤ（Jazz）→ショートストーリー……というもの。
ショートストーリーの内容は「大人の御伽噺」といったもので、
素面の頭で読めば「こいつはくせえッー！」という感想がよぎるかもしれない。
だがジャズの名曲と、この動画の視聴者の99%が飲んでいるであろう美酒の味わいが、そんな月並みな感想を忘れさせてくれる。
仮に思っても視聴者は口にしない。ここは夢、ここは幻、君は酔いに来たんだろう？　まあ一杯。

この動画において、アイドル達はあくまで添え物的な立場である。
アイマスのＭＡＤなのだから、彼女たちが全面に押し出されるのがごく当たり前なのであるが、
本ＭＡＤにおいてアイドル達は、あくまで場に安らぎをもたらすオブジェ的な立ち位置にとどまっている。
ミニチュアのプレイヤーがジャズ演奏を奏でる、リトルジャマーのようなものであろうか。
主になれば従にもなる、アイマスの無限の可能性を実感せずにはいられない。
アイマスに入れ込めば入れ込むほど、アイドル達が「従」の立場を崩さない本動画を満喫できることだろう。
常識で考えれば場違いのやよいやとかちさえも違和感無く溶け込んでいるのは、音楽と酒の魔力としか言いようが無い。

動画中、視聴者は思い思いの酒を注文するのが通例となっている。「マスター、ラフロイグをトワイス・アップで」etc……。
中にはコーヒー、果ては「ブラッディ・マリーのウォッカ抜き」などという注文がなされるが、
そこは紳士中の紳士が集まる「黒薔薇の刻」。野暮な突っ込みが入ることはない。
心地よい空間に、酔えさえできれば良いのだから。