MAD 単語


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マッド

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MAD(マッド)とは以下の意味で使われる言葉である。

  1. 『気が狂った』『発狂した』『バカげている』などを単語。mad 対義語balancad(安定している)。
  2. 上記の意味から生した日本特定音楽映像作品に対して付けられる名称。=音声MAD・MAD動画。
  3. 相互確破壊(Mutual Assured Destruction)の略称冷戦時代を徴する概念
  4. 磁気異常探知機(Magnetic Anomaly Detector)の略称。軍用対潜磁気センサのこと。

この記事では2の音声MAD・MAD動画について記述する。

概要

MADとは、動画や音を編集、改編し新たな意味を付加された動画や音のことをす。つまり、二次創作物である。

本来MADとは、『気が狂った』などを意味する単語であり、MADと名の付く作品は内容にがある物が多い。しかし、MADの意味を深く調べていくと「中になる」という意味もある為、一概に悪い印を持つ単語ではないことが分かる。

「MAD」の名前日本1970年代1980年代にかけて作られた「MADテープ」に由来する。これのさらに前は「キチガイテープ」とも呼ばれていた。

そのためMADという単語は一般的には日本の作品しかささず、英語圏では別の単語が使われている。(例:アニメに別の音楽を付け編集した動画ならAMV等)

旧来は編集された作品がMAD(M@D等の表記もある)とされ、加工や編集等の妙が評価対であり、音と音/音と動画の尺すら合わせずに別の音や映像を当てるだけの作品は面ネタ扱いであった。だが動画サイトの普及に伴い、近年ではそれらもMADと分類する傾向が見られる。

歴史

最古の音MAD1935年の「General Adolph Takes Overexit」であるとされる。これはイギリス情報省がナチスに対抗するために開されたプロパガンダ映像であり、ナチスを題材にした記録映画「意志の勝利」を素材にして滑稽な動きをさせたものであった。

1970年代カセットテープセリフを繋げ合わせてヘンなものに仕立て上げる遊びが存在した。いわゆる「きちがいテープ」と呼ばれる代物で、一部の人たちが寄り持って遊んでいた。

一連の作品群が「MAD」と呼ばれる原因となったのは、30数年前に作られた「NEW MAD TAPEシリーズ人気が高かった為である。

「MAD」は「きちがい」の訳に相当する。

「NEW MAD TAPEシリーズの流れを継承する作品として、1980年11月ラジオ番組「タモリオールナイトニッポン」で「つぎはぎニュース」が誕生する。この「つぎはぎニュース」はニュースの音を繋ぎ合わせ、大会者に破天荒ニュースを「喋らせる」作品。当時大人気になった。

その後、ビデオデッキを駆使して作成するMADビデオも出現。最初期のものに『十二支団』製作の「えとけっとびでお」がある。それにされ、『タクラミスト製作の「タクラビジョン」、『株式会社イカスー製作の「イカスービデオ」、『グループパンの耳製作の「番頭ビデオ」など、数多くのMADビデオが作られた。なお、この頃のMADを今のデジタル編集のMADと区別して、「アナログMAD」と呼ぶことがある。

何らかの場所などで発表する事も増え、サークルが出来、その繋がりで広まっていくことも増えた。しかし、当時のMADはビデオダビングによって広まっていったため、画質はすこぶる悪かった。代表的なサークルは『宇治軍団』。

1990年代後半より、徐々にパソコンでのデジタル編集が行われるようになる。使用されるソフト選択肢が非常に限られており、Adobe PremireやUlead Video Studioなどしかなかった。この頃の作品に『くるくるパロディブラザーズ製作の「くるくるパロディシアター」、『はじおう』氏製作の「おたくのMADビデオ」などがある。一部は、2000年頃まで手渡しでの配布が行われていた。また、はじおう製作の『Gロボ体操』は非常に出来が良く、MAD界にジャイアントロボMADブームが起こった。インターネット普及に伴いパソコンによる動画作成が進むと、MADテープビデオから『MAD動画』などに進化し、ネット上で流れることが増えた。

同じ頃、『Tactics』の「ONE ~輝く季節へ~」や『Leaf』の「」「」の画像素材を解析・抽出して素材にしたMADが作られ出すようになった。のちにこれらは動画素材にしたMADと区別して、「静止画MAD」と呼ばれることになる。『Key』の「Kanon」や『Leaf』の「To Heart」がブームになると、静止画MADが数多く作られることになった。静止画MADの代表的な作者に、「神月社」氏や「乃怒亞女」氏などがいる。

1990年代末期になり、AviUtlVideoMaidなどのフリー動画編集ソフトの登場によって、MAD作成の垣根は下がった。垣根が下がった事による作り手の増加に加え、勇者シリーズ最終作となる熱いアニメ話題になり、ガオガイガーMADブームが起こることになる。その他、BM98を利用したBMSA作品なども流通した。

2000年代に入るとFLASH黄金期を迎える。これも広義にはMADの一種と言えよう。

2002年頃から「機動戦士ガンダムSEED」のブームにより、多くの女性が同作品のMAD作成に参入した。

2005年現在まで使われている音ソフトREAPER開される。

2006年、「MUSASHI-GUN道-」という衝撃的な作品の登場によって、MADがブームとなった。この時はYouTubeに作品がアップロードされていた。海外では後のYTPMV生元となるYTPが成立し始めた。

