ヌレイエフとは (ヌレイエフとは) [単語記事]

ヌレイエフ(英:Nureyev)とは、1977年アメリカ生産の競走馬・種牡馬である。

概要

父はかの大種牡馬Northern Dancer。母Specialは、ヌレイエフの他にNumber(*ジェイドロバリーの母)、Fairy Bridge(Sadler's Wells、Fairy King兄弟の母)を輩出したアメリカ屈指の名繁殖牝馬。130万ドルという1歳馬としては当時史上2位の高額で落札され、「踊り」に関する馬名をつけるというNorthern Dancer産駒の通例通り、ソ連生まれのバレエダンサーであるルドルフ・ヌレエフにちなみ「ヌレイエフ」と名付けられた。

由来となったルドルフ・ヌレエフは、同じく馬名の由来にもなった伝説的バレエダンサーであるヴァーツラフ・ニジンスキーの再来と呼ばれたほどの名ダンサーだったが、その名を戴いたヌレイエフの競走成績は、英国三冠を成し遂げるなどやはり伝説を残した競走馬ニジンスキーの再来と呼ぶにはあまりにも情けない。なにせたったの3戦2勝である。2勝はGIII(ちなみにこれがデビュー戦)とリステッドだったが、3戦目の英2000ギニーでは、1位入線したのに進路妨害で失格。その後感染症で引退というなんともトホホな現役生活だった。

しかし種牡馬入りすると覚醒。初年度はフランス、その後はアメリカで種付けを行い、2度の仏リーディングサイアーに輝いた。種牡馬入り7年目の1987年には手の施しようがないと判断されるほどの骨折を負い、この治療のストレスで呼吸器や大腸にも不調を抱えながら奇跡的に生還したが、これにより骨折した右後脚は生涯引きずっていたという。

産駒のほとんどは芝で実績を残しており、基本的にはマイル戦線が産駒の主戦場だが中にはスプリンターや中距離馬もいる。代表産駒としてはGⅠ10勝の名牝Miesque、その同い年でMiesqueと競った名マイラー*ソヴィエトスター、凱旋門賞馬*パントレセレブル、GⅠ6勝のTheatricalなど。日本でもブラックホークがGⅠ2勝を挙げた。父系は多士済々のND系の中で全体的にはあまり発展していないが、Polar Falcon→Pivotalのラインが欧州で一定の拡がりを見せており、父系を繋いでいる。

日本では、同じく欧州で活躍馬を出したステイヤー色の強いSadler's Wellsと比較するとマイラー寄りの本馬はあまり重さを出さなかったのか、母父に入っての活躍馬が多かった。ジャングルポケット・ゴールドアリュール・トゥザヴィクトリー・イーグルカフェ・フサイチパンドラ・スリープレスナイトなどである。ジャングルポケット・ゴールドアリュール・Miesque・Sonic Lady・トゥザヴィクトリー・ハルーワソングらを通じて血統表で多く見かけることが出来る。

長らく種牡馬を続行していたが、2001年8月、右前脚の腫瘍を切除する手術を行った後に合併症を発症。これが元となり、10月に24歳で死亡した。

血統表

Northern Dancer 1961 鹿毛	Nearctic 1954 黒鹿毛	Nearco	Pharos
			Nogara
		Lady Angela	Hyperion
			Sister Sarah
	Natalma 1957 鹿毛	Native Dancer	Polynesian
			Geisha
		Almahmoud	Mahmoud
			Arbitrator
Special 1969 鹿毛 FNo.5-h	Forli 1963 栗毛	Aristophanes	Hyperion
			Commotion
		Trevisa	Advocate
			Veneta
	Thong 1964 鹿毛	Nantallah	Nasrullah
			Shimmer
		Rough Shod	Gold Bridge
			Dalmary