SCP-1883-JPとは (カホゴとは) [単語記事]

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SCP-1883-JPとは、シェアード・ワールド『SCP Foundation』に登場するオブジェクト(SCiP)である。

項目名は『過保護』。

概要

基本情報
SCP-1883-JP
OC	Euclid
収容場所	サイト-81██
著者	Ts uk ajun
作成日	2020年 8月16日
タグ	予知嘘コン20 変容生物学瞬間移動知性破壊不可能移動自己複製自我視覚記憶影響
リンク	SCP-1883-JP
SCPテンプレート

SCP-1883-JPは視覚障害者誘導用ブロック (以下、点字ブロック) に酷似した外観を持つ生物群の総称である。体表に黄色の体毛が存在しており、これ故に一般的な点字ブロックのような黄色い外観をしている。鼓動しており、心拍音が一般的な成人男性のペースでしているが、臓器の正確な位置と大きさも判明していない。損傷させたりサンプルを取得できない破壊耐性も有する。

このSCP-1883-JPは最大28体まで増殖する、あるいは個体数を減らすことが瞬間的に可能である。また、『警告』を意味する円形隆起と『誘導』を意味する直線状隆起にも瞬時に変形可能。

このオブジェクトは、2042年 1月21日に京都府で高橋由美氏 (SCP-1883-JP-1) の足元にいるところを、クラスW記憶補強薬を摂取していたエージェントに発見された。

SCP-1883-JPは高橋氏の思考を読み取り、高橋氏が望む方向へ地面を統べるように移動する。また、高橋氏の進行方向に危険なものがある場合、SCP-1883-JPは高橋氏に安全な場所に向かうように誘導している。階段など、目的地に高低差がある場合はSCP-1883-JPは転移して移動する。SCP-1883-JPが高橋氏以外にこのような関与をした事例は現時点まで確認されていない。このような特性を有するにも関わらず、周囲の人物はこれに違和感を抱かない。

高橋氏は発見時点で62歳の女性であり、幼少期に自動車の衝突事故で両親と弟を亡くしている。また本人もこのときにガラス片による損傷と心的外傷後ストレス障害によって両眼を失明している。SCP-1883-JPの異常性を高橋氏は認識しており、SCP-1883-JPに乗って歩くことに絶対的な信頼を置いている。このため、高橋氏はSCP-1883-JPの上から足が離れることに異常なほど恐怖することが実験からも判明している。

いわく、ベッドの上で延々泣いていたら、ベッドの下からSCP-1883-JPが声をかけてきたのだという。おばけだと思って看護師を呼ぶと、看護師はベッドの下を覗き込んで何もいないと言った。それでベッドから降りたところ、声がまた聞こえてきて、そこで点字ブロックが話しかけてきていると気付いたのだという。声は高橋氏にしか聞こえない模様。

SCP-1883-JPは気付いてもらえないことを悲しんでおり、高橋氏がその第一号であったがゆえに意気投合したのだという。そして今まで高橋氏は転んだことも人と衝突したこともないという。それゆえ、高橋氏はSCP-1883-JPを愛している。

インシデント記録

さて、こんな高橋氏とSCP-1883-JPだが、高橋氏はある日地震が起きた際に転倒してSCP-1883-JP上から身体が全て外れた。その際に高橋氏は混乱して支離滅裂な言葉を繰り返したが、その時SCP-1883-JPが高橋氏を取り囲んで箱の様に隔離し、18時間その状態をキープした。そして箱から開放された高橋氏はその時の記憶を失っていた。

一連の流れを目撃していた職員は、高橋氏がSCP-1883-JPから外れた時、目が見えるように振る舞っていたと証言している。

解説

高橋氏は幼少期に看護師さんがベッドの下を覗き込んで、と発言している。ベッドの下をどう見たかなんて目が見えないのにわかるのだろうか。ちらっと一瞥したにすぎないかもしれない。覗き込んで、がわかるのは、高橋氏がその時点では失明していないからであろう。

点字ブロックから足が完全に外れると、高橋氏は視界を取り戻した。逆説的に言えば、SCP-1883-JPが視界を奪っているともいえる。高橋氏以外にSCP-1883-JPに気付いている者はいないことから、SCP-1883-JPが高橋氏を引き止めるために視界を奪っている、あるいは高橋氏の見ている情報を一度自分たちが咀嚼して、音声情報に変換していると見るべきであろう。

つまり、SCP-1883-JPは高橋氏を束縛するために、依存させようと視界を奪っているというわけである。SCP-1883-JPはけっしてかわいらしい何かなんかではないのだ。

ちなみに本オブジェクトは『嘘のコンテスト 2020』出品作品である。