2006年末から2007年にかけ、「新・豪血寺一族」のPVである「レッツゴー!陰陽師」が話題になり、その後のリミックス音MADしていくことになる。

2007年初頭、「THE IDOLM@STER」の登場人物双海亜美の歌う「エージェント夜を往く」が話題になり、以降アイマスMADブレイクすることになる。

これらの動画YouTube等で開されるようになって飛躍的に多くの人のに入るようになり、またニコニコ動画で反応がダイレクトに返ってくる様になった為、MAD作品は一気に普遍的なものにまで発展した。

2008年うごくメモ帳(DSi版)のサービスが開始される。2017年3DS版がサービス終了するまでの短い期間ではあったが、ニコニコFLASHを受けつつも独自の文化を形成していったうごメモは、Youtube転載された動画でしかMADを知らなかった当時の小学生達に大きなを与えた。

2009年頃、Sony Vegasが普及し始め、以降標準的なMAD制作ソフトの一つとなっていく。

2010年代に入ると例のアレモーレスター等が台頭し始め、動画の構成やコメントの傾向に大きな変化をもたらすことになる。

2015年Twitter動画投稿が可となり、MADがより多くの人に触れられるようになる。またこの頃からTwitterの流行がニコニコ輸入されることが多くなった。

2010年代後半、「大変な途中下車シリーズ」をはじめとする鉄道MADからRED ZONEを題材にした「ぞね界隈」が生。Youtube拠点となり、独自の文化が生まれていく。

2020年代初頭、コロナ禍Discordの使用率が増加し、MAD製作者同士がDiscordサーバーを通じて共同で作業することが増えていった。またTikTokではヒカキン素材とする「ヒカニチ」が他のヒカキンMADから独立する形で流行し、大きな勢力となる。

2024年ニコニコサーバー攻撃を受けて一時的に使用不可能となる。これによりニコニコユーザー達がYoutubeに進出する現象が起きはじめた。

現在日本各地で上映会が開催されており、時々その上映作品が投稿されることがある。上映会著作権の関係から参加者を介しての紹介制のため、開催日時や場所等が開される事はない。(以下上映会作品と確認されたもの)

Flash動画の影響

Windows 95からWindows Meの頃くらいまでは「動画再生力が足りない」パソコンがほとんどであり、編集も難しかったことから、Flash動画がその間を支えることとなった。

ポエ山氏のゴノレゴシリーズオラサイト(後にラサイト)、砂糖氏、BUMPOFCHICKENFlashが有名である。

動画サイトの登場、そしてそれを再生できるパソコンの性向上に伴って、少しずつFlash動画の流行が引き始める。

ニコニコ動画とMAD

ニコニコ動画におけるMAD動画の数の多さは尋常ではなく、同サイトの独創的な文化を育んだ大きな要因のひとつでもある。MADには様々な種類があり、特に「組み合わせ方式」のMADは数も人気も高い。

例)東方ネタ×ドナルドネタジブリネタ×遊戯王ネタ

なお、核となるネタとして有名なものは以下のものが挙げられる。

など。

なお上記の内、アイドルマスター東方VOCALOIDと合わせて3つで「殿堂入りカテゴリ」として確立しており、同じく上記の創価学会チャージマン研レスリングシリーズの3つで「例のアレカテゴリ」として確立している。

MADと著作権

MADはその性質上、必然的に二次的著作物となり、著作権で保護された作品を断で題材として扱うことは原著作物の著作権を侵する行為となる。

ニコニコ動画運営する株式会社ニワンゴは、有限責任中間法人日本動画協会、社団法人日本映像ソフト協会、社団法人日本映画製作者連盟の三団体と協議の結果、ニコニコ動画内に既に投稿されている三団体の会員社の著作権を侵している動画についてはMAD動画を含めてすべて削除すること、新規動画を監視し、新たに投稿された三団体の会員社の著作権を侵している動画をMAD動画を含めてすべて速やかに削除することに同意した。これは2008年7月2日に、ニワンゴ会社である株式会社ドワンゴ明らかにしたものである。

MADの削除率

MADを投稿する時は、削除されやすいジャンルもあるので、消されたくない時はそれに気をつける必要がある。

削除率1(低い)~5(高い) ※4以上は高確率で消えます。

例外
東方二次創作(基本)自由のため、消されたとしたら他の理由が考えられる)

権利関係が不明なもの等はレベルが1~2程度下がる。例)エトレンジャーNHK BS2で放映されたアニメ

山本弘氏の「MADについて」5か条

ニコニコ動画小説家山本弘氏は、『トンデモ音楽世界』(2008年小学館)にて現代のMADについてこう語っている。

  1. MADや同人誌などの二次創作は、創作者が想像力を働かせて元の作品を別の形にこね上げた、新たな作品であり、いわゆる「盗作」とは異なる。
  2. MADは削除しすぎるとファンの反感を買う。
  3. MADは原作の売り上げに貢献している(下のニコニコ市場を見れば明らかである)。
  4. つまり、MADのような二次創作はある程度黙認するほうが賢いやり方である。
  5. 同人誌業界から多くの漫画家が生まれてきたように、MAD業界からもいい映像クリエイターが生まれてくると思われる。

ただし、この考察はあくまで山本氏がMADであるが故のある種一方的な解釈という意見もあり、全く別の意見を唱える者もいるので注意が必要である。

一部の動画に付くコメント

MADテープが~』というコメントは、昔から使われているような古典的なネタを意味する。もしくは、元ネタとなったMADテープビデオを知っている人のコメントである。

ニコニコで著名なMAD製作者

